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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
35/49

後日

どうもナオフミです。

今年で最後の投稿、この日に合わしてこの第二章考えてきて無事に終わることができました!

来年からは新しい第三章が始まります。三章では最初に出てきたあのキャラが・・・・。


 

「あつい・・・・」


 黒鉄聖也はその日いつもより早く起きた。原因はわかっていた。

 聖也の両腕には抱き枕のように、女性しか持っていない凶器の間に挟んで抱き着いているシャーロットとサテラ。そして聖也の胸の上でうつぶせになり幸せそうに寝ている幸雨。

 世の中の彼女のいない男性陣が見たら血の涙を流しながら追いかけてきそうなこの状況。そもそもなぜシャーロットだけじゃなくサテラもいるのか、さかのぼること昨日の表彰式が終わった後。


 表彰式が終わり、まだ体が全快ではない聖也が早くシャーロットと幸雨を連れて家に帰ろうとしたときのことだった。


「あっあの、黒鉄君!」

「なんだサテラ?」

「そっその・・・えっと・・・」

「?」


 サテラはまるで初めて会った時のように顔を真っ赤にさせて、そしてギュッと服を握って大きく息を吸い込み言った。


「ああああああの、その、私も・・・・・・・私も黒鉄君のののの」

「サテラやっぱりお前も俺の奥さんになってくれ拒否権はない」

「へっ・・・・」


 一瞬空気が固まった。せっかくサテラが自分から言うとしたことがまさか聖也から言われるとは全然予想してなかった。


「ほら、何やってんだ行くぞ」

「はっ!はい!不束者ですがよろしくお願いします!」


 こうして聖也の家族がまた一人増えたのだった。


 そしてその後は何かシャーロットとサテラがお互いにぎゃあぎゃあと何か言い争っていたが、聖也は無視して家に帰り、全員で晩御飯を食べその時に聖也の隣に誰が座るだとかでもめて、寝るときには誰が聖也の隣で寝るかでもめていたのだ。


「ったく中がいいんだか悪いんだか・・・・、全員起きろじゃないと朝食抜きだぞ」

「「「それはだめ(です)!」」」


 三人は見事同時に起きた。

 聖也はすぐに三人を連れていつもの場所に向かって行き着くとすぐに走り始め訓練が始まった。


「ふぅ、さてと朝食だ」


 いい汗をがした聖也達は帰ってきて順番にシャワーを浴びて、シャーロット、サテラ、幸雨は床に座ってまたも聖也の隣は誰が座るかをもめていて、聖也はそれを気にせずに朝食を作っていた。

 朝食後今日の予定はみんなで幸雨の身の周りの者を買いに行こうとショッピングモールに出かけるのだ。

 なのでそれぞれ出かける準備を済ませて、出かけるのだった。


 外に出てきて数分、聖也はあまりなってほしくないと願っていたことが起こった。


「おい見ろよあれ」

「生徒会戦で優勝したやつだ」

「でもヒューマンなんでしょ」

「えっ、なんでヒューマンのくせして俺ら他種族の上に立ってんだよ」

「社会の常識を知らない愚かな種族はこれだから」


 生徒会戦はこのアルミド帝国にとっては一大イベントの一つ、毎回生徒会戦はテレビ中継されるほどだ。だからここを歩いている人いやアルミド帝国に住んでいるほとんどの民間人は聖也のことを知っている。

 ここでいつもの聖也なら無視するところだが、今は聖也一人だけではない。


「おい底辺種族の周りも見ろよ、他種族の奴と子供が一緒に歩いてるぞ」

「おいおいまさか底辺種族に気があるんじゃ」

「そうだとしたら、種族の恥だな」

「そうだなあいつらはもうゴミも同然ということだ」


 今は幸雨達も一緒にいるのだ、いつもは聖也だけだから気にしなかったが、幸雨達にまで迷惑を自分と同じようになってほしくない、聖也は行動に出た。


「おい、これ以上俺といるとお前らまで迷惑をかけちまう、だから幸雨をよろしくな」

「えっ聖也何言って」


 そう言って聖也は路地裏の方に走っていった。


「ちょっと聖也どういう事よ!聖也!」

「黒鉄君!?」

「パパ?」


 それぞれ聖也を呼ぶが聖也の背中はどんどん小さくなっていった。


 周りから人の声が聞こえなくなったのを確認して聖也は走るのをやめた。


「ふぅ~、幸雨達には悪いことをしたな・・・、この世の中じゃ俺の生きる場所なんかないんだよ」


 そんな愚痴をこぼして周りを見渡した。聖也はここら辺の地図は覚えているので、今いる場所から家までのルートを見つけて移動した。

 路地裏はその国の裏の顔のような場所、人目につかず悪いことをしてもばれにくい。

 なので路地裏をよく通る聖也はアルミド帝国の裏の顔を見るのは日常茶飯事の事だった。

 麻薬の取引、裏でのお金のやり取り、人身売買、数多くの悪を見てきた。

 帰り道でもう五件以上の闇ルートの違法取引を見た、聖也はそれを無視して家に戻る。聖也ほどの実力があればなくすことは難しくはない、だが仮に全部消えたとしても誰も聖也を褒めない逆に怒られるだろう「なんでこんなことをしたんだ!」っと。


 ぼーっと帰っていると道の奥からまた声が聞こえた。


「おらっ!こっちきやがれ!」

「やだ助けて!」

「お母さん!お父さん!」

「もういやだよ」

「黙りなさい!」


 声がする方をちらっと見ると、そこには大人二人と子供が三人いた多分家族だろう。

 子供の三人のうち一番大きくて小学三年の女子、真ん中が小一の男子、一番下が幸雨と同じくらいの女子。大人たち二人の手にはそれぞれ鞭が握られている。三人の子供たちの顔や腕には大人たちが持っている鞭でやられた跡がある。


「お前たちはなんでこんなに無能なんだ!」

「そうよ!お前らのために一体いくらお金をかけていると思ってるんだい!」

「そもそも俺らの子供でありながらその少ない魔力量はなんだ!」

「私たちの顔に泥をつけて!」


 大人たちは怒鳴りまくっていた。聖也から言わせれば全て子供たちの責任ではないと思っていた。お金をかけているからと言って教える奴がダメならいくらかけてもダメだし、魔力量に関しては親が優れた魔力を持っていようが子供にまで影響はない。

 そんなことを思いながら聖也は無視をした。

 どうせ助けても何もない、あるのは罵倒だけ。あるものが分かっていてそんなところにはいかない。


「ごめんなさい、これからもっと頑張るからこの子たちにはやめてあげて!お願いします」

「姉ちゃん」

「おねえちゃん」

「いいだろう」

「本当!」

「ああ、あんただけいつもの二倍にしてあげるよ」

「そんなっ・・・・」

「謝って許されると思ってんじゃねえーぞ!」


 一番上の少女の心が崩れるのが聖也には聞こえた、瞳からは光が消えて真っ黒だ。


「それじゃあ、お仕置きの時間だ!」


 父親が鞭を振りかぶって一番上の少女に振りかざした。


『パーンっ!」


 鞭が打たれた時になる音が路地裏全体に響く、それをはじめとして母親も続いて鞭を振るう。


『パーンっ!』


 また父親、次に母親それを何度も何度も何度も繰り返し合計六十回それぞれ三十回叩き終わり、一つ異変に気付く。

 一番上の少女は無傷だった、一番上の少女はいつまでたっても来ない鞭を不思議に思い、そばにいたその他の子供たちも何が起きたかわからなかった。


「俺も変わったなー」


 聞いたことのない声がして、全員その声のする方へ目を向けた。

 向けた先にいた人物、黒鉄聖也だ。


「何もないってわかってるのに。これも幸雨の影響か?」

「誰だお前!」

「誰だと?俺はな」


 聖也はポケットから昨日校長から貰ったバッチを取りし見せた。


「俺はアルミド帝国実力魔法学園生徒会長だ」

「生徒会長・・・、あっ!お前この前優勝した底辺種族じゃないか!」

「なにっ!そんな底辺種族が俺たちに何の用だよ!」

「用は一つだ、今すぐその子供たちに対する暴力や暴言をやめるんだ」

「底辺種族が勝手に俺ら家族に口を出すんじゃねえ!」

「そうだよ!私たちの子供をどうしようと私たちの勝手でしょう!」


 二人は顔を真っ赤にして邪魔したのを、もの凄く不快に思っていた。

 だが二人よりもさらに不快に思っている人物がいた。


「そうだな、俺も家族ならかかわらない方がいいと思った」

「そう思ってんなら早くどっかに行きな!」

「だがっ!自分の娘や息子を傷つける奴が家族と言う資格はない‼」

「「っ!」」


 聖也は不快だった、こんなことを今まで幸雨が受けていたと考えると心の奥底から無意識のうちに殺気が溢れ出る。二人はその殺気を感じて顔を青ざめた。


「わああぁぁ!」


 殺気の圧に耐えきれずに、父親は持っていた鞭を聖也に振るった。しかし飛んでくる鞭を聖也は素手で掴んだのだ。

 そして掴んだ鞭をひぱって父親の手から鞭を引きはがす。


「ひぃ!化け物!近づくな!」

「あんた!私たちに手を出していいのかい、学園に通報するよ!」

「別に構いはしない、それで通報したとしても俺は退学だけで済むから、この状況からは逃れられない」

「ああ・・・」


 二人から聖也に向かってくる感情が怒りから、恐怖に変わったのを感じ取って聖也は子供たちに向かって歩いて行った。


「「「・・・・」」」


 子供たち三人はさっきの聖也の圧を感じてたのか、三人固まってしゃがみこんでいた。一番上の少女は下の子供たちを守ろうと下の子供たちをギュッと抱きしめて聖也に背中を向けている。

 こんな状況で自分の身よりも下の子供たちの身の方を優先する、一番上の少女に向かって聖也は膝をついて目線を合わせ頭を撫でた。


「えっ」


 一番上の少女は混乱して、バッと聖也の方を振り返るとそこには優しい顔で見つめる聖也の顔があった。


「もう大丈夫だ」


 その言葉を聞いた一番上の少女は泣いていた。


「お前らも良く今まで耐えたな」


 下の子供二人にも頭を撫で、無事なことを確認させた。

 子供たちはギュッとお互いを抱きしめあって泣き出した。

 それを聖也は泣き止むまでずっと子供たちの頭を撫で続けた。


「さてお前ら、この先こいつらに何かあったら・・・・わかってるな?」

「はっはいぃぃ!」

「もちろんよ!これからはしっかりと愛していくわ!」


 子供たちが泣き止んで、最後にしっかりと親二人に釘を刺し聖也は立ち上がる。


「じゃあなお前ら、これからはこんなことはないはずだ、幸せに暮らせよ」

「あっあの!」


 聖也が立ち去ろうとしたとき、一番上の少女と連れられてやってきた下の二人の子供が聖也に向かって何か言いたそうな顔をして向かってきた。


「名前はなんて何ですか!」

「俺は黒鉄聖也、ヒューマンだ」

「その・・・」

「ん?」

「聖也お兄ちゃん私たちを助けてくれてありがとうございました!」

「「ありがとうございました!」」

「・・・・気にすんな」


 一番上の少女が聖也に向かってお礼を言うと下の子供たちもしっかりとお礼を言った。

 聖也は急に照れくさそうに返事を返しながら家に帰って言った。



 家に帰りシャーロットたちが帰ってくると、聖也はものすごく怒られた。それはもう凄まじかった。

 その怒ってくれる人たちを見て聖也は改めて思う、自分はもう一人ではない。


 聖也は今後が少し楽しみに思えてきたのだった。


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