再戦
生徒会戦二日目、観客は初日よりも増えて特に報道陣関係の人が多かった。
聖也は一緒に歩いている幸雨とシャーロット二人を置いて行かないようにスピードを合わせていた。
「さすがに二日目は人がさらにいるな、シャーロット、幸雨と手を繋いで離れるなよ」
「ちょっと、その言葉だと私が子供のようじゃない!」
「いいから早く繋げ、またあんなことになっちゃ困る」
「うっ、わかったわよ・・・・。幸雨ちゃん、手繋ごうか」
「幸雨ママと手、つなぐ!」
シャーロットは昨日のあの一件があるので、聖也に反論できず、そのまま幸雨と手を繋いだ。
言われた幸雨はとてもうれしそうな顔をしながら、シャーロットの手を握った。
シャーロットと幸雨が手を繋いで歩いている姿を見て、身長はシャーロトの方が高い、高いと言ってもあまり差が開いておらず親子というより姉妹のようだった。聖也は顔には出さなかったが心の中でかすかに笑った。
観客席に向かっている途中でサテラと合流して聖也は幸雨を預けて、更衣室に向かった。
「黒鉄君、頑張ってくださいね。黒鉄君なら絶対優勝できますから!」
「ありがとよ」
「あんた負けたら絶対に許さないんだからね、私と並ぶんだから実力がないとこの話をなくすからね!」
「俺は負けないから安心しろ」
「パパ、今日もいっしょうけんめい、おうえんするから!」
「ああ、パパのかっこいい所見てろよ、それじゃあ幸雨をよろしくな」
そう言って聖也達は別れた。
更衣室の中は聖也以外誰もいなかった、聖也はそのまま自分の調子を整えるためにストレッチを始めた。
昨日のダメージが残っていないことを確認して、念には念を入れていつもより長くストレッチをやった。
「ふう~」
一通りストレッチが終わりタオルで汗を拭きながら一休みしていた聖也は、ふと自分の右腕の甲の部分を見た。
「・・・・ギゼル」
「・・・・なんだ我が主よ」
聖也の右腕の甲から模様が浮かび光りだして、聖也が呼んだギゼルが返事をした。
「いや、昨日はありがとよ」
「主よ我は何もした覚えがないんだが・・・・」
「とぼけんなよ、俺の体を活性化させて回復を急速させたんだろ」
「・・・・・」
「医者が驚いてたぞ、こんなにも傷の治りが早いのはありえないって言って、朝から体中を触られたんだぞ」
「・・・・・ククク、それはすまなかったな、主の体に我がいる以上喜び、悲しみ、怒り、憎しみ、全ての感情は我も感じて、そして主が命を落とせば我も死ぬ、だから念のため我の力で体を活性化させたのだ」
ギゼルは隠そうとせず、全て聖也に答えた。
「謝るなギゼル、今回の傷は全部俺のミスが招いたものだ、お前が謝る必要はない」
「・・・・・主よ」
「なんだ」
「主はこの学園に来てから随分と変わったな」
「?俺は何も変わってないぞ?」
「いいや我にはわかるさ、今主が感じている感情が我にも伝わるからな」
聖也は何も見えていないが、ギゼルが笑っているような感覚が聖也にはあった。
「ああもういい、それより本題を結うのを忘れてったじゃねえかよ」
「いや、すまない、すまないそれで用事というのは?」
「・・・・・多分今日の試合は昨日よりも、さらに苛酷になる」
聖也は苛酷になるかもしれないではなくなると言い切った。
「だから、もしかしたらお前の力の一部を使うかもしれない」
「・・・・そうか」
「だからもし俺の体が壊れた時は、・・・・頼んだぞ」
「・・・・了解した、主からの命令は絶対だ、主の命は我が保障しよう」
「助かる」
聖也は紋章に向けて小さく笑った。
「主よ、一つだけ忠告しときたい」
「なんだ」
「くれぐれも我の力を全て使うのではないぞ、使ったが最後その代償は我にも治せないからな」
「ああ忠告ありがとさん、もう消えていいぞ」
「ふむ、それでは主よ」
そう言って右腕の甲の部分の紋章が消えた。
そして紋章が消えると同時に放送もなった。
「これから生徒会戦二日目準決勝二回戦目を始めますので、選手の生徒はドーム入り口で待機していてください」
放送を聞いた聖也は、汗で濡れてしまったシャツを取り換え、学園の制服を着て、ドームの入り口に向かった。
同じく反対側のドーム入り口付近では、身長に合っていない禍々しいオーラを放つ大剣を背負い、獲物を狩るハンターのような、目つきをした聖也の対戦相手エミリーがいた。




