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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
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奇策

 

「どういう意味かって、聞いてんだよ!」


 レイドの首を掴んでいる手に、力を入れた。


「だから、そのままの意味さ、お前の娘を殺されたくなかったら、この汚い手を離せよ」

「ーーッ!」


 聖也は、思い切り歯を食いしばりレイドを離した、やりたくなくても、やらざるを得なかった。

 聖也の攻撃を止めるための、嘘だったかもしれない、だがもしも、万が一にも、数パーセントの確率で本当の話だったなら、幸雨の身に危険が迫っている。

 それを幸雨は知らない、シャーロットもサテラも、だから聖也は守るためにも言うことを聞かなくてはならなかった。


「ふぅ~、随分と乱暴にしてくれたなぁ?俺のが嘘だとか思ってるんだろ?それなら、ほら、攻撃してみろよ?」


 レイドは腕を横に大きく広げて、どこからでも攻撃できるほどに隙を作っている、しかし今のレイドの言葉の中にある力と、目が泳いでいないのを見ると本当のことだと、聖也は判断をした。


「今なら、俺を攻撃し放題だぞ?いいのかこんなチャンスはもう二度とないぞ?そらそら」


 聖也の神経を逆なでするように、レイドは聖也の顔の前まで顔を近づけた。

 こんなにも、殺してやりたいと思うほどに感情が染まったのは、あの時、母親も住む場所もすべて奪われた時依頼だった。

 しかし、今手を出せば、こいつの思惑通りになってしまい、幸雨を失ってしなうかもしれない、聖也は歯が折れそうなくらい食いしばり、手の平から血が出るほど拳を握って、何とか耐えていた。


「底辺種族が他人を気遣うなんて、お前のそのバカみたいな力があれば、この無謀な俺を倒せたかもしれないのに、人の命一つで勝てる戦いなら、俺は身内でも友でも、見知らぬ人の命でも差し出すね!」

「・・・・狂ってやがる」

「はははありがとう、言い誉め言葉だ。こんな俺でも実力があれば許されるこの世界は、本当に最高だよ!」

「・・・・・・」

「この世界では実力が全て!だからお前みたいな雑魚はいらないんだよ!ここからは俺のショーの始まりだ、イッツ・ショウタイム!」

『パチンッ』



 それからはまさに地獄、レイドがあれから、聖也の()()()()を次々と爆破していき、ドームの中の地面には真っ赤な花が咲き乱れていた。


「おいおい、やりすぎじゃないのか?」

「いいや!今までのズルが回ってきたんだ、いい気味だぜ!死神、もっとやれやれ!」

「底辺種族!いい加減降参しやがれ!攻撃もできないチキン野郎が、出てくんな!」

「降参!、降参!」

「「「降参!、降参!」」」


 全生徒が、降参と口にして、戦いでもそれ以外でも、聖也は不利になって言った。


 五分後


「そらそら、いい加減にしないと死んじまうぞ!」

「・・・・・」


 十分後


「もう十分だって、倒れろよ」

「・・・・・」


 十五分後


「いい加減にしろよ、この底辺種族が!倒れろ!倒れろ!倒れろ!倒れろ‼‼」

「・・・・・」


 聖也は倒れることはなかった、いくら急所以外といっても、聖也が失った血の量はかなりのもので、追っている傷もかなり深い。

 だが、聖也は倒れない、爆破でよろけはするものの、倒れない。

 しかも聖也の目の奥は、いまだに光輝いている。まるで何かを狙っているように。


「クックック、そうか~そんなに死にたいのか・・・・、なら!望み道理にしてやるよ!」


 レイドは痺れを切らして、今まであえて狙わなかった聖也の急所である頭に触れた。

 本当であれば、聖也が命乞いをして、許してやると見せかけて、爆破しようと考えていたのだが、一向に口を開く気がしないので、ならばと命乞いをするような恐怖をさせようと、急所を外して爆破していたが、これも失敗。

 殺しては、なんも面白くないと思い、やった行動が全て無駄骨となったのだ、レイドの怒りは頂点に達していた。


「死にやがれええぇぇぇぇぇ!」


『グシャ!』


 それは、レイドが鳴らす指の音とは全く違った。


「へっ?」


 そんないかにも、間抜けのような声を出したのはレイドだった。

 何せ、自分の右手が、全ての指があらぬ方向に曲がり、手のひらが歪んでいたのだから。


「ぎゃあああぁぁぁ!」


 あまりにも、衝撃的なことに理解が追いついていなかった、脳が追いつき理解し途端、もの凄い痛みがレイドを襲った。


「手が!俺の右手が!ガァ!クソ!痛え、痛えよ!」


 自分の右手がなぜこんなことになったのかは、わからないが、これをやった犯人についてはわかっていた。


「底辺種族うぅぅ!何をしやがった‼」


 そう、今まで、ずっと口を開かず、動かなかった聖也だった。


「何って、殴っただけだ」

「この俺を殴っただと、俺はお前の娘の命を握ってるんだぞ!」

「それがどうした、爆破できるもんならやってみろよ」

「この野郎!上等だ!」


『パチンッ』


 レイドはまだ無事な左手を使って、音を鳴らした。


『・・・・・・・』


 無音、何も音が聞こえない、爆発の音も、()()()()()()、何もかもレイドは聞こえなかった。


「どうなってんだ!?」


 再度、音を鳴らすが、その音が響くだけで他は無音だ。


「なんで!なんで、なんで、なんで、なんで!なんで爆破しない!音が聞こえないんだよ!」

「当たり前だろ?今俺らの周りは()()なんだから」

「は?」


 またもレイドは、間の抜けた声を出した。

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