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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
22/49

笑う


「試合終了!二回戦第五試合勝者は一年ヒューマンの黒鉄聖也選手だ!」


それを聞いてドームの中はどよめいていた。


「いや~、それにしても開始十秒もたたずに決着がつくと、私も驚きを隠せませんね、聖也選手の相手、アルド選手はこの学園の中でも特に防御力に関しては評価が高かったのですが、たった一発でしかも素手で倒すなんて、私たちはこの聖也選手をヒューマンを甘く見ていたのか、フェニックスさんどうですか?」

「規格外ですね、期待をしていると言いましたが、ここまでくるととても恐ろしくなってきます、まさしくヒューマンの皮を被った()()()ですね」


期待外れだった、聖也はドームに入場して相手選手の紹介の時に、凄い防御力があると聞いて、少しは攻撃に耐えてくれると思って、攻撃をしてみれば・・・、相手は白目をむいてそのまま地面に倒れて試合終了、あっけなく試合が終わった。

聖也は自分の力を存分に使えず体がうずうずしていた、すると奥から次の試合に出る選手が向かってきたので聖也は壁際によった。

そのままお互いが通り過ぎて、聖也の視界からいなっくなった途端いきなり後ろから攻撃をされた。

聖也はしっかりと反応をして紙一重でかわし、そのまま反撃に出ようとすると相手はいつの間にか、かなり距離を取ったところに移動していた。


「おい、これはどういう事だ?」


聖也は攻撃してきた相手、さっきすれ違った選手に聞いた。


「試合以外で選手を攻撃をしてはいけないとは、ルールに書かれていなかっただろう?」

「そうか、つまりお前は俺をつぶしに来たのか?」


そう聞くと相手は不気味に微笑んだ。


「そのとうりだ底辺種族、俺はなお前みたいなゴミ虫が大っ嫌いなんだよ」

「俺もお前みたいな、空気読まない奴は嫌いだ」


相手の顔色が赤くなるのが分かった。


「そうやって見下すんじゃねえ、底辺種族の分際でこの大会に出やがって、この大会はな俺みたいなエリートしか出ることを許されない大会なんだぞ、それなのに参加しやがってその上、何か()()()()()()()()勝ちやがって!」

「不正なことだと?」

「そうだよ、どうせ相手の選手の弱みでも握って、もらされたくなければ負けろとか言ったんだろ!しかも子供なんか作っちゃって、どうせ子供もお前に似て()()なんだろ!」

「お前・・・・殺すぞ」


その場の空気が一瞬にして凍り付いた、体に感じる重力も、いつもよりも重たく感じた、その中でも相手は平気で不敵に微笑んでいた。


「おいおい殺すって、いいのかよこんなところで、俺を殺すってことはお前は犯罪者だぜ、底辺種族がさらに底辺に落ちるんだ、さぁ!やれよ底辺種族、俺を殺してみろよ!そしてさらに落ちやがれ!ひゃははははははは!」

「・・・・・」


今までの聖也ならばこの場ですぐに殺しに行くところだが、今は違った聖也が落ちるということは娘である幸雨にも影響が出るってことだ、自分のせいで幸雨の人生を壊したくない、そう思い聖也は必死に心を静めて、後ろを向いて観客席に足を動かした。


「おいおい、逃げるのかよ、このヘタレが!」


聖也は相手の方を振り向かず。


「お前は、踏んじゃいけない地雷を踏んだ、お前俺の次の試合の奴だろ、勝って俺のところまで来いよ、試合の中なら問題なく殺せる」

「ッ!お前に言われなくても勝ち上がるわ!お前こそ絶対に殺してやるからせいぜい逃げるなよ!」


聖也はそれ以上は何も言わず観客席に戻った。




「パパ大丈夫?」


膝の上に座っている幸雨が心配そうな顔して聞いてきた。


「何言ってんだ、俺はこのとうりビンビンしてるぞ」


聖也はそう言って幸雨の頭をもいっきり撫でまわした。


「よかった、さっきからねパパずっと怖い顔してたから」

「そうか?いつもどうりだぞ、気にしすぎだ、パパを信じろって」

「そう?ならよかった!」


幸雨は心配していた顔からいつもの明るい笑顔になり、前を向いた。

さっきのことがあり、ついつい殺気だってしまっていた、幸雨の前では隠していないと心配させてしまう、聖也は気づかれないようにさらに注意を払う。


「それではこれから二回戦第六試合を始めたいと思います、選手入場です、まず右側から出てくる選手は、参加人数が少ない、二年生のドワーフ、ストラウス・アルクレイン選手です、ストラウス選手は学園の中でもかなりの接近戦のエキスパートです、遠距離の相手でもすぐにその距離を縮め倒します」

「「「おおォォォォ!」」」

「対して左側から入場するのは、なんとこちらも二年生、竜人のレイド・カストレイド選手です」


レイドは入場して、聖也と目が合った瞬間、また不敵に微笑んでいた。


「レイド選手はこの学園に来てからなんと、接近戦で戦う相手に対して勝率百パーセントという数字を出しています、ついている異名は『笑う死神』だそうです、戦うときに見せるその不気味な笑みと実力からこんな異名がつけられました、今回の試合は近接戦のエキスパートストラウス選手かそれとも、近接戦勝率百パーセントを持つレイド選手かいい試合が見れそうです」


両選手が中央に移動し終わって、じっとお互いの事を見ていた、その間もレイドは笑っていた。


「これから第二試合六回戦、二年ドワーフ、ストラウス・アルクレイン選手と二年竜人、レイド・カストレイド選手の試合を始めます、それでは・・・・始め!」


始めの合図とともに最初に動き出したのはストラウスだった、まっすぐレイドに走っていき自分の得意な接近戦に持ち込むようだ、しかも移動しながらも身体強化魔法を唱えていた、対するレイドは笑ったままその場を動かなかった。

動かないレイドを見て聖也は少し驚いていた、接近戦に勝率百パーセントというからてっきり距離を取って、魔法で攻撃すると思っていたからだ、わざわざ相手の得意な接近戦をやれば、不利になるかもしれない。

ストラウスの間合いについに入り、走ってきた勢いを殺さずそのまま顔に向けて殴ろうとして、それに反応してレイドも顔をガードするが、ストラウスは拳をガードギリギリで止めて、そのまま流れるように今度は蹴りを出してきた。

この変化にレイドはついていけず、そのまま顔に強烈な蹴りをもらい、そのまま体をバウンドさせながら飛んで行った、かなりの強力な蹴りだったため、ストラウスも観客も試合が終了したと思っていた。

しかし蹴りを受けたレイドは何事もなかったかのように、立ち上がった、もちろん笑顔も消えていなかった、ストラウスは立ち上がったのを見てもう一度攻撃しようと姿勢を作ると、レイドはその姿勢を見てさらに口角を上げた、それを見たストラウスは気持ちが悪いので早く終わらせようともういちっど走っていった。

するとレイドがまた何もしないままその場に立っていた、そして不意になぜか指を鳴らした。


「パチンッ」


会場に響きわたり音が鳴った瞬間。


『ドカーン』


ストラウスの体が爆発をしたのだ、それを見たレイドはさらに指を鳴らす、鳴らすたびにストラウスが爆発する、周りから悲鳴が聞こえる、聖也はすぐに幸雨の目をふさいだ。


「レイド選手もういいですストラウス選手はもう意識がありません、試合終了です!」


放送を聞いてやっと指を鳴らすのをやめた、爆発の煙が晴れたその中には全身を真っ黒にして変わり果てたストラウスの姿があった。

そしてレイドは聖也の方を不敵に笑いながら指を指した『次はお前だ』そんな言葉が聖也の耳には聞こえた。



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