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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
21/49

絶対


「凄かったわね、さっきの試合!」


エグゼの試合が終わると、すぐにシャーロットが目を輝かせて話しかけてきた。


「そうだな、凄かった凄かった(棒)」

「そうですね、詠唱を無視して魔法を使うなんて、凄いとしか言いようがありません」

「うんうん、サテラが思うことはよくわかるわ、それが普通の反応なのに・・・」

「ん?」

「なんであんたは、そんな関心がないのよ!」


さっきまで小学生のようだったシャーロットが、いきなり聖也に向かって鬼のように角を生やして怒りだした。


「あんた本当にさっきのエグゼ()の試合見てたの?」

「ああ、しっかり見てたぞ、というかエグゼ()ってなんだよエグゼでいいだろ」

「はぁ!?」


聖也の余計な一言がさらに地雷を踏んだようだった、だんだん生えている角が伸びているように見えた、幸雨はさっきから怖くなってずっと聖也の胸に抱き着いている。


「エグゼ様を呼び捨てですって!あんた私たちエルフ族の希望を何だと思ってるのよ!」

「いい加減落ち着けって、さっきから幸雨が怖がって俺に引っ付いてるんだから」

「これが落ち着いていられるか!」


聖也はなんでこんなに怒っているのかはわからないが、余計な一言を言って火に油を注がないように注意をするのだった、シャーロットの隣にいるサテラも落ち着かせようとしたが、さっきの言葉を聞いて無理だと判断した。


「お前なんでそんなに怒ってるんだよ」

「怒るに決まってるでしょ、エルフ族の希望をバカにされたのだから」

「エルフ族の希望?」

「そうよ、エグゼ様わね、我がエルフ族誕生から今までで一番の才能の持ち主なのよ!」

「・・・もしかして、魔法が無詠唱で唱えるができることか?そんなの今までいたエルフの中でもできた奴がいただろ、なんでエグゼだけが希望なんだ?」

「確かに、エルフ族に過去魔法を無詠唱で使えるものがいたのは確かだけれど、過去の人達は一種類の属性しかできなかったのよ」

「一種類?」

「そう、簡単に言うとその属性にものすごくたけているって意味」

「ほう、それでそんな歴代の人とエグゼは何が違うんだ?」

「全部よ、まずエグゼ様はすべての魔法を無詠唱で唱えることができる、あんたのような自分専用の魔法以外ね」

「ふ~ん」

「むっ、それに身体能力だって歴代で一番なんだからね」

「そうかそうか、それでなんでエルフ族の希望なんだ?」

「それは・・・」


シャーロットの顔が少し暗くなったのが聖也にはわかった。


「それは私たちエルフ族の種族ランキングが二位の竜人に越されそうなのよ」


神様から魔法をもらった時から各種族でどの種族がこの世界で一番なのかという争いが始まった、しかし争いといっても戦争というわけではなく、各種族から代表して数名か選ばれてその数名同士で争い順位を競うというものだった、昔からエルフが完勝で種族ランキングの一位について、各種族とエルフが優位な貿易などをしていた。


しかし近年では完勝がだんだんギリギリな勝利になってきて、種族ランキングが降格してしまうかもしれないのだ、もしも降格してしまうことがあれば、今まで優位だった貿易がなくなり今度はこちらに不利な貿易になるかもしれない、そうなれば平和だったエルフは少し少し崩壊していくかもしれないのだ。


「もしもそんなことになれば、私たちエルフ族は・・・、だから歴代一番の才能を持つエグゼ様は私たちエルフ族の希望なのよ、これでわかったでしょ?」

「わかった、めっちゃくだらない希望だな」

「・・・はっ?今なんて?」

「ん?くだらないなって」

「何がくだらないことなのよ!あんたに私たちエルフ族の気持ちがわかるの!」

「それは知らない」

「なら、なんでくだらないって思うのよ!」

「その希望が絶対って言えないからだ」


聖也は今まで合わせていなかった目を、シャーロットに向けた。


「エグゼは絶対にその勝負に勝つって言えるのか?」

「言えるわよ!エグゼ様は私たちの希望なのよ!」

「いいかそれは単にお前の願いでしかないんだぞ、お前のその絶対はエグゼにただ甘えているだけでしかない、絶対っていうのは自分自身が何が何でも叶えるやってやるって時にしか使っちゃいけないんだ」

「・・・・」

「そんなにお前たちの希望と言うなら、俺とまた勝負しようぜ」

「勝負?」

「そうだ、多分お前たちの希望は決勝まで上がってくるだろうから、俺は決勝まで行ってお前たちの希望と戦う、そして俺が勝ったらなんでも言うことを聞いてもらう、俺が負けたらこの学園の奴隷そしてお前に一生服従してやるよ」

「はぁ?あんた本気で言ってんの!?」

「俺は本気だ、それでお前はこの勝負受けるか?」

「当たり前でしょ、あんなこと言われて引き下がれるわけないじゃないのよ!」

「そうか、じゃあ俺は()()に勝ってやる」


聖也はそう言って幸雨をサテラに預けて席を立つのだった。


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