賭け
聖也とエラルドの決闘が校長の権限で決まりそのあとの入学式は問題なく終わったのだった
底辺種族のヒューマンが竜人の決闘を受けたと全校生徒にしれわたって聖也はいろんなところから罵声を浴びせられた。
「おい!底辺種族始まる前から棄権した方が良いんじゃないか?」
「そうだそうだ早く底辺種族は底辺種族の土地に帰れよ」
「お前が近くにいるだけでこっちまで落ちちまうんだから近づくな」
そう、この時全校生徒は圧倒的に竜人であるエラルドが勝利すると思っていた。それでいて聖也の方は底辺種族だからと近づくなだの棄権しろだの帰れなど罵倒を浴びて聖也は、機嫌が悪かった。
校門を出て家に早く帰りたいと心のそこから思った聖也はいつもよりも早く足を進める。
聖也は今年からヒューマンの土地を出てこの学園があるアルミド帝国の城下町に引っ越したのだが、その際にも、とても苦労をしながら終えて、町に出る際も基本的にはフードをかぶってヒューマンだとわからないようにしている。
聖也はそれでも見つかるのが嫌だったので人が通らないような路地裏を歩いて帰っている。
聖也は路地裏を通って早足で帰っていたそして聖也が進む道の先から男女の声が聞こえた。
聖也はそのまま進み様子を見てみた。
そこには、耳が尖っていて背が小さく小学生くらいのエルフの女の子と奇抜な髪と服装をして角と尻尾があり背中には翼がはえている竜人が3人いた。
小学生みたいな女の子がその不良の三人に囲まれて襲われていた
「このクソガキが!いきなり蹴りやがって痛い目みしてやる!」
三人の不良のリーダーぽいやつが女の子に怒りの目を向けてそう言った、その言葉に女の子はそれ以上の怒りと大声で
「何さ!人にぶつかっといて何も言わないあんたたちが悪いんでしょ!」
「なんだと?小学生と思って聞いてればふざけるな!」
「しょっ、小学生ですって!!ふざけるのも大概にしなさいよ、私はれっきとした16才なんだから!」
そこにいる聖也も不良たちもとてもそうとは思えないと思った。不良たちは哀れみの目を向けて、
「そんな嘘はいいから、今謝れば一発だけで許してやる」
「嘘じゃない!これが証拠よ!」
彼女が見せたのは今日入学式のあとにもらったアルミド帝国実力魔法学園の学生証だった。聖也はそれを見て「えっ!?この子も?」と心の中で思った。
不良のリーダーは呆れた感じで、
「おいおい、こんな良くできた偽物は初めてみたぜ、どうやって作ったんだ?」
それを聞いた女の子はさらに激怒して息をすい言おうとした瞬間、聖也はいい加減そこを通りたいので前に出た。
「いい加減にしろよお前ら」
前に出た俺を見て不良どもと女の子はお互い驚いた
「お前見ていたのか?まあ見てた見てないにしろこの場所に来たからには覚悟があるんだろ?」
不良のリーダーは物騒なことを言って聖也に体を向けた、そして女の子の方は驚いた顔をして、
「何であんたがここにいるのよ?底辺種族」
この場面でそれは言われたくなかったと心から思った聖也だった、なぜかというと、
「はっ!こいつヒューマンか!フードをかぶっててわからなかったぜ、あの底辺種族がこんなところでなにしてんだよ、ちょうど良いやっちまったあとに身ぐるみ全部剥いでいくぞ」
不良のリーダーとその他の仲間が聖也をなめきった態度で見下した、それに腹がたった聖也は挑発的に言った。
「まあ、やれたらの話だけどな」
「ああ!?ふざけてんのかテメーは底辺種族が俺に叶うわけないだろうがー!」
そう言ってリーダーは俺に殴りかかってきた聖也はため息混じりに殴りかかったリーダーの拳を片手で掴んだ
「なっ!?何で底辺種族が俺の拳を掴んでんだ?このっ!馬鹿にしやがって」
そういって手を払い後ろに下がり手のひらを俺に向けて魔法を唱えた
「炎よ俺の言葉にしたがい力を解放せよ、バーニングショット!」
詠唱を唱えたリーダーの手のひらからは魔方陣ができてそこから渦をまく炎の塊が聖也に向かってとんできたのであった、しかし聖也は何一つ微動だにせずに炎の塊を意図も簡単に払い消した
「俺の...バーニングショットが...こんな底辺種族に?嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」
リーダーはそういい何度も聖也にバーニングショットを払った、だが結果はかわらず聖也は一歩も動かずすべてを払い消した
リーダーは絶望の顔で聖也をにらんだ、それはそうだろう底辺種族と言って馬鹿にしていたやつに自分の実力が通じないのだから
「くそっ!この異常者め!」
リーダーはもう何もできないと思い聖也を罵倒しだした、聖也はさらに深ーいため息をつき次の瞬間リーダーの前にいきなり現れてがら空きの腹にボディーブローをかました
「かはっ!!」
リーダーは肺のなかの空気を強制的にだされ失神してしまった、ぐったりとしたリーダーを聖也は受け止めその他の不良どもにリーダーを投げ、殺気を込めて
「早く行け」
そういわれた不良どもは顔を青くして逃げて行った。
一件落着して女の子は驚きを隠せない口調でつぶやいた。
「なっ何が起こったのよ?さっきの不良どもは?」
「さっきの不良なら追い払ったよ」
聖也は息を吐くようにあっさりと答えた、それを聞いた女の子は、なぜか聖也の方を睨んでいた。
「あんた!何してくれてんのよ、底辺種族に助けてもらったなんて人生の恥じゃない、どうしてくれるのよ!」
「いや、そんなことを言われても俺はただ単に家に帰りたくてその道にお前らがいて」
「呆れたわ、この私、エルフ代表のシャーロット=ウィンディアとに向かって逆らうなんて」
「逆らうにもなにも、俺はそんな種族の順位なんてどうでもいい、それよりその底辺種族って呼ぶのを止めてくれないか、俺にはしっかりと黒鉄聖也という名前があるんだからな小・学・生」
それを聞いた女の子改めシャーロットは顔を真っ赤にさせた。
「何よ!人を勝手に小学生扱いして!あんたなんて私の足元にも及ばないんだからね」
「お前今日の入学式いなかったのか?俺は今年の入試トップだぞ」
「そんな嘘通じるはずがないでじょう、明日の試合もどうせ一方的にやられて終わるのが目に見えてるは」
その言葉に聖也は怒りを抑えきれなかった。
「そんなに言うなら明日試合俺が勝ったらなんだも一つ言うことをきけ」
「ははははは、今なんていったの?俺が勝ったら?あーおかしいそんなのあるわけないのに、ははははは」
シャーロットは聖也の言葉に笑い転げた、それを見た聖也はシャーロットに向かって殺気を放ちながら、
「ふざけるのも大概にしろよ」
それを聞いたシャーロットは今までに感じたことのない圧力を感じた。
「ふっふんそんなに言うならその賭けのってやるわただしあんたが負けたらここから出ていきなさいいいわね」
「ああいいぞ、それともう一つ俺が勝ったらしっかりと名前で呼べ」
「ああハイハイわかったわかったいいわよ、早く明日になって負けなさい」
「じゃあ、明日俺が勝つところ見てろよ」
「まあ、負けが決まっているけど見に行ってあげるわ」
聖也とシャーロットはそういって別れたのだった。
聖也は家に帰り今までにないほどやる気を出して次の日を迎えるのだった。