初日
このアルミド帝国実力魔法学園の敷地は世界でもトップを誇るほどの広さである、その一部にあるコロシアムの中ではまだかまだかと待ちわびる学園の生徒や報道陣に一般の人もいる、なぜここまで人が集まっているのか、それは今日生徒会戦の初日だからだ。
生徒会戦はこの学園ができた当初からある伝統的な戦いだ、なので毎年たくさんの人たちが見に来る、今年もドームの席は満席で、座れずそのまま立っている人もいるほどの人数が入場している。
今日はトーナメントの準々決勝まで決めて残りを明日の二日目に行うのだ、なので今日で負けては何もできないまま終わってしまうので、控室では盛り上がっている観戦者たちとは違いかなり重ぐるしい空気だった。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
控室にいる生徒は何も話さずそれぞれベストを出せるように体をほぐしていた、聖也もまた他の生徒と同じだった。
時計の針の音が控室全体に響き渡る、そんな時間が何分いや体感では何時間もたったころ。
「トントン」
控室のドアが鳴り響き生徒たちはいっせいにドアの方を向いた。
「生徒の皆さんは廊下に出てシードの人を先頭にして並んでください、今から入場と開会式を始めます」
案内役の生徒の指示に従って控室の生徒たちはどんどん廊下に出て、エグゼとエミリーが先頭に並び入場口の前に待機した、するとさっきまで聞こえてこなかった観戦者たちの声が聞こえてきた。
「それではお待たせしました、これより生徒会戦に出場する生徒たちの入場を始めます、申し遅れました今回の生徒会戦の司会を務めさせていただく、三年放送委員委員長のフィトリア・エンシェリオンです。そして今大会の特別ゲストは三年風紀委員委員長サラドラ・フェニックスさんです」
「どうもよろしくお願いします」
「さぁ!いよいよ生徒たちの入場です!」
フィトリアが入場の宣言をすると先頭にいるエグゼは堂々と入場した。
「「「わぁぁーーー!!」」」
エグゼが入場口から出た瞬間、会場が揺れるほどの歓声が沸いた。
そんな歓声の中さらにエグゼの後を続いて他の生徒も入場した。
「今年もスゲー試合見せてくれよ!」
「エグゼ様頑張ってくださーい!」
「優勝は絶対にエミリー様しかありえません!」
「「「ガンバ!ガンバ!エグゼ様!」」」
「「「フレー!、フレー!、エミリーさまー!」」」
生徒一人一人の声援が飛び交う中ダントツで目立っていたのは、エグゼのファンとエミリーのファンの声援だった。この二つだけでかなりの迫力があった、これを見ればどれだけこの二人は生徒たちから信頼されているかわかる。
声援を受けながらついに中央まで移動したところで止まった、そして放送が再開された。
「皆様、お静かにしてください」
そう放送されるとさっきまで会場が揺れるほどの声援が一瞬で無くなった。
「それではこれより開会式を始めます、まず初めに選手宣誓です、代表の三年エグゼ・アイズベルト、二年エミリー・レオベルトお願いします」
「「はい」」
選手宣誓に呼ばれたエグゼとエミリーは同時に返事をして前に置いてある台に上り、マイクの前に立って右腕をピンと上げた。
「「宣誓」」
「我々選手一同は」
「一切の手加減をせず全力で試合に臨み」
「歴史に残る素晴らしい試合をすることを誓います、三年代表エグゼ・アイズベルト」
「二年代表エミリー・レオベルト」
二人は右腕を下ろして、礼をしてからさっきいた場所に戻った、もちろん会場にいる生徒たちは先ほどの声援よりもさらに大きな声援を出したのは言うまでもない。
「とても素晴らしい選手宣誓でした続いては、我らの学園の校長先生からのお話です、校長先生よろしくお願いします」
放送で呼ばれると校長はスッと立ち上がり、台に上ってマイクの前に立った、会場の生徒は何も言わなくても全員が静かに校長の言葉を聞く態勢になった。
「この二日間で新たな学園の生徒会長が決まります、生徒会長とは学園の鏡が私であるように、生徒会長とは生徒の鏡です、生徒会長が悪ければこの学園は同じになります、その逆もあり得ます、能力ある人が生徒会長につけばこの学園はさらに良い学園となるでしょう、そのような能力ある人を探すのがこの大会です、この学園が創業されてからこの戦いは続けられており数々の戦いを繰り広げてきました、今年の戦いは今まで続いた伝統の中で一番の戦いが見れることを期待しています」
校長がそう言って台を降りて自分の席に戻っていった、会場に入る生徒は本日一番の歓声が響いて開会式が終わった。
「開会式が終わったのでトーナメントで最初の試合が行われる生徒二人は準備していてください」
放送でそう言っていよいよ生徒会戦の初日が始まろうとしたのであった。




