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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
16/49

前日

 

話し合いから四日がたち生徒会戦まで残り一日となった。

 今日もまたシャーロットとサテラとともに訓練に励んでいた。



「はぁはぁ、もう一回だ!」

「はぁはぁ、ちょっとあんたいい加減休みなさいよ」

「うるせぇ!とっととやれ!」

「もう!我シャーロットが命じる、目の前の敵を灰とかせ、ヘルフレア!」




 シャーロットが唱えたのは炎属性魔法の中では上位に入るほどのものだ、これを使えるだけでシャーロットが魔法に関してはかなりの才能を持っていることがわかる、種族もエルフなだけあり他の種族と比べて魔力が多く、他の種族が唱えるのとでは質も大きさもワンランク上である。


 そんなエルフでしかも入試成績二位をもつシャーロットが唱えたヘルフレアは通常の二倍はある大きさと威力で聖也に向かって飛んでいく、直撃すればケガで済む話ではなくなる。


 ただし()()()()()()()だ、聖也は右腕を前にかざした、そうした瞬間目の前まで迫っていたヘルフレアは見る影も無くなった。


 聖也が分散を使って周りにも自分にも害が出ないようにしたのだ、これが今聖也がやっている訓練だ、シャーロットが聖也に向かってどんどん魔法を放ち、それを一歩も動かずに分散だけで守るというものだ。


 聖也の持っている魔法の分散と圧縮は強力な分かなりの魔力を使い戦いが長引けば長引くほど聖也が不利になっていくので、そこでそんな長期戦に備えるために今から魔力量を増やそうとして今の訓練をしているのだ。



「はぁはぁはぁ・・・、よしシャーロットもういいぞ、次サテラよろしくな」

「はい、いいですけど、黒鉄君の体は大丈夫ですか?」

「俺が限界までいかないと強くなれないんだ、ならとことん追い込むまでだ、だから遠慮するなよ」

「・・・わかりました、我サテラが命ずる、夜鳥の魂を我に、フクロウソウル!」



 サテラの姿が一瞬で消えて周りは静寂となった、聖也は両腕を顔の前まで上げて防御の構えに入った、今までの聖也からは考えにくい行動だった。



 そしてサテラが消えて十秒くらいたった頃、ついにサテラが動き出した、足音を立てず一瞬で聖也の後ろに回り、手に持っているナイフで首を狙う、しかし聖也は防御に回している分集中力が上がりサテラが攻撃してくるのをいち早く察知して、圧縮を使ってサテラが狙っている首に空気の壁を作った、当然ナイフは聖也に触れずサテラはまた姿を消した。



 サテラとの訓練はシャーロットとは違い今度は圧縮を使って防御をするものだった、サテラには本物のナイフを持たせている、偽物でやっていると心の中でどこか安心してしまう可能性があるからだ。



 聖也は話し合いが始まる前に少し喧嘩をして、学園内で噂になっているエミリーとエグゼと少しだけ手合わせをした、その時感じた聖也の本心は、このままだと勝ててもかなり苦戦するだろうと本能で悟ったのだ、この二人をボコボコに叩きのめすには今持っている力をもっと使えるようにいしなくてはと思い、今の訓練をしているのだ。



「はぁ!」

「クソっ!」


 いつもの聖也ならばサテラの攻撃を防御することは簡単なはずだが、今は自分を追い込むためにかなり体力を使っているため、精神的には余裕を持てても体が思うように動かないのだ。


 そしてそんな聖也の状態をサテラはすぐに気づき、ギアを一つ上げて攻撃を仕掛けている、聖也は徐々に守りに余裕がなくなりかわす回数が増えてきている。


「やぁ!」

「ッ!」


 とうとう聖也は守り切れなくなり、サテラのナイフを体を後ろに逸らし紙一重でかわし、そのまま大きくバックステップを取った、そしてサテラがさらに追撃を仕掛けようと聖也に迫ろうとしたところで聖也は止めた。


「よし、これで終了だ」

「・・・っと、わかりました、黒鉄君今日もお疲れ様でした」

「ああ、お疲れ、本当はもっとやりたかったんだが魔力が限界になっちまった、すまねぇ」

「いいえ!黒鉄君は何も謝る必要はありません、あれだけ魔力を使って立っていられるだけで私はすごいと思います」

「お世辞ありがとさん」

「お世辞だなんて、私は本当に黒鉄君のことをすごいと思っています!」

「わかったわかった、ありがとよ」

「こらこら!私をまた無視して二人だけでしゃべって、私も入れなさいよ」

「それじゃまた明日、行くぞ幸雨」

「はーい!」

「だから、無視をするな~!!」



 そう言って一人やかましいのがいたが聖也は無視して、幸雨を連れて家に帰った、帰る途中では聖雨のお腹がずっと鳴りっぱなしだったので、家の中に入るとすぐに台所に移動して、慣れた手つきで料理を始めた、料理に関して聖也は娘である幸雨の栄養バランスをしかっりと考えて作っている


「そら、完成だ」

「わーい!」


 聖也が作ったのはただのオムライスだ、一般家庭で出されるごく一般のオムライス、それでも聖雨は涎を垂らして喜んでくれている。

 早速聖也は席についてその隣に幸雨が座る、隣に幸雨が座ったのを確認してから食事の合図だ。


「それじゃあ、いただきます」

「いただきまーす!」


 言ったとたん幸雨はすぐにスプーンを手に取って、スプーンいっぱいにオムライスをすくって、小さな口をめいいっぱい大きく開けて、口の中に運ぶ。


「んん~!おいしい!おいしいよパパ!」

「そうかそれはよかった」

「おいしい!おいしい!」

「・・・そんなにおいしいか?誰が作っても一緒だぞ」

「全然違うよ?」

「何が違うって言うんだ?誰が作っても一緒だって」

「ううん、えっとねこれはねパパが作ってくれたから、幸雨にとってとても特別なオムライスなんだよ!」

「むっ・・・・・・・・・そうか」

「うん!だからね、すっごくおいしいの!」


 聖也は自分の顔の温度が上がっていることに気づき、幸雨に顔が見えないようにした。

 今の言葉は幸雨だからこそここまでの破壊力があるのだ、聖也は照れ隠しに幸雨のほっぺについているケチャップを取ってやった。


「んっ、ありがとうパパ」

「・・・・きちんと食えよ」


 聖也はそう言って、幸せそうに食べているの顔を見て、もう一度決心をする。


『絶対に優勝して見せるからな・・・・・・・・・・・あともっとうまいもの食わせてやる』


 ご飯を食べ終わって台所で洗い物をしながら幸雨をチラチラと見ていると、お腹いっぱいになった後で幸雨はうとうととしていた、聖也は急いで洗い物を終わらせて、幸雨に近づいた。


「幸雨眠かったら、ベットに行くぞ」

「う・・・ん・・・」


 聖也はもう眠りにつく数秒前の幸雨を抱っこして寝室に連れて行きベットに寝かせる、布団をかけてやると、すぐにかわいい寝息を立てて眠ってしまった。

 聖也は静かに寝室を出てドアを閉めた、筋トレをいつもの二倍やって今日は寝ることにした。

 そして隣で寝ている娘を見て聖也の目には決意の炎が大きく燃えていた。











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