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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
二章生徒会戦編
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説明

 聖也とエミリーの間に入ってきた男は、聖也よりも身長が高く、見た目はかなり良い、しかしその腕や足は一般と比べて細く、あまり力があるようには見えないのだが、その男は左手の親指とそれ以外の指でエミリーの剣を挟み、聖也の拳をそのまま右手で受け止めていたのだ。

「っ!何をするんです!」

「エミリーまだ戦いは始まってもいないのに戦いを始めるのなど、少し礼儀がなっていないのではないかね」

「うるさい、とっととその指を離さしなさい、そのまま切り落とすわよ!」

「ほぉ、やれるものならやってみるがいい、たかが二年生の生徒の分際で・・・」

 二人の間にものすごい空気の圧力を感じ、それそれの殺気がぶつかり合って一般ならば誰も声をかけることも、はたまた動くこともできないのだが、例外がここにいた。

「おい、二人とも少し少しおとなしくしてろ」

 聖也だ、聖也は二人がなんかいきなりけんかを始めて殺気をぶつかり合わせているが、聖也にとってそんなことはどうでもよかった、ただ止める気はなかった、多分このエミリーは生徒会戦に出る予定なのだろう、そしてこの男もこの場所にきたということは多分この男もそうなのであろう、それならば今この二人が喧嘩して二人のうちどちらかが戦闘不能になるかお互いがかなりの怪我をすれば、生徒会戦で少し楽になるかもしれないと思ったからだ。

 そんなことを考えておきながらも聖也が二人に向かって、殺気を隠そうともせずに止めに入ったのは、壁際で涙目になりながら怯えている幸雨がいるからである。

「うちの娘が怯えてるじゃねえか、今すぐやめれば怪我の五個や十個で済むぞ」

「貴方こそその無礼な口を閉じなさい、この男を切ってそれから貴方も切り刻んであげるから」

「おいお前、この誇り高い私に向かってなんという口の利き方・・・調子に乗るなよ」

 さっきまでの二人分の圧力が、聖也が加わり三人分になり、その男はエミリーと聖也を離すと、三人はそれぞれ距離を取り攻撃態勢に入り、喧嘩が始まろうとするとき、聖也達の力を超えるような圧力が近づいてきた、三人はそのあまりに大きな力のする方を見てみるとそこには校長がたっていた。

「おやおや三人とも何をしているのですか」

 三人は体が自然と身の危険を察知して、校長の方を向いて攻撃態勢に入っていた。

「そうピリピリする必要はありません、私は何もしませんよ、ただし私に敵対するなら容赦はしませんよ」

 三人は校長の言う通りにして攻撃態勢を解除した。

「それでいいです、では私はこれで失礼します、三人とも仲良くするのですよ」

 そう言って校長は生徒会室から廊下に出て行った。

 校長が出ていき生徒会室の中の空気が少し和らいだ、そのまま三人は無言のまま席に座りほかの生徒を待つのだった。


 十五分後、聖也達以外の出場する生徒が全員集まり話し合いが始まった。

「やあ、僕はこの生徒会戦を指揮する風紀委員委員長、三年のサラドラ・フェニックスよろしく」

 前の方に立ち全体を見渡しながら挨拶をした委員長のサラドラは、髪がまさに名前についているフェニックスのように、燃え上がる炎のように赤く、身に着けているものもほとんど赤だった。

「それじゃあ早速、始めようか、まず最初にルールを説明しよう、ルールはシンプル、戦う相手を戦闘不能にするか、相手に降参させるか、この二つがメイン、武器の持ち込みはあり、魔法も身体強化魔法、属性魔法どちらも使用可能、そしてここが肝心もしこの生徒会戦で負けたものは卒業するまでこの学園で奴隷として働いてもらう」

 それを聞いた生徒たちはあまり驚いていないようだった、今回参加している生徒は三十人、そのうち二十五名が三年、四名が二年、そして一年聖也一人、先輩たちは今までもこんなルールを聞いてきているので、たいして驚かないようだった。

「そして、この大会においてもし対戦相手を殺したとしても、学校側は何も言わない、なので皆さんは全力で対戦相手を殺すような勢いで戦ってほしいと校長からの伝言です、そして対戦はトーナメント方式で進めます。今回の参加人数は三十人なので二人がシードとなります、そしてシードとなる生徒はもうこちらで決めさせていただきました、これはもう校長にも伝えていることなので否定は認めません」

 それを聞いた途端、静かだった先輩たちがざわざわとし始めた。

 それもそうだろうここにいる者のほとんどが、優勝した時の願いがかなえられるという副賞が欲しいという人ばかりである、なので先輩たちは一つでも多く勝ち残って優勝を狙っているはずだ。

「それではシードの方を発表します」

 生徒会室の空気が一気に重ぐるしい空気になった。

「第一シードは三年エグゼ・アイズベルト、そして第二シードは・・・二年のエミリー・レオベルトです」

「おいおいおい!どうして俺ら三年じゃなくて二年のこいつなんだよ!」

 発表した途端に三年の一人が抗議をしだした。

「まだ三年のエグゼはわかるぜ、だがなぜもう一つのシードが三年の俺らからではなくそこの二年なんだ!」

「まあまあ落ち着いてください、これはもう決定事項なのです僕たち風紀委員はこれらのシードをみんな平等に見た結果です、実力は圧倒的に二年のエミリーさんに軍配が上がります」

「何だと二年生にこの三年である俺たちが劣るというのか!」

「ええそうです、なので第二シードはエミリーさんにあります」

 先輩たちの顔は真っ赤になって今にも爆発しそうだった、三年とサラドラの口論をしていると横からそれを止めようとする男がいた。

 それはさっき聖也の拳とエミリーの剣を止めた男であった。

「その辺でやめたまえ」

「エグゼ少し黙ってろ!」

 そうした瞬間、エグゼの姿が消えていつの間にか、三年の胸倉をつかんで持ち上げていた。

「うっ!・・・くっ!・・・・」

「黙るのは貴様の方だ、これ以上何か文句があるというならば、この俺がお前らを生徒会戦に出れないようにするぞ・・・」

 そのあまりにも圧倒的すぎる力の差を肌で感じ取ったのか、それ以上は何も三年生は言わなかった。

 聖也はあの時の男がエグゼだと知り、自然と口角が上がっていた、あの時感じた力はかなりの物だった、それがまさかエグゼ本人だったとは聖也は驚きとそして嬉しさが心の中からこみあげてきた、なんせこの学園にきて強いやつは先生方ぐらいしか見たことがなかったため、聖也と同等かもしくはそれ以上の相手と戦えることに聖也の体は自然と反応していた。

「それでは意見ももうないと思うので、次はシード以外の生徒たちの組み合わせを決めようと思います、決め方は順にくじで決めていきます、それじゃあ最初は三年から引いていってください」

 そして三年は次々とくじを引いていきその次に二年が引き、一番最後に残ったくじを聖也が引いた。

「これでもう対戦相手が決まりました、今日の話し合いはこれで終了です、まだ何か質問がある方は終わった後僕のところに来てください、本番は来週なので皆さんしかっりと体調などを整えて最高の生徒会戦にしましょう」

 そう言って話し合いが終わった、聖也はすぐに幸雨を連れて生徒会室を出た。

「パパ?」

 幸雨は聖也がいつもと様子が変だと思い心配そうに質問した。

 しかし聖也は幸雨のことを無視して歩き続けた、なんせ強い相手と戦えると知って今の聖也は人生で一番気持ちが高ぶっていて、特訓がしたくてたまらなかったからだ。

 この後の聖也の行動は言うまでもない、いつものところに行き夜遅くまで訓練に励んだのだった。









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