第31話 冒険者ギルドの前
翌日、マオタ街を中ほどまで進んだところで、そこで俺は例のものを発見する。あるとは思っていたが。ゲームやマンガのファンタジー世界によくある建物だ。
「あれって、冒険者ギルドか」
「んにゃ、そうだよ。よく知ってるにゃ」
「む、昔な」
「ふーん、ま、今のミーたちには関係にゃいものだにゃ」
「ギルドってどんなところなんですか?」
「そんでもってアイにゃは知らにゃいのか。いいか、ギルドってのはにゃー」
「ラップバトルするところ」
「そうそうって違うわ! ジゼルが冒険者とdisり合い始めて、仲裁するの大変だったんだからにゃ······」
何してるのこのラッパー。
「でにゃ、ギルドってのは腕っ節に自信のある奴に、魔物退治とか、護衛任務とか、雑多な仕事を紹介している場所だよ。かくいうミーも王国の冒険者ギルドで『勇者を王国まで送り届けろ』って依頼を受けているよ」
エリノアは冒険者ギルドで仕事を受けたのか、俺も漫画とかゲームでしかギルドの知識はなかったが、どうやらあまり変わらないようだ。勇者もいいけど冒険者にはやっぱり憧れがあるな。
「ジゼルはどうしてエリノアについてきたんだ?」
「私はおじいちゃんの言っていた魔法陣を見に来ただけ」
そういって、ジゼルは俺の体をジロジロと見てくる。俺が見ると嫌がるくせに。ずりぃぞ。
「一つ疑問があるんですけど、ルフレオさんが魔法使いで、孫のジゼルが魔導師なのはどうしてですか?」
「おじいちゃんは王国に仕えなかったから魔法使いのまま。私は魔法の研究のために王国に雇われて魔導師になった」
なるほど、魔法が使えてなおかつ国に務めると魔導師に認定されるのか。
「簡単そうに言ってるけどにゃ、魔導師になるにも条件があって、オリジナルの魔法を持っていにゃいといけにゃいよ」
「オリジナルの魔法って?」
「私が使える固有魔法は歌詞魔法、元はおばあちゃんが開発した魔法だけど、殺されちゃったから、使えるのはもう私だけ」
ジゼルの表情がやや暗いものになる。時期的にジゼルはおばあちゃんと会ってはいないとは思うが、やはり身内が殺されたんじゃ気分が悪くなるだろう。
「そうか······、どんか魔法なんだ?」
「そのうち見せる」
「魔物との戦闘ににゃれば使うから、楽しみにしているといい。さ、いつまでもギルド前にいると冷やかしと勘違いされるから、行くにゃ」
後ろパンを引かれるが、俺はしぶしぶ冒険者ギルドを通り過ぎた。




