本性で入れるいつメン
「好きです!付き合ってください。」
「ごめん、好きな人がいるんだ。勇気出して言ってくれてありがとう。」
「いえっ。」
女の子の方は涙を流しながら屋上から出て行く。男の方、夏木は一つため息をつく。
コレで5人目だ。
昼ごはんも食べずに断りにしっかり行く。
今日は終わったので、屋上から降りていき、中庭に向かう。
周りの人たちにはなしかけられたらしっかり話をしながらやっと着いたのは夜真、葉月、シロのごはんを食べているところだ。
「兄ちゃん、おかえり〜。そして、お疲れ〜。」
「なっちゃん、おかえり〜。」
ごはんを食べているのを止めて、またかと呆れ顔で片手に携帯をもち、画面に目を向けたまま迎える葉月と何も知らないかのようにニコニコした笑顔で迎える夜真、そのまま何もなかったような状態でごはんを食べ続けるシロとバラバラの歓迎を受ける夏木である。
「…、ああ。葉月、お前はいかなくていいのか?」
夏木:しっかりと行って、ちゃんとお断りする。
夏木の性格上、変な事は出来ないタイプなのでしっかりとする。それに比べて、他の3人は、
「ん?まず、取らないけど?掃除されてるんじゃない?ってか、私は直接言いに来ない意気地なしは絶対に嫌だし、二次元しか興味ないし。あ、でも、二次元みたいな人ならいいかも〜。夜真はー?」
葉月:興味無しで、二次元のような人を求める。
葉月は見た目の猫かぶりから絶対に見えないオタクが彼女の本性であり、知っているものはこの幼馴染と家族のみである。
なので、昼休み中にゲームを進めているので、そう答える葉月は携帯の画面から目を離さない。
「えっ?そういうのは全然縁無いよ〜。はーちゃんとなっちゃん達はモテるからあるだけだよ〜。シロは〜?」
夜真:天然で持てている事に気付かない。
夜真らしい天然で持てている事に気付かず、「付き合ってください!」って言われたら「どこに〜?」って聞いてしまうタイプである。
「ある訳無いだろ、バカトマト。俺は周りから吸血鬼って噂で怖がられてるんだよ。」
シロ:モテるどころか怖がられているため、近寄る人は少ない。
吸血鬼という噂は元同じ学校のものから流れ、噂どまりでいるが怖がられている。
「トマトじゃなーい!」
夜真はポカポカと携帯をいじっているシロを叩く。
「バカは認めるのか…。」
呆れ顔でため息をついて、次の授業の予習をする夏木。
「んー、あっ、レベルアップ〜!サイコー、カッコいいし、この仕草可愛いよ〜!」
軽く流し、ゲームの中のキャラを愛でる葉月。
こんなところを知っているのはこの4人だけだろう。
今回で本性がわかりましたね。
次の話はどうなる事やら。