初めてのランクD依頼の後、不審者が襲ってきました
ランクDになりました。
だから今日の依頼はランクDの依頼を受けようと思ってる。
どんなのがあるか今から楽しみだね。
それじゃ、ギルドに行こうかな。
「おはようございます」
「おはよう、アリエルさん、今日はランクDの依頼受けるんでしょ? 昨日から楽しみにしていたみたいだし、用意してあるわよ」
「よ、よく分かりましたね、私が楽しみにしていたの」
「あんだけ顔に出てればねぇ、付き合いはまだ短いけど、それくらいは分かるわよ」
なんてこった、そんなに顔に出てたんだ。
おかしいな? 私、顔に出やすい性格じゃ無かったんだけどな。令嬢時代に鍛えたポーカーフェイスの実力が落ちたか?
「まあ、その通りなのでいいんですが、それで何かおすすめなのありますか?」
「そうね、ボアなんてどうかしら? 木を背にして、ボアを木に突っ込ませるのよ、そしたら目を回している隙に頭を刺す、これが必勝法よ。」
ボア、その魔物は、簡単に言うと猪だ。突進力が凄いが真っ直ぐにしか来ないため誘導しやすい、だから必勝法が木に突っ込ませて、頭を刺すことらしい。ただ避けられずに突っ込まれると、大怪我は免れないし、下手したら死ぬらしい。
これは油断できない相手だね。
一瞬の判断のミスが死を招くってことだし。
「なるほど、ありがとうございます。そのやり方でやってみますね」
「ええ、くれぐれも気をつけてね、本当に避け損なったら大怪我じゃ済まないかもしれないんだから」
「はい、油断せず全力でやってきます」
「じゃあ、頑張って、怪我しないで帰ってきてね」
「はい、頑張ってきます」
ふう、ボアか、強敵だけど頑張ろう。
私は気合いを入れて、森に向かう。
よし、ここからは一瞬たりとも油断は出来ない。
今までは森に来ても余裕ぶっこいてたけど、こんなにヤバい所だったんだね……あの頃の私を殴ってやりたい。
まぁそれは今はいい、とにかく、木を背にする前に先手を打たれたらまずいから、精霊眼も発動して、ボアを探す。
私は周囲を警戒しながら、慎重に進む。
額から汗が出てきた、緊張感が半端じゃない。
……いた、あれがボアだね。
私の目線の先には真っ黒な毛に二本の大きな牙を持つ3メートル程の猪がいた。
大きいな。
そう思いながら、私は剣を抜き、大きな木を背にして、ボアに石を投げた。
そして、此方に気付いたボアが私を威嚇している、多分すぐ突っ込んでくると思う。
…………来た!
私は唸り声をあげながら突進してきたボアを避けるために、横に大きく飛び退く、そのすぐ後にボアがドンッという鈍い音を立て、木にぶつかった。
ボアは目を回している、私は急いでボアに近づき、体重をかけて勢いよく頭に剣を深く突き刺した、よし! 仕留めた!と思ったが、ボアは最後の足掻きとばかりに暴れだし、剣を握ったままだった私は、ボアに思い切り頭を振られ、ぽいっと投げ飛ばされた。
私は、飛ばされ、パニクりながらも、辛うじて転がり受け身はとれたが、結構飛ばされたので体が痛い、だが、運良く外傷は無いようだ、そして、まだ戦いの最中なのを思い出した私は、焦ってボアを見るが、どうやらもう死んでるみたい、だけど油断せず近づき、体を蹴って、動かないのを確認して、やっと倒せたとため息をついた。
その後は、ボアを袋に入れ、痛めた体を少し休めてから、帰ることにした。
ここに来てからずっと緊張していたから、精神的にも疲れてるし、投げ飛ばされて、森を転がったから、身体的にもダメージがある。だから森で少し休んでいる。
そして、休んだ後急いで森を出て、よたよた歩いて街に帰った。
街に着いたときは、もう夜になっていた。
「依頼終わりましたぁ」
「アリエルさん!? 大丈夫だったの!?」
「はい、少し手間取りましたけど、大丈夫でした」
「そう…それにしても泥だらけねぇ、服に葉っぱもくっついてるじゃない」
「はい、ちょっと転がっちゃいまして」
「もう、気を付けないとダメよ? 今日はもうお風呂に行きなさい、ちゃんと着替えを持っていくのよ? 報酬は明日あげるから」
「はい、分かりました。それでは失礼しますね」
はあ……早くお風呂に入りたい。
私がアパートの目の前に着き、ふと後ろを見ると……全身真っ黒な人が100メートル先位に立っていた。
私は本能的に、奴を不審者だと判断し、逃げようとすると、奴はメイスを取りだし襲いかかってきた。
私は急いで剣を抜き、敵の放った凪ぎ払いを止め、思い切り弾いた、すると相手はよろけ、その後もフラフラし出す、何か様子がおかしいなと思いつつ、私は剣を構える。
そして、また敵が力なく凪ぎ払いを放ってきたので、後ろに飛んで避け、敵に飛び蹴りをし、倒れたところで頭を剣の柄で叩きつけ、気絶させた。
なんだったんだろうこいつと思いつつ、取り敢えず顔を見ようと覆面を外し、顔を見て驚いた。
不審者は、この前来たワール王国の兵士だった。




