ワール王国の兵士が自分勝手すぎるから脅します
はぁ昨日はろくに街をふらつけなかったなあ。
これも全部ワール王国の兵士のせいだ!
探しに来るとかふざけた真似しやがって!
せっかく自由を手にいれたって言うのに、迷惑だから邪魔しないでほしいわ。
ため息をつきながらギルドに入ると……
「アリエル様ですね、ようやく見つけましたぞ」
ちっ…何でここにいるんだよ。
「私はあなたなんか知りません。馴れ馴れしく話しかけないでもらえます?」
「なっ!? 侯爵令嬢ともあろう御方がなんて酷い態度を!」
「私は侯爵令嬢ではありません、この街の人間のアリエルです。分かったらどっか行ってください」
さっさと帰れ! 私の生活の邪魔をするな! バカ兵士め!
「いえ、国からは貴女を見つけ次第連れ帰れと言われてますので」
「なんですか? 拉致でもする気ですか? ワール王国では兵士が拉致をするんですね、これは酷い、奴隷王国に匹敵する酷さですね」
「貴女がなんと言おうと力ずくでも連れ帰ります。」
バカか、この街でそんな事してみろ、普通に捕まるし、中立都市を攻撃した事になって、世界中敵に回すだけだからね。
「そんな事したら中立都市の住民を不当に攻撃したことになり、ワール王国は滅びますよ」
「ぐっ! ですが貴女が戻れば国は元に戻るかもしれないんですよ! 貴女は母国が苦しんでいるのを見てみぬふりをするのですか!?」
「ですから、何の話をしているのですか? 私にそんな話をしても意味ないでしょうに、貴方が誰を探してるか知りませんけど、自分の国の事くらい自分で何とかしてくださいよ」
なに睨んでんの? そんな態度ならもう帰りなよ、ここまで言われたら帰るよ普通。
「ですが! ワール王国は限界なのです! 作物も育たない、魚も居なくなり、山はもう木も何もなくなりました! これを聞いても貴女は何もしないと仰るのですか!」
「何もしないと言うか、そんなの一般市民である私にどうにか出来るわけないです。それともそうやって言いがかりをつけて無理矢理奴隷にでもする気ですか? あーあ、これは第二の奴隷王国の誕生なんですかねぇ? 皆にもワール王国が国を挙げて奴隷狩りをしてるから危ないって教えてあげなきゃいけませんので、もういいですか?」
はあ、こいつの相手疲れるわ。
なに悔しそうな顔してんの? そんな顔するくらいなら帰れば良いじゃん、むしろ推奨するよ。
「いい加減にしてください! 貴女がそうして拒否しているこの時も、ワール王国の民が苦しんでいるのですよ!」
「はぁ……話になりませんね。憲兵呼びますよ? 」
「何故話を聞いて貰えないのですか!」
「聞いてるじゃないですか…なんなんですかさっきから、私は知らないって言ってるじゃないですか、それに先程から言ってますけど、そんなことをするくらいなら自分達でどうにかすればいいと思いますし、それが出来ないならその国はもう寿命なんですよ、諦めて他国へ行けばいいと思いますよ?」
「え……」
私は兵士にそう言い、寿命と言われ呆然とした兵士を放置し、受付に向かった。
「おはよう、アリエルさん、あなたがワール王国が探していた令嬢だったの?」
「違いますよぉ、何か国を挙げて奴隷狩りしてるみたいで、私必死で言い負かしてやったんですよ」
「そうなの? それは不味いわね、街の各所に報告しなきゃね、それで今日はなにか受けるの?」
「はい、今日はウルフにします。」
「はい、じゃあ行ってらっしゃい。奴隷狩りに気を付けてね」
「はい、行ってきます」
カティアさんは気づいているんだろうなと思いつつも、私は頑張ってウルフを倒してこようと、意気揚々と平原に向かって歩いた。
よーし、まずはウルフを探すか!
まず私はいつも通り平原をうろうろし始めた。
ウルフは狼の魔物で、動きが速い、だから油断すると噛みつかれたり引っ掻かれたりする。
とにかくウルフ必勝法のカウンターで決める。
……あ!いた!
丁度一匹だね、ここは剣でやる!
私は剣を抜きウルフと対峙する。
お互いに牽制し合っている……その時。
ウルフが私に襲いかかろうとして飛びかかってきた。
私は体を横に逸らしつつ頭に向けて剣を凪ぎ払った。
ザシュッ
私の一撃がウルフの口に決まり、切り裂いた。
そして、ウルフは大量の血を撒き散らして動かなくなった。
よし! 剣で倒せた。
ふぅ、緊張感のある良い戦いだった。
私はこの戦いを忘れないよ。
さて、報告しに帰りますかね。
私が達成感に浸りながらギルドに帰る、すると面倒な奴がまだいた。
「アリエル様、どうか私と国にお帰りください」
「貴方もしつこいですね、そんなに私を奴隷にしたいんですか?」
「違います! 私は国と王家のために貴女を連れ帰らないとならないのです! 」
はぁ、もういい、私は穏便にしてやろうとしてるのに、こいつにはもううんざりだ。
どうなっても知らないよ? あくまでも精霊の標的は王家だったのに……あなたのせいなんだから文句言わないでね。
「そうですか、なら私が予言してあげます、あなたのせいで、ワール王国はより過酷な状況に陥ることでしょう。これはすべてあなたの非道な行いが原因なのです、もう…救いはないでしょう」
「そ、そんな!」
私は、周りに人がいないのを確認し、小声で兵士に言った。
「ふふ、私の眼はね、精霊眼といいまして、この眼によって、精霊は私の頼みをある程度聞いてくれます。ですがね、精霊はワール王国の王家には物凄く怒っていて、それ関係だと何も聞いてくれないんですよ。さらに今ワール王国の兵士にも物凄い迷惑を掛けられてしまいましたね……私の言いたいことわかりました?」
「ま、まさか……」
「ええ、今度こそ再起不能になるでしょう。他ならぬあなたが私に迷惑を掛けたせいで、こんなふざけたことをしなければ、これ以上精霊を怒らせることはなかったのに」
「ま、待ってください! 」
「ええ、待ちますよ、待っている間に帰ってくれれば私も今回の事は忘れて、無かったことに出来るのですが」
「わ、わかりました……」
兵士は怯えるように走り去って行った。
ふん、いい気味だ。でもこの位じゃ精霊はなにもしないだろうけどね、それと精霊眼の事はこの際仕方ないね、まぁ今さら国にバレた所で、私はもうワール国民では無いし、精霊によってワール王国は既に死に体も同然だから、手出しは出来ないだろうから問題はないはず、ギルドの人たちは遠巻きで見てたから、聞こえてない、ちゃんと確認してから言ったしね。
「カティアさん、依頼終わりました」
「ええ、依頼は完了よ、お疲れさま。じゃあこれ報酬の7000ガルね」
「ありがとうございます」
「明日も頑張ってね」
「はい、では私は帰りますね」
「また明日ね」
私は、食堂で今日の夜ご飯、グラタンを食べ、次は公衆浴場に行くためにギルドを出た。
そして、公衆浴場に着いた私は、体と頭をジャブジャブ洗い湯船に入る。
ふぃー。
今日もいいお湯だ。
私は毎日このお湯に浸かるために頑張っているんだ。
さいこー、今日のストレスが消えていくー。
名残惜しいけど、お風呂を出た私は家に帰ってきた。
まずは鎧を磨いた後、洗濯して、布団に入った。
ふぅ、明日も頑張ろう。
そして、私は明日に備え眠りにつく。




