カティアさんとワール王国の噂について話します
今日もギルドに来ました。
アイテム袋も手に入れたし張り切ってますよ私。
「あら、おはようアリエルさん、昨日は本当にごめんなさいね」
「いいですよ、もう終わったことですし」
「そういえば知ってる? 今ワール王国が酷い状況らしいわよ、なんでも王国の土地が全て死んだ土地になったとかで、大騒ぎ、向こうのギルドも大変だって報告が来たのよ」
「へー、何があったんですかね?」
ほんとは知ってるけどね、でもそれは全部ワール王国の王家の責任だし、何とかしてあげようにも、言ったところで精霊はまだ怒ってるから聞いてくれないだろうし、そもそも私、国外追放されてるから、関係ないもんね。
「あの国はもう終わりかもねぇ、何か行方不明の侯爵令嬢を探してるらしいけど、侯爵令嬢に何ができるんだか……本当に何を考えてるのかしらね」
「ふーん、その令嬢の名前とか聞いてるんですか?」
「そういえば、名前とかは聞いてないわね、まぁいいわ、別に私には関係ない事だし」
んー、多分それ私の事だよね? 今さら何の用だろ?
まぁ、もし来ても知らん顔するけどね、もう国には戻りたくないし、私は今この街の所属だから命令なんかされても無視出来るし。
「私にも関係ないですね、もうあの国とは関わりありませんし」
「そうね、アリエルさんはもう街の人間だし、何かあっても街とギルドが守ってくれるわ」
え? この街とギルドが守ってくれる? この街は仲間意識が高いんだな、ワール王国と比べると凄い良い街だねここは。
「それはありがたいです。あの国なら無理矢理連れてく位普通にやりそうですし」
「あはは、確かにね、今は切羽詰まってるみたいだし、余計にありえるわね」
だよねぇ、ほんとにあり得るのが怖いわ。
ただ本当に私にそんな事したら、精霊が怒って余計に国の状態が悪化するんだけどね。
「私も少し気を付けないといけませんね」
「そうね、気を付けてね、それで今日は依頼受ける?」
「いえ、今日はお休みすることにしたんですよ」
「たまにはいいと思うわ、最近頑張ってたしねぇ」
「そういえば、ベルさんとライラさんってどこ行ったんですか? お礼言おうと思ってるのですが」
「あの二人なら今は、貿易都市マーリスに行ってるわ、遠いし、しばらく帰って来ないわね」
そっかぁ残念…お礼言いたかったのになぁ。
「そうですか…残念です」
「そんなに落ち込まないで、あの二人ならその内ひょっこり帰ってくるわよ」
「そうですね、待つしかないですしね」
「それで、今日は何する予定なの?」
「今日は特に目的もなくのんびりする予定なんです」
「あはは、それはいいね」
「じゃあ私はそろそろ行きますね」
「ええ、気を付けてね」
私はギルドから出た。
そういえば、この街をちゃんと歩いたこと無かったね。
この大通りしか知らないし、探索するのもいいかも。
そう思って歩きだし、まずはあのお店が多そうな方に向かう。
ああ、賑やかだなー、露天もたくさんあるし、色々見てみよっと。
私は、屋台を見て回り、いか焼きと、綿あめを買って食べた。懐かしい味で美味しかった。
さて、次は農園区にでも行ってみよう。
そう考えて、歩き出そうとする。
……ん? あ! やっべー、ワール王国の兵士が居るんだけど!
とりあえず逃げろ! 私は走って逃げ出した。
……はぁはぁ、あー疲れた。
とりあえず家に逃げ込んだけど、もう今日は外出るのはやめた方がいいね。
よし、後はだらだらして過ごすか、ったく迷惑な奴等だ、探すならよそいけって感じだよ。
こうして、私の初めての休日は家でごろごろして終わった。