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錬金術で作った物です カリーナ視点

 私、カリーナとリップちゃんは今、アリエルが作ったものを鑑定するために、鑑定機のある鑑定室に来ている。

  ちなみにアリエルは余計な事をしそうなので「私達はこれ調べてくるからどっかで遊んできなさい」と言って置いてきた。


「はぁ…カリーナよこれを見るのじゃ」


「何かあったの?」


 ため息をつきながら疲れたように鑑定機の画面を指差しながらそう言ったリップちゃん。

 私はまたやたら変なものでもあったんだなぁと、憂鬱になりながら画面を覗き込んだ。

 

 《ダンジョンコア》


 ダンジョン名:なし

 ダンジョンマスター:アリエル

 階層:まだ設置されていません

 保存魔力:0


 ・登録した場所をダンジョン化する(登録できるのは一ヵ所のみ)

 ・ダンジョンの魔力は、マスターによる供給か、侵入者のレベルに応じ時間毎にまたは侵入者の死亡時に増加される。

 ・ダンジョン内では魔力を消費し階層を増加、魔物を召喚、ダンジョンオブジェクトの設置、アイテムの購入、その他細かな設定の変更が出来ます。


「妾はどうやったら錬金術でこんなものが出来るのか分からないのじゃ……」


 リップちゃんはもうやだ!と言わんばかりに頭を抱えて絞り出すように言った。


「私も分からないし、アリエルの名前の横に何で本人の顔が写ってるのかも分からないわ」


 私が見ている画面には眩しい笑顔でダブルピースしているアリエルが写っている。

 そして私達がこんなに悩んでる時にこの笑顔……理不尽かもしれないけどかなりイラっとする。


「まさか三回やって全部もて余す様な物ができるとはな……魔石を入れればダンジョンコアに、薬草を入れたら霊薬エリクシルの原液の樽、ドラゴンの鱗を入れたら虹龍の卵(有精卵)だしのぉ…ほんと……どうなっているのじゃ…」


「そうね、物の知らない私でも厄介な物だって分かるくらいだものね、さしあたっての問題はダンジョンコアかしら?」


「いや…一番の問題は虹龍の卵じゃな、見たところこの卵、もういつ孵化してもおかしくないのじゃ、孵化したら竜王が確実に気づいて確認に来るのじゃ」


 リップちゃんはかなり深刻そうに言うけど、何が問題なのか分からない、虹龍なのが問題なのかしら?

 私が考え込んでいると、リップちゃんは「あぁ…何が問題なのか説明してなかったか…」と遠い目をしながら言い、説明してくれる。


「虹龍は繁殖力がかなり低くて200年前に絶滅したのじゃよ…だから今は黒龍が竜王を代行しておるがの、本来竜王は虹龍でなけれぱならないと龍族では決まっておっての、今でも奴等は血眼で虹龍を探しているのじゃ、そんな時にこれじゃよ、作ったのがアリエルだと知れたら、龍族は魔王では無くアリエルに忠誠を誓う確率がかなり高いのじゃ……」


「……え、でも知られないなんて無理じゃない? だってほら……」


 私はプルプルしながら卵の鑑定画面を指差す。


 《虹龍の卵(有精卵)》


 名前:なし

 年:0

 クラス:卵・従魔:アリエル



 七色に光る虹龍の卵


「うむ…何故か卵なのに従魔になっておるのじゃ、産まれたら主であるアリエルから離れんじゃろうな……」


 あの子は本当に問題を起こすのが得意ね。

 まぁ、何も無いよりは面白いけど、最近は問題の規模が大きくなってきてるような気がするわ。

 

「どうするの?」


「どうもこうも、正直に全て話すしかあるまいよ、この件に関して曖昧な事を言うと龍族の逆鱗に触れかねんからの」


 私達二人はがっくり肩を落とし、これから確実に起こるだろう問題に、頭痛がするほど頭を悩ませることになった。


 コンコン


「ん? 誰じゃ、入るがよい」


 リップちゃんがだるそうに言うと、やたら大きい声で「失礼します!」と言って、何故かミニスカの軍服にポニーテールのアリエルがやたら姿勢良く入ってきて、少し跳ねながら敬礼をした。


「親衛隊長アリエル、参上致しました!」


 アリエルは真面目な顔で、そんな広い部屋でもないのに大きな声でそう言う、そんなに声張らなくても聞こえるから止めて欲しいわ、それに中身はぽんこつの癖に見た目だけは本物の女軍人に見えるのが何か腹立つわ。

 私がアリエルを見てイラついているとリップちゃんが小声で話しかけてくる。


「アリエルは何がしたいのじゃ? あんな短いスカートと軍服みたいなのを着たりして」


「多分軍人になってみたくなったとか下らない理由だと思うわ、本人は軍人になりきってるつもりでしょうから、下手に突っ込むと騒ぎ出すわね、だから適当に相手して飽きるのを待ちましょう、それより、あれは軍服じゃないの?」


「うむ、この国の軍服は男女問わずズボンじゃ」


 私達は目を合わせて小さく頷くと、ドアの前で敬礼をしているコスプレ軍人を相手にし始める。


「ご苦労、用件はなんじゃ?」


「えっ?……えっとぉ…き、今日は良い天気ですね!」


 リップちゃんが兵を相手にするように対応すると、アリエルは何故か焦って、適当な事を言い出す。


「い、いや、今は曇っておるし、そもそもここは常に夜なんじゃが……」


「あ…あぁそうですねぇ……それより! 何をやってるのですか!?」


 この子本当に何がしたいの? 声はでかいし、何故か胸の下で腕を組んで持ち上げてやけに強調してるし、さっきから事あるごとに少し跳ねて胸を揺らしてる…でも顔は真剣そのものとか…。


「か、カリーナ、アリエルがさっきからやけに胸を強調してくるのじゃが、どうしたらいいのじゃ?」


「アリエルのペースに乗っちゃダメよ、迂闊に指摘するとまた変な事し出す……あ、いいこと思い付いたわ、アリエルに滅茶苦茶な命令をしましょう」


「何をする気じゃ?」


 リップちゃんが怪訝そうに私に聞いてくる。


「兵士にとって王の命令は絶対、だから服を脱げとかそういう無茶なことを言って、アリエルが止めるように仕向けるのよ」

 

「ほう…確かにこのまま続けると精神的に参ったことになりそうじゃし、やってみるのじゃ」


 アリエルは相変わらず胸を強調しながら足を開いて立っていて、良く見ると胸を持ち上げた事により、頂点部分がぱっつぱつになり、今にもボタンかちぎれ飛びそうになっていて、タイトなスカートから伸びる細い足がやたらと目につく。

 その姿はまるで……軍服コスプレしている高級娼婦に見えた……私はそれを見て何故かとても悲しくなった。


「ではアリエル、魔王として命ずる、今すぐ全ての服を脱ぐのじゃ!」


「……え?」


 リップちゃんはどうだ言ってやったぞと言わんばかりの顔をしているが、やったことはゲスなセクハラである。

 私はセクハラをして誇らしそうにするのは人としてどうだろう?と思ったが、自分がやろうと言い出した事なので一番のゲスは私か……と軽く死にたくなった。


「どうしたのじゃ、親衛隊長なのに魔王の命令が聞けぬと言うのか?」


 リップちゃんはここぞとばかりに責め立てる。

 あの子はその手の事に弱いから私はそろそろ怒って止めるだろうと予想した。


「わ…わかりました! アリエル脱ぎます!」


 アリエルはそう叫ぶと何故か下から脱ぎ出し、紫リボンのついた水色の紐パンを私達に見せつけ、上着のボタンを外し始めたので、私達は慌てて止めに入る。


「な、何故本当に脱いどるのじゃー!」


「止めなさいアリエル!」


「魔王様の命令は絶対なのー! 軍人として従わないといけないの!」


 必死で脱がせまいと邪魔する私達にこのお馬鹿は訳の分からないことを叫びながらジタバタ暴れる。

 私達はしばらく攻防を繰り広げしばらくしてアリエルはようやく抵抗を止めた。


 そしてアリエルが奇行とおかしな服の理由を全て話し……この騒動の原因となった下手人がいることが判明した。


「そうか…お主に軍人の作法と言って出鱈目を教え、そのニセ軍服を渡したのは第三部隊のエロワードと第二部隊のゴンザレスなのじゃな」


「うん、てかこれ軍服じゃないの? しかも作法も違うんだ」


「うむ…妾達から見たら先程までのアリエルはやたらと胸を強調して誘っている娼婦にしか見えんかったよ……」


「……え? …そんなことないよね?」


 リップちゃんは辛そうな顔をしてそう言うとアリエルは目が笑ってないひきつった笑顔ですがるように私に聞いてきた。


「……そんなこと……あるわ……あの時のアリエルは…コスプレした高級娼婦にしか見えなかったのよ!」


「なっ!? そ…そんなぁ……じゃあ訓練所で練習してるときにやたら見られてたのって……」


 私は親友があんな恥ずかしい事を真顔でやっていた事への悲しさの余り、最後のほうは感情的になり、叫ぶように言っていた。

 そしてその言葉を聞いたアリエルは目を見開いた後羞恥の余り、その場にペタリと座り込み、呆然としていた。


 普段明るく元気なアリエルが感情の抜け落ちた様な顔をして座り込む姿を見て、私とリップちゃんは親友とも呼べる友人に出鱈目を教え、エロい服を着させた挙げ句見世物にして心を傷つけた報いを必ず受けさせると心に誓った。


 その後呆然とするアリエルに卵を抱かせて、着替えさせたてから寝室のベッドに寝かせた後、私達は下手人がいる訓練所に向かった。


「そこの者、悪いのじゃがエロワードとゴンザレスを呼んできてくれるか?」


「急ぎでお願いね…」


「は、はい! 今すぐ!」


 訓練所に来た私達は近くにいる者に声をかけ下手人を連れてくるように言った。

 そして五分もしないうちに二人を連れて戻ってきた。

 何かあいつら凄いだらだらしてる。


「魔王様、俺達に用ってなんですか?」


「あぁ…妾が直々に訓練をしてやろうと思っての」


「え? いや、そんなのいいで…ぐっふ! な、何しやがる!」


 リップちゃんはエロワードが話している途中に顔面に飛び蹴りを放つと、奴は真っ赤になってキレ始めた。


「問答は無用じゃ、それと最初に謝っておくのじゃ…『うっかり』殺してしまった後じゃ聞いてもらえないからの」


「な、何を……ぐっ…がっ…ぐぎゃあ!」


 リップちゃんはうっかりを強調し、殺すと脅迫した後いきなり襲いかかり、エロワードの体に何度も何度も拳と足を打ち込み始めた。


「貴方も死んでしまったらごめんなさいね、今の私は手加減とか出来ないから」


「や、やめ……っぷ」


「何? 訓練のお礼でも言ってくれるのかしら? でも気にしなくて良いのよ、私の親友が随分お世話になったみたいだから」


 カリーナは感情の無い顔で死んだらごめんと言い、それを聞いたゴンザレスは慌てて止めろと言おうとするが、急に何かに鳩尾を攻撃され余りの痛みに踞る、そして苦しみながらもゴンザレスはふとカリーナの方を見るが、カリーナはゴミを見るような目をし、歪な笑顔を向けながらお礼がどうこう言っていた。

 そしてゴンザレスは余りの恐怖に失禁していた。


 その頃リップちゃんはマウントポジションでエロワードの胸ぐらを掴み、ひたすら顔面を殴りながら、「何も知らない少女に出鱈目を教えて胸を見るのは楽しかったか?」と言っていた。

 しかしエロワードはすでに意識が無く、顔も原型を留めていなかった、しかしリップちゃんは殴るのを止めず、訓練所にはゴッ、ゴッと殴る音が響いていた。


 カリーナはゴンザレスの鳩尾に執拗に攻撃を仕掛けていた。

 ガードしてもすり抜けられて、うつ伏せになっても下から攻撃を受け、丸まっても意味がない、何度も攻撃をされている内にアバラは砕かれ、内臓も痛め付けられてもう何度も吐いている、今では血まで吐いていて、ゴンザレスは死ぬ一歩手前まできていた。


 そして訓練所に居た全員が恐怖を抱くような凶行を起こした二人は、死ぬ寸前の二人を残し、その場を去っていった。


 その後医務室に運び込まれたエロワードとゴンザレスは医師から再起不能なまでのダメージを与えられていると診断された。

 エロワードは顔面がもとに戻らないほど滅茶苦茶にされ、全身が骨折しており、右手は骨と一緒に神経もズタズタにされていて、もう動くことは無いと言われ、ゴンザレスは胃が破裂しており、アバラだけではなく背骨にもダメージを受けており、下半身に異常が残るだろうと言われていた。


 そして二人は病院に移され、除隊処分となった。


 その頃アリエルは気持ち良く眠っていた。

 しかし、近くからキューキュー何かが鳴く音が聞こえ、目を覚ました。


「う…うーん、あれ? 私いつの間に寝てたんだろ?」


 体を起こしたお馬鹿娘は、先程までの事を忘れていた、あまりの羞恥で記憶がぶっ飛んだのである。


「キュキュー」


「ん? なんだろ……え!? なにこれ!?」


 アリエルは驚いた、何故なら彼女の膝の上では虹色の鱗の龍が甘えるように鳴きながらお腹に顔を擦り付けていたからだ。


「何で私、龍なんか持ってるんだろ?」


 アリエルは訳がわからず首をかしげ、取り敢えず龍の背中を撫でた。

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