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街の外に出てみました

「今日は街の外だよね、楽しみだなぁ」


「うむ、星降り平原というのじゃ、魔物の危険度も低いし小手調べに丁度いいと思うのじゃ」


 なにその私の好奇心をピンポイントで狙ったような名前の場所は、流れ星とか沢山見れそうじゃんか。


「綺麗そうな名前の場所ね、アリエルも気になるみたいだしそろそろ行きましょう」


 カリーナの言葉に頷き、私達は城を出発した。


「ねぇ二つ名って知ってる?」


私は歩きながら二人が知ってるか聞いてみた。


「ええ、その人の特徴で付けられることが多いみたいね」


 私の問いにカリーナはそう答える、その人の特徴か…ハゲた人ならハゲの●●みたいな感じなのかな?


「妾なら魔王リップじゃな、有名なクラスなら頭につけて二つ名ということもあるのじゃ」


「そうなんだ、でもリップちゃんはラブリーリップとかプリティーリップの方が似合うよね」


「う…っく、ええ…そう…ね、とても似合うわ…ふふ」


 私が勝手に付けた二つ名でカリーナが笑いを堪え始め、リップちゃんは呆然としている。

 何か面白いことがあったか? それにリップちゃんは急にぼーっとしてどうしたんだろ?


「そ…そんなの妾には似合わないのじゃ! 妾は魔王なのじゃから魔王リップが一番なのじゃ!」


 リップちゃん今度は顔を真っ赤にしてプンプン怒ってる、本当に大丈夫かな? 今日は何か変だよ?


「わかってるよ、リップちゃんは魔王だもんね」


「うむ、それよりアリエルはカリーナに付けるならどうする?」


 おぉ、急なフリだね、うーんカリーナかぁ…あ! 一つ良いのがあるわ。


「カリーナはクールビューティーカリーナかな」


「長いわよ、それに何か普通ね」


「うむ、期待を裏切られたのじゃ」


 え? 何を期待してたの? 私は特別ネーミングセンスがある訳じゃないんだから二人してそんな残念そうな顔しないでよ。


「別に普通でいいじゃん、普通が一番良いって誰かが言ってたよ」


「そう、あ! 私アリエルに似合う二つ名を思い付いたわ!」


 ほう! 私に似合うと申したか、何かなぁ、魔剣士アリエルとか? それとも剣聖アリエルかな?


「なになに!? 気になるから早く教えてよー」


 私が早く早くと急かすと、カリーナはニヤっと笑って「今教えてあげるわよ」と言った。


「アリエルの二つ名は、巨乳のアリエルね、昨日は牛のパジャマを着て見せつけてたし、似合うと思うわ」


「………………え?」


「ぐふっ…ま…まぁ確かにその通りだしの、否定は出来ないのじゃ……くふ」


 なにそれ…いくらなんでも酷すぎない? リップちゃんも笑わないでよ!

 なにさ巨乳のアリエルって…私の特徴が巨乳だけみたいじゃないか。

 確かに私はよく肩がこるし、胸のせいで身長の割に体重が重い、でも二つ名にする程では無いと思う。


「私は二つ名にするほど巨乳じゃない」


「そう? その身長で両手で持っても溢れるような大きさの胸の人がそんなに居るとは思えないわ」


「ぐぅ、今までは防具と包帯で潰してたから何も言われなかったのに…」

 

「あの時は目立ちたく無かったからね、仕方ないわよ」


 何が仕方ないのか私にはわからないよ!

 私はカリーナをキッと睨み、スタスタ歩くことにした。


「ふふ、あの子睨んでも全然怖くないのよね」


「そうじゃな、アリエルは目付きが良すぎるのか少し機嫌が悪いくらいにしか見えないのじゃ」


 そして私が激おこ状態のまま星降り平原に到着した。


「……ねぇ二人とも…ここは月と星が綺麗だね…」


「そうね、月明かりで草原がキラキラ光ってとても綺麗だわ」


「うむ、相変わらずここは心安らぐ景色じゃ」


「今謝ってくれたら許しちゃうんだけどなぁ…」


 私はバレないように二人をチラチラ見ながら言った。


「ふふ、ごめんねアリエル」


「悪かったのじゃ」


「うむ! 私は今機嫌が良いから許してあげる!」


 ふぅ、二人を怒り続けるのも難しいね、私は二人とも大好きだからね、ほんとはもっと前に許してたんだけど、謝らないで許すほど私はチョロい女じゃないから仕方ないね。


「仲直りをしたところで、魔物討伐をするのじゃ」


「あ、そうだね! 私の強さ見せて上げるよ!」


 私はそう言うとその辺を歩きながら周りををキョロキョロ見て魔物を探す。

 うーん居ないなぁと思ってるとカリーナに肩を叩かれた。


「ほらアリエル、あそこにハイゴブリンが居るわよ」


 うん? あ、ほんとだ、青い肌のハイゴブリンだ。

 ゴブリンの上級種かぁ。


「雑魚じゃな」


「そうね、アリエル倒す?」


「いいよ、あんなの楽勝だから!」


 二人とも余裕だね、でも私だってあいつ位余裕で倒せるんだからと、私は剣を抜き、風属性を纏わせ走り出し、ハイゴブリンに接近する。

 するとハイゴブリンは私にこん棒を縦に振るが、私はヒョイっと横に飛んで避け、横から斬りつける。


「てやっ!」


 私の一撃はハイゴブリンの胴体をズバッと横に真っ二つにし、血を浴びたくないので風で弾いた。

 そして見ていた二人にドヤ顔する。


「ふふ、私の剣技にかかればこんなものだよ」


「そうね、貴女の属性付与は本当に素晴らしいわ」


「うむ、付与の光が剣筋に出ておったしの、流石としか言い様がないのじゃ」


 違う、私が褒めて欲しいのはそこじゃないんだよ。

 属性付与なんて適当にやってるんだから褒めなくて良いの、剣を褒めなさいよ! 良い一閃だったとかさ!


「ねぇ、剣はどうだったの? 私的には良かったと思うんだけど…一撃で真っ二つにしたしさ!」


 私はうきうきしながら二人に聞いてみたら、二人は少し困ったような顔で笑った。


「うーん、残念だけどやっぱりアリエルは剣より魔法を専門にした方がいいと思うわね」


「そもそも魔法と剣術の差が激しすぎるのじゃよ、さっきのハイゴブリンも魔法で倒せば一瞬だったじゃろう?」


 そっかぁ…やっぱり剣はダメかぁ……。

 才能もEだし仕方ないか、これ以上私のわがままで迷惑かけるのも悪いし、魔法をメインにしよう。


「わかった…私これからは魔法がメインの後衛魔法剣士になる!」

 

 私は決意を新たに、胸の前で手をグーにして、頑張るから!と意気込む。


「う…うーん、まぁ魔法をメインにして前に突っ込まないだけ良いのかしらね?」


「そうじゃの、今回はそこで妥協するとしよう」


 何か複雑な顔をしているねお二人さん。

 そこは喜ぶところじゃないの?


「よし、次行こう!」


「私思ったのだけど、アリエルの広範囲の炎魔法であそこの森を全部焼き払えば魔物を一気に殲滅出来そうよね」


「な…なんてことを言うのじゃ! 普通ならそんなこと出来る訳ないから冗談扱いで笑い話じゃが、アリエルだと本当に出来そうで怖いのじゃ! 冗談になってなくて全く笑えないから笑い話にならないのじゃ!」


 リップちゃん顔が青くなって怒って必死だな。

 常識人の私がそんなことするわけ無いからそんな必死にならなくても大丈夫だよ。


「ふふ、アリエルでも森を全部焼き払うなんて出来ないわよ、ね、アリエル?」


「………………クリムゾンエンドなら出来る…かな」

 

 カリーナは出来ないと思ってたのか、微笑みながら冷や汗をかくという器用なマネをしていて、リップちゃんは顔を青くしてわたわたしている。


「そ…その魔法はどういうものなのかしら…?」


 カリーナ声が震えてるけど大丈夫?


「超高温の炎の塊を広範囲に何度も落として一帯を焼き払う古代魔法、それを使うと最後にはクレーター以外何も残らないの」


「や…止めるのじゃ…それを使うのは止めて欲しいのじゃ! 星屑の森が消えてしまうのじゃー!」

 

 リップちゃんが泣いた!?


「リップちゃん、 私はそんな魔法を使ったりしないから泣かないで?」


「ご…ごめんねリップちゃん、まさかアリエルが本当にそんな魔法が使えるとは思わなくて…」


 その言い方だと私が悪いみたいだから止めてよ。

 カリーナが余計なことを言うのがいけないんだからね。

 あ、ハイゴブリンが五体こっちに来てる。

 リップちゃんが泣いてるし、さっさと倒しちゃおう。


「切り刻め、エアスラッシュ」


 私が詠唱破棄をして放ったエアスラッシュは、こちらに走ってきたハイゴブリンを風の刃でズタズタにした。


「ほら、やっぱり魔法の方がいいじゃない、瞬殺だったわよ瞬殺。」


「ぐす…妾も…ぐす…アリエルの魔法は凄いと…思うのじゃ…ぐす」


 私は目を赤くし、ぐすぐす言いながらも頑張って話すリップちゃんをなでなでした。

 余りの健気さに私の中の母性が我慢できなかった。


「そろそろ行こうか、リップちゃんも泣いて疲れちゃっただろうし」


「わ…妾は疲れてないのじゃ」


「良いから良いから、今日は帰りましょ」


 こうして私達はハイゴブリンの討伐確認部位である耳を切り

 、それを換金しにギルドに行き、今日はミリアちゃんが休みなのにがっかりしつつ換金を済ませて、歩きながらリップちゃんの背中を撫でて城に戻った。



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