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結界を強化しました

 さて、挨拶は終わったね。

 赤いのがイグニトスさん、緑のがシルフィードちゃん、そして茶色のがノーマ君、はい覚えたー。

 これで挨拶は終了でーす。なので私は街に行かせて頂く前に…皆は私に関して何か勘違いをしている様だからそれを正さないといけない。

 

「あのさ、皆は私の事魔法使いとか思ってない?」


「は? 何を今更、魔法使いじゃなかったら何だというのじゃ」


 やっぱり……皆は盛大に間違えていた。

 ふっ、笑えるね…この私から出ているオーラに気づかないなんて、とんだ鈍感さん達だよ!


「皆さ、私の腰についている物…気づいてる?」


 そう言って右の腰をクイっとつきだしてリップちゃん達に見せつける。

 するとリップちゃんは私の腰をじーっと見てこう言った。


「ふむ…ただの鉄の剣じゃの、それがどうしたのじゃ、ただの量産品ではないか」


「そ…そうだよ! ただの鉄の剣ですが何か! この子はね、晴れの日も曇りの日も私と一緒に訓練してきた相棒なんだから!」


 うー、馬鹿にして! リップちゃんは私とこの剣の血の滲むような努力を知らないからそう言えるんだ!


「雨の日と雪の日は?」


「………………」


「聞こえなかった? 雨の日と雪の日はどうなのって聞いたのだけど」


「いや…その…ほら、雨の日に訓練するとさ…風邪、ひいちゃうでしょ? それに雪の日は滑って転んだりしたら危ないし…家の中でやろうとするとメイド達が物が壊れるから止めろって怒るし……」


 私の言葉で場が沈黙した。

 リップちゃんは唖然とした顔をしているし、カリーナは完全に呆れている、精霊達はなんとも言えないような顔をしてるし、何が悪いって言うんだ!

 私は自分の体調を万全にする努力をしただけじゃないか!


「あのじゃな、まさかとは思うが、アリエルは自分の事を剣士だと言う気か? あぁいやそんなわけないか! ははは」


「いやその通りだよ、正確には魔法剣士、だから私は本来剣がメインの前衛なの! 魔法はあくまでも補助! カリーナと二人の時だって私がずっと前衛だったんだから」


「冗談は止めるのじゃ、お主が魔法使いじゃないならこの世界に魔法使いは一人も居なくなるわ」


 リップちゃんがそう言うと、精霊達が違いないと笑い出した。


「何が可笑しいのさ、私が魔法剣士で前衛なのはカリーナだって知ってるよ」


「そうなのか、カリーナ?」


「ええ、でもアリエルが剣で倒せるのはゴブリンかウルフ位よ。だから評価としては、魔法は超一流だけど剣はへっぽこのなんちゃって魔法剣士ね」


 な…なんちゃって魔法剣士だとぉぉぉ!

 私はカリーナのあまりの暴言によろっとしてしまった。

 言っては何だが私は剣には自信がある、だから今の暴言は聞き捨てならない!


「カリーナは他の剣士を見たことないから私の事をへっぽことか言うんでしょ、言っとくけど、他の人と比べたら私の方が上なんだからね」


「ふーんそうなの」


「じゃあ私の剣筋を見せてあげる、見たあとに私をなんちゃって魔法剣士って言ったこと後悔しても簡単には許してあげないからね」


 私はそう言って剣を振る。

 うーんいい感じ、今なら何でも斬れるような気がするね!

 どうだ! と周りを見ると、リップちゃんが何故か悲しそうにしているんだけど、どうしたんだろ?

 カリーナはやたら慈愛に満ちた目をして私を見てる、ふふ私の実力に見惚れちゃったかな?

 精霊達は此方を見ないでそっぽを向いている、おい、ちゃんと見ろよ、こんな華麗な剣筋滅多に見れないんだからね。


「どう? 凄いでしょ」


「いや、今のを見て解ったことは、アリエルには全く剣の才能が無いと言うことだけじゃ」


「そうね、あれじゃ子供が適当に振ってるのと変わらないと思うわ」


『うむ、俺達もあれはどうかと思うな』


『そうねぇ、あれで剣士なら子供でも剣士になれるわね』


『ぼくも流石にあれは……』


 やってみたらバッシングの嵐とか……。

 どうなってんの? 本当は皆私に意地悪する為にそう言ってるんじゃないの?


『きゃー、アリエル様かっこいいー、魔法も使えて剣も一流なんて私驚いちゃいましたぁ』


 ほう! 見所のある精霊がここに一人居るね!

 私の剣の良さを解ってくれるシルフィードちゃんによしよし、と頭を撫でる。

 ふふ、可愛いなぁ、妹が出来たみたいだよ。


『にゃあ!』


「ふふ、なでなでが気持ちよかった?」


『違いますぅ、アリエル様に強制契約されたんです! やったぁ! 嬉しいなぁ』


 んーアクエスリーネの時といい、私契約なんかしようとしてないんだけど。

 まぁ喜んでるならいいか、特に契約して困ることも無いし。


「アリエル、そんな剣の事より、結界を強化してもらえないかの?」


「そんな剣とは何さ!」


「まぁまぁ、結界を強化したらリップちゃんが格好いい剣くれるみたいよ? それに街も案内してくれるって」


 え? 格好いい剣くれるの? ヤバいちょっと楽しみだわ。

 しかも終われば街に行ける、よし、さっさと終わらせよっと、私は、ずるい!とか、上手くやりやがって!とか言ってシルフィードちゃんに詰めよって謎の争いをしている精霊達に声をかける。


「よーし、皆! 喧嘩は止めて結界を強化してくださいな! なるべく強く、敵が絶対に来れないようなのてお願いね!」


 私が精霊眼を使って頼むと、四人は結界石の周りをぐるぐる回り、何故か結界石が虹色に強く輝き始める。

 そして光が一点に集まり、凄い勢いで上に飛んで遥か上空で弾け、大陸全体に降り注いだ、この時、常闇大陸で始祖精霊の力で強化した最強の結界が発動した。



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