カリーナの初依頼です
あれから私とカリーナは生活用品を買いに行き、その後ギルドに行くことにした。
カリーナも冒険者登録するからね。
「おはようございます」
「おはよう、あらそっちの子は? 初めて見る子だけど」
「この子は私のお友達のカリーナです」
「初めまして、カリーナです。今日は、冒険者登録をしに来ました」
「そうなの、じゃあパーティーも登録しておいたら?」
パーティーか、私も遂にパーティーを作るほどになったんだね。
「はい、そうします」
「じゃあそっちも登録しておくわ、じゃあカリーナさんはこれ書いてね」
「はい」
私は依頼でも選んどこうかな、何が良いかな? 採取依頼が一番いいんだけど、もう無いよね。
うーん、ならゴブリンが良いかな、カリーナは初めてだもんね。
「出来ました」
「はい、じゃあカード発行するから、少し待っててね」
カティアさんが奥に行った。
カード発行は微妙に時間掛かるんだよね。
「カリーナ、長くなるからお茶でもして待とうよ」
「ええ、そうしましょうか」
ちなみに私とカリーナは堅苦しい話し方をするのを止めた。
カリーナが、私達はもう平民だし、これからは一緒に暮らすわけだから止めようって言ったので、普通に喋ることにした、そして私はもうやりたいことを我慢するのは止めることにした。
「ここのお茶美味しいんだよ」
「そうなの? 楽しみね、アリエルとお茶するのも初めてだから嬉しいわ」
中々嬉しいことを言ってくれる。
お世辞でも嬉しいよ私は。
「そっか、でもこれからは一緒にお茶する事も多くなるよ。パーティーだしね」
「ふふ、そういう意味じゃないんだけどね」
ちょっと、その意味深な笑いかた止めてよ、少し怖いから。
「そういえばさ、カリーナは武器なに使うの?」
「私、武器なんか持ったことないわ」
「え? じゃあどうするの?」
「どうしようかしらね」
「え……」
待って、どうするのこれ? 魔法だけじゃ危ないし、私の剣の腕には自信があるけど、守るなんて出来るかわかんない。
盾でも持たせるか? いや、重くて持てないなんて可能性すらあり得る、私は持てなかったから。
あ、そうだ、私一本持ってるしナイフでも持たせよう。
「大丈夫よ、武器無くても」
「ダメだよ、危ないからナイフ位持って、ほら、私一本持ってるからあげるよ」
私はカリーナにナイフを無理矢理渡した。
「ありがとう、大切にするわね」
「いや、ちゃんと使ってね?」
大丈夫かな? 何か大事そうに抱えてんだけど。
ちょっと不安だな。
「カリーナさん、カード出来たから来てくださーい」
「あ、ほら呼んでるよ」
「そうね、貰ってくるわ」
カリーナは席を立ち、受付に行った。
あ、私もゴブリン討伐を受けなきゃ。
私も受付に向かった。
「カティアさん、今日はゴブリン討伐受けますね」
「そうね、カリーナさんは今日が初めてだからいいかもね」
「じゃあ行ってきます」
「私も行って参りますわ」
「ええ、二人とも頑張ってね。」
私達はギルドを出て、城門の方に歩いて行く。
「アリエル、ゴブリンってどんなの?」
「ゴブリンはね、緑で、背が低くて、弱い」
私が最初ゴブリンと戦ったときはあまりの弱さに驚いたなあ。
あれからもう3週間位経ったんだよね。
その内、カリーナと旅でもしてみようかな。まあそれもランクCになってからだけどね、護衛の依頼はランクCからだから。それを受けながら旅をすればいいしね。
「見たことないから楽しみね」
「楽しみにするほど良いものじゃないけどね」
そうして、私達は平原に着いた。
私は辺りを見回してゴブリンを探す。
あ、結構遠いけど見つけた。
「ほらカリーナ、あそこにいるよ」
「あれなの? …何か人の形なのにあの色なのは不気味ね」
カリーナは嫌そうな顔をしてゴブリンを見ている。
大丈夫かなあ。
「カリーナ、戦えそう?」
「ええ、大丈夫よ、任せておいて」
カリーナがゴブリンに手を向けると、ゴブリンの周囲に魔方陣が4つ現れ、そこから黒い槍が出てゴブリンを串刺しにした。
なにこれ!? 詠唱無しで魔法を使ったの!?
あり得ないでしょ……。カリーナ、恐ろしい子。
「カリーナは何で詠唱無しで魔法を使えるの?」
「それがね、私にもわからないのよ、ただ使えるって事が分かるだけなの」
うーん、よくわかんない。
でもカリーナはかなりの戦力になるってことは分かった。
「でもすごかったよ! 頼りにしてるね!」
「ええ、私に任せておいて、アリエルの為に頑張るから」
その後カリーナの実力が解ったゴブリンは止めて、私達は二人で話しながらギルドに戻ってきた。
「依頼終わりました」
「はい、お疲れさま、カリーナさんはどうだったの?」
「凄かったですよ、びっくりしました」
「そうなの? 意外に戦える子だったのね、武器も持てないんじゃないかと思ってたのよ。」
カティアさん勘が鋭いな。
確かにカリーナは武器は使えなかった、でも魔法を詠唱無しで撃てるから、武器なんか必要なかったのです。
「まあ、そう見えるのもしかたないですよ」
「ええ、私はひ弱そうに見えるでしょうから」
見た目はね、ただ実際戦うと確実に勝てないよね。
「じゃあ報酬を渡すわね」
「はい」
「ちょっとアリエル、それ止めなさい」
カリーナが小声で私に話しかけてきた。
「何のこと?」
「その手をすりすりするのを止めなさいって言ってるの、強欲な商人みたいで馬鹿みたいよ」
「そんなことしてた?」
「してたわ、横から見てて唖然としたわよ」
そして私は手をすらないように気を付けながら報酬を受け取って、カリーナに渡した。
今回は私何もしてないからお小遣いとしてあげよう。
「じゃあ私達は行きますね」
「失礼します」
「ええ、また明日ね」
挨拶をして、私達はご飯を食べた。
カリーナはパスタを凄く美味しそうに食べてた。
ちなみに私のドリアも美味しかった。
「じゃあお風呂行こっか」
「そうね、久しぶりにまともにお風呂入るわ」
そう話ながら、私達は歩いて公衆浴場に向かった。
「じゃあ、入ろ」
私は速攻で服を脱ぎ、待っていた。
「アリエル、もう少し慎みを持って行動して、何あの服の脱ぎかたは、子供じゃないんだから、服くらい落ち着いて脱いで」
「ごめん」
「次からは気を付けてね」
怒られたんだけど、まあ確かに落ち着きが無かったことは認める。でもそれだけお風呂が魅力的なんだよ。
だから仕方ないんだよ。
そして、私達は体と頭を洗い、湯船に入った。
「はー、いいお湯だねー」
「そうね、アリエルとお風呂に入れる日が来るとは思わなかったわ」
「そう? まあこれからは毎日だから、慣れてね」
「それは良いことね」
ん?何か最後話が噛み合ってなかったような.。
いや、今はいいや、お風呂を楽しもう。
「あ、そうだカリーナ、私がランクCになったら一緒に旅しない?」
「いいわよ。どこ行きたいの?」
「目的地はないの、その時の気分でいろんな所を旅してみたいなって思ってさ」
「ええ、それは大変そうだけど楽しそうね」
「じゃあ行く?」
「そうね、その時が来たら行きましょう」
旅のことを話ながら、私達はお風呂を上がり、家に帰った。
「まずアリエル、今日1日見て気付いたのだけど、貴女変な所が多いわよ」
「え? そんなことないでしょ?」
「いえ、あるわ、まずご飯の時食べる前に舌なめずりをするのを止めなさい、それとお風呂の時だけど、何で洗髪剤を持っているのに石鹸で頭まで洗ってしまうの? 外にもあるわ…………」
こうしてカリーナの説教は長く続き、疲れた私がダウンしかけると、カリーナが支えながらベッドまで連れていってくれた。
そして、一緒の部屋で眠りに着いた。




