初めての採取依頼です
カティアさんに不審者の話を聞いた後、私はいつも通り依頼を受けていた。
今日の依頼はアムベリーを出来るだけ沢山採ってくるというものだ、採ってくる数が曖昧なのは、どれくらい採れるか分からないかららしい。
アムベリーはアムベリーの木に成る、赤くて丸い果物で、味は甘くてちょっと酸っぱい、子供のおやつにもよく出るそうだ。
私も前に食べたことあるけど、何か癖になる味だった。
私は今、森にいる。
だけど、探す必要は無かった、アムベリーはその辺に沢山成ってたから。
これは楽だなー、と思いつつ持ってきたカゴにアムベリーをどんどん入れる。
よし、一杯になったからギルドに持っていこう。
私は一杯になったカゴを背負い、中身が落ちないようゆっくり歩いて、街へ向かう。
「依頼のアムベリーを持ってきました。」
「お疲れ様、アリエルさん、じゃあ依頼のアムベリーとカード、依頼書を預かるわね。」
「はい、どうぞ。」
私はカティアさんに背負っていたカゴを渡し、カードと依頼書を袋から出し、渡した。
「うん、完璧ね、これなら追加報酬も渡せるわ。」
「追加報酬なんてありましたっけ?」
「ああ、追加報酬は、採取系の依頼にしかないからね、この追加報酬っていうのはね、持ってきた物の質や量が多かった場合に出るものなの。冒険者も良いものが採れれば追加報酬が出ると分かっていれば頑張るでしょ?」
なるほど、良くできたご褒美みたいなものか、確かにそれなら頑張ると思う、どうせ報酬もらうなら沢山貰いたいもんね。
「良く出来たやり方ですね、これなら冒険者も喜ぶし、依頼人も追加報酬を渡せば質が良いものや、予定より量を多めに貰えますもんね。」
「まあそういうことね、だから採取系は人気あるのよね。」
それは分かる、だって採取系の依頼はいつも無いもんね。
この前だって楽そうな依頼だラッキーって飛び付いたら罠だったしさ。
「私も初めて受けましたし、討伐よりは命の危険が少ないですからね。人気なのも分かります。」
「そうね、この前のは罠だったしねぇ、そう考えると確かに初めての採取依頼ね。」
あ、カティアさんも覚えてたんだ。
まあ、忘れないか、結構インパクトある事件だったもんね。
「ええ、でも採取依頼って結構楽しいですね、討伐みたいに殺伐としてませんし。」
「そうね、アリエルさんには採取依頼の方が似合っていると思うわ。戦うと泥だらけで帰ってきたりするし、心配だしね。」
泥だらけって、一回だけだよね? まさか他にも泥だらけの日があったとか?
「そうですか? 確かに自分でも討伐よりも、採取系の方が合うと思いますけど。」
「でしょ? 私としては採取だけにしてあげたいんだけど、無理なのよねぇ、アリエルさんは討伐を選り好みで選ばないから、ギルド員として、結構重宝してるから。」
私って結構評価高いよね。でも私は選り好みしてない訳じゃなくて、珍しい依頼が無いときは、適当に選んでるだけなんだよね。
「まあ、依頼はこれまで通り討伐も受けますから、任せてください。」
「頼もしいわね。じゃあこれ報酬ね、ちなみに追加報酬も入ってるからね。」
「ありがとうございます。ではまた明日来ますね。」
「ええ、待ってるわね。」
私はカティアさんから報酬を受け取り、袋に入れて、ご飯を食べに行く。
今日のご飯は、焼き魚です、シンプルだけど美味しい。
やっぱり焼いた魚には塩って感じ。
とても満足した。
次はお風呂に行こうと、外に出て歩き出す。
大通りを歩いていると、珍しいものを見つけた。
エルフだ、初めて見た、珍しいねこんな所にいるなんて。
エルフは、森の民と言われていて、メーガス大森林にある、エルフの里からは滅多に出ないって聞いてたんだけど、買い物にでも来たのかな?
まあ、私には関係ないか、お風呂に行こっと。
お風呂に着いた、早速行きますか。
私はいつも通りお風呂に入り、まだ時間があるなと思い、道具屋に行ってみることにした。
ここが道具屋かな。
道具屋は、煉瓦の家に、店の周りに花が植えてある花壇が並んでいる、綺麗な店だった。
感心しつつ中に入ると、また内装が良い感じ、商品も見やすいしね。
とりあえず近くに置いてあった水筒を手に取った。
これ、花柄で可愛いな、幾らかな……2000ガルか、安いから買っちゃおう。
私は一応、他にも良いものないかなと探したが、これといって無かったから、お会計をして、店から出た。
空を見ると、もう暗いなと思い、さっさと帰ることにする。
家に着き、鎧を脱いで洗濯を始める、それが終わり、次は鎧を磨いて明日は水筒を持っていこうと袋から出してテーブルに置く。
その後は、採取依頼の時に少し自分用に採ってきたアムベリーを食べて、寝ることにした。




