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東方楽々記  作者: COPPE
第四章 竹林の奥の怪しい建物。つまり永遠亭
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子どもの時のほうが物覚えがいい

そうだ。私だ!




「じゃあ、ここからここまで。覚えるわよ」

「えー。難しそうだよ……」




楽冶がテーブルに向かい、永琳がその横に座っている。


楽冶の目の前には、永琳がどこからか取り出した、ぶ厚い本があった。

その本の名前は「薬の全て」(これから含む)




「ゆっくりでいいから。それに、一回で覚えろとは言わないわ」

「でも……」

「それに……一日頑張ったらご褒美あげるから」

「本当!?」

「ええ。本当よ」

「じゃあ頑張る!」




そう言って楽冶は、本を読み始めた。

因みに本の名前の「薬の全て」というのは、元もとの名前であるが(これから含む)というのは、永琳が書いたものである。


それはつまり、永琳が、本に載っていない薬を作った際、レポートをこの本の最終ページにとめていっているからである。




「分からないことがあったら聞くのよ?」

「うん!分かった!」




永琳も暇ではない。足りなくなった薬の補充や、新しい薬の開発など、やることは沢山あるのだ。


だが、自身の机に向かった永琳は、すぐに楽冶に呼ばれる事となった。




「えーりんお姉さん」

「何?どうしたの?」

「これ……読み方が分からないよう」

「えーとこれは……腹痛ふくつうね」

「じゃあこれは?」

「……せきよ」




知識が、見た目レベルにまで、落ちてしまった楽冶は、殆どの漢字が読めなかったのである。


だが、そんな楽冶にも、永琳は甘くなかった。




「楽冶。次からはこれで調べなさい」

「これ……何?」

「辞典っていって、調べ物をするためのものよ。漢字が読めなかったら漢字辞典。意味が分からなかったら国語辞典を使いなさい」




辞典の使い方を説明すると、永琳は、また自分の机へと向かった。













「楽冶。今日はそろそろ終わりよ」





永琳が声を掛けると、楽冶は顔を上げた。




「どこまでいけたの?」

「えーと……ここまで!」




楽冶が指差したところを見ると、永琳が言っていたところより、だいぶ進んでいた。




「あら?こんなところまで進んだの?」

「うん!頑張ったんだよ!」

「じゃあちょっと復習してみましょうか」




永琳が本を持ち、楽冶に問題をだす。


楽冶は、永琳の問題を全部答えてしまった。




「楽冶……」

「なあに?」

「……凄いじゃない!」

「わわっ!」




嬉しかったのか、また楽冶に抱きつき、そのまま持ち上げた。




「じゃあ約束通り、ご褒美あげましょうか」

「いいの!?」

「ええ。楽冶頑張ってるから」

「わーい!」




永琳は、楽冶を抱っこしたまま、居間へと向かった。













居間に着くと、そこにはてゐがいた。




「あれ?お師匠どうしたの?」

「楽冶にお菓子でもあげようかと思って。今日は勉強を頑張ったから。ねー」


「うん!」

「お師匠が……ねー って……」




永琳と楽冶の会話を聞いて、てゐは頭を押さえた。

頭痛が酷くて。




「てゐ。何かお菓子あったかしら?」

「あー。饅頭があったんじゃないかな。戸棚のとこ」

「取ってきてくれる?」

「えー……分かりました。行きますよ……」




永琳が 私は楽冶と一緒にいるから オーラをてゐに向かって出すので、てゐが取りに行くしかなかった。




「はい。これでいい?」

「ありがとう。てゐ。ほら。楽冶もお礼言って」

「てゐお姉ちゃんありがとう!」

「まあ……うん」




それだけ言うと、てゐは立ち去ろうとしたが、永琳に呼び止められた。




「てゐ。相談があるのだけれど」

「お師匠が?珍しいね」




楽冶が必死に饅頭を頬張っている横で、二人は話し始めた。




「相談って?」

「実は……あなたが楽冶を運んできたときがあるでしょ?」

「あー。あったね。そんな時も」




懐かしむような口調で、てゐが言う。




「その時に……何ていうのかしら。楽冶の口に食べ物を持っていってあげたじゃない」

「うん。それがどうしたの?」

「本音を言うと……私は友達がどんなものなのか気になったのよ。だからてゐに変わってもらったの」

「……へえ」




てゐは、「嫌な予感がするなぁ……」と思っていたが、顔に出ないように気を付ける。

いつもなら、そんな事にも気付きそうな永琳だが、考えていることが恥ずかしいのか、気付いていないようだった。


そして言う。




「だから……今度は 恋人 っていうのが気になるのよねえ。どうしたらいいかしら」




だが悪い予感というのは当たるもので。


やっぱりか。と思う、てゐであった。


いや。本当にいきなり3連休するとは…

申し訳ないです。




初小説だから最後まで何とかやりたいですなぁ…

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