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東方楽々記  作者: COPPE
第四章 竹林の奥の怪しい建物。つまり永遠亭
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先手必勝とはこんなもの

てゐ見たいな長生きだけど幼女体形はロリというのか。


この疑問に正解はない




永遠亭の居間では、八つの目が睨み合っていた。

もちろんそれは、永遠亭の主要メンバーの四人である。


てゐと一緒に帰ってきた楽冶は、筍を掘っていたせいで、全身泥だらけだった。ここで始まるのは


楽冶と一緒にお風呂に入るのは誰か


という非常に簡単なものであった。




「やはりここは、家主である私と一緒に入るべきだわ」




一応ここの第一権力者である輝夜が、強引に楽冶と一緒に入ろうとする。




「いいえ。姫様にもこれは譲れません。ここのメンバーでは私が一番母性があると思います。私と入るべきです」




永遠亭で、最もふくよかな身体をもつであろう永琳が、少し胸を強調しながら言う。




「いくらお二人といえど、私だって引く気はないです!永遠亭の家事をしている私なら、一番上手くいくハズです!」




さらに鈴仙は、日頃色々な家事をしているため、こういうのは得意だと主張する。


だがてゐは




「(うわあ。私……何もないよ)」




この状況でてゐには、権力もふくよかな身体も、家事スキルも何も無かった

いつもは色々としてもらい、楽なてゐであるが、この時ばかりは己を恨んだ。




「(もっと……色々やっておけばよかったかなぁ……)」




先ほど、先手を打つのに成功したから、大いに利用しよう。などと思っておいて、いきなりこれとは情けない。

三人が言い合いをしている間。何か打開策がないかと、いつも悪戯に使っている頭をフル回転させた。




「(うーん……どうにかして三人を納得させる方法ねえ……)」




口で説得するのは無理だろうし、実力行使も不可能。

だが、てゐのずる賢い頭は、すぐに最善手を導き出した。




「じゃあこうするウサ」




三人が一斉にてゐの方を向く。




「楽冶に決めさせればいいウサよ」




間違いなくこれは、何かを企んでいる言い方だった。
















「てゐお姉ちゃんとがいい!」




結局てゐ以外の三人は、これ以上にいい案が思い浮かばず、楽冶が決めるならそれに従おう。


ということで治まり、先ほどまで部屋の外で遊んでいた楽冶に聞くと。このような答えが返ってきた。




「ウッサッサッサッサ」

「てゐ。あなた……」

「約束は約束ウサよ?」

「そうね……」

「うう……くやしい」




この方法では、てゐの勝率が一番高かった。

その理由は、楽冶が小さくなり、前の記憶が無くなってから、一番長く一緒に行動したのが、てゐだからである。


永琳は、楽冶に感謝こそされたものの、その場で倒れてしまったので、楽冶にとってそれはマイナスであろう。

だが(可愛くなった)楽冶に倒れず、一緒に外で遊び、色々な事を教え、最後には手を繋いで帰ってきたのだ。




このことから、自分に一番懐いていると踏んだてゐは 楽冶に決めさせる という案をとり、見事成功させたのである。




「てゐお姉ちゃん!早くお風呂はいろー?」

「そうだね。いこうか」




近寄ってきた楽冶の手を取った瞬間に、空気が変わる。

だがてゐは、それをものともせずに進み襖を開けて




ニヤリ




と。閉める瞬間に、したり顔をして襖を閉めた。




「「「…………」」」」




その笑いを見た三人は




「「「・・・・・・く!くやしいいいい!」」」




声自体は違うけれど、同じ感情を込めた言葉を叫ぶのだった。












「ほら。染みるから目を瞑って」

「う?」

「そうそう。泡が流れるまでは開けちゃダメだよ?」

「(コクッ)」




小さい子には難しい、頭洗いをてゐが楽冶にやってやる。

その泡を流す際にも注意を忘れず、完璧に楽冶の姉となっていた。




「うう~」

「まだ開けちゃダメ!目に泡が入ると痛いよ?」

「じゃあ……我慢する」

「楽冶はいい子だねぇ。じゃあ最後の一回流すよ」




普通に見れば、微笑ましい姉弟のような感じだが、覗きに来た他のメンバーからすると、てゐが何を考えているのか分からず怖いものがあった。


だがそれ以上に




「「「(うらやましい……)」」」




ただ単に小さい楽冶を見たかっただけでもあるが。




「ほら。まだ拭いてないから」

「えー」

「風邪ひくよ?風邪ひいたら外で遊べないよ?」

「う……分かった」




まだ幼い楽冶の体をてゐが拭いていく。

楽冶の体を拭き終わり、服を着せてから、てゐは服を着だした。




「楽冶。大丈夫?眠たくないかい?」

「ちょっと……眠い……かも」




この会話は残り三人のところまで、届いていた。

もちろんその三人は




「(私が一緒に寝る)!」



と思っているが。


だがてゐは、それを見透かしているように




「じゃあもう寝ようか。一緒に」

「うん……そうする」





楽冶と一緒に寝床へと向かってしまった。




「「「…………」」」




残った三人は、沈黙するしかなかった。



てゐの策略はさすがです。


子ども楽冶をどのようにするか・・・

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