初めての罠
夜勤終わったあああ!
キツかったぜ…
それではてきとーコンビのてゐ√いきましょう
「さてさて、どうしようかな……」
先ほど一人勝ちし、楽冶の一人占めに成功したてゐは呟く。
成功して外に連れ出したのはいいのだが、子ども楽冶が純粋なため、何をしていいか分からずにいた。
「てゐお姉ちゃん。これがタケノコー?」
「うーん……そうだね。見つけるのが上手いねえ楽冶は」
「えへへ」
照れた顔も、普段の楽冶とはかけ離れた可愛さで、さらにどうすればいいか分からなくなる。
とりあえず筍の探し方を教えて、時間稼ぎをしているので、考える時間は確保できた。
あとは他の皆に見つからないように、祈るばかりである。
「本当に……どうするかねえ」
無邪気に筍を探す楽冶を尻目に、聞こえないように溜め息をついてみる、てゐだった。
私と楽冶の出会いは結構早いらしい。
「ウササ。何が落ちたのかな?」
何かが罠にかかったようなので、見に行ってみると、人間が一人落とし穴に落ちていた。
「いってえな……誰だ?こんなとこに落とし穴作ったのは」
「何だ、人間か」
「ん?」
正直人間が落ちると思っていなかった私は、思わず呟いてしまった。
その声に反応してか、落ちていた人間が私の方を向いたため、目が合う。
「あ」
「おお。そこの兎よ。助けてくれ」
いきなり兎に助けを求めるとは、ギャグなのか。それとも私が話が分かる兎だと知っているのか。
どちらでも構わないが、とりあえず
「じゃあね!」
犯人が私だとバレる前に逃げた。
少し時間がたったので、やはり少し心配になった。
私は妖怪だが、殺すのはあまり好きではない。
兎たちは人間に捕まって食べられることがあるが、それは弱肉強食の世界なので仕方がない。
だが、優しい人間は殺したり、食べたりせずに逃がしてくれることもある。
私は人間でいえば、そちらの部類なんだと思う。
色々考えながらも、先ほどの穴に……
「あれ?確かこの辺りだったと思うんだけど……」
思った場所に落とし穴が無かった。
私が間違えることはないと思ったんだけど……やっぱり考え事をしていたからかな?
「じゃああっちかな?」
そう言って、足を踏み出した瞬間。
ズボッ
「ウサアアア!?」
足元の感触が無くなって。目の前が暗くなった。
目を覚ますと、私は知らない場所にいた。
周りを確認するために、布団から起き上がり周りを見渡す。
窓から外を除いてみると、私の住処でもある迷いの竹林が見えた。
ここがどの辺りにあるのかは分かったが、この家の主を私は知らない。
「おはよう。兎」
考えていたら、扉を開けて人間が入ってきた。
「誰?」
「お前の作った落とし穴に落ちたやつだよ」
言われてよく見れば、確かに先ほどの人間と同じように見えた。
当人がそう言っているのだから間違いないだろうが……
「それは災難だね」
「おいこら。ここまでお前を運んだのは俺だぞ」
「ありがとうウサ」
運んで寝かせてくれたらしいので、一応お礼は言っておく。口先だけだが。
気になったのは私がどうなってたかである。
「聞きたいんだけどさー」
「ん?何だ?」
「私ってどういう状況だった?」
「落とし穴に落ちて気絶してた」
やはりか。
悪戯稼業をしている自分が引っかかるとは、情けない。
しかし一つ気になる事がある。
私は自分で仕掛けた罠の位置は、完全に把握しているハズだ。
つまりあの落とし穴は、自分以外の誰かが作った事になる。
「いったい誰があの落とし穴を……」
「ああ。それは俺だ」
はい?
思わず私は人間の方をみた。
「何だって?」
「だから、その落とし穴作ったのは俺だ」
犯人は目の前にいた。
…………
「ウサアアア!!!」
「はっ!そんな攻撃当たらんわ!」
飛び掛ったのはいいものの、頭を手で押さえられてしまった。
リーチの差で全く届かず、腕を振り回すしかできなかったため断念。
「ハァハァ……」
「どんだけ疲れるの早いんだよ……」
「私は運動は得意じゃないんだよ……」
悪戯する為なら全然苦痛じゃないけど。
「それよりさ……」
「今度は何だ?」
「いつの間に落とし穴作ったのさ。私が把握してない場所に罠を作るなんて、結構凄いよ?」
「いや。あれはお前の罠だぞ?」
「え?」
いや、私はあんなところには……
いや。作ってた?そういえば、さっきは間違えたと思ったけど、本当はあそこにこの人間が落ちていた?
「まさか……」
「正解!!!」
「まだ何も言ってないのに!?」
悪戯好きな腹黒兎が罠にかけられたのは、この人間が初めてであった。
あれ?てゐ√って難しくない?
何で書いてるんだろ…
まぁ、いっか




