紅魔館(奴隷)生活開始
紅魔館の方々の奴隷とか…
なりたいわ…
「そこはこうやったほうが楽よ?」
俺は咲夜と朝食を作っている。
俺も基本的には自炊しているので料理は得意な部類なのだが、やはり咲夜には敵わない。
なので一緒に作りながらも咲夜に気づいたところ等を教えてもらったりしながらやっている。
それにしても素晴らしい方である。
料理中に無駄な動きは見当たらないし、色々なことをやりつつも俺の料理の仕方も見ている。
さすが完全で瀟酒なメイド。
因みに咲夜曰く「お嬢様は甘いのがお好き」らしい。
特にカレーはバー○ンドカレー甘口確定とのこと。
確かにあのカレーは甘いが……子ども向けの甘さじゃなかったか?カレーの時はカリスマがないのか?
今まで朝食朝食いってきたがレミリアは吸血鬼なので夜行性。
つまり俺らの朝食が夕食でそれから睡眠タイムとなる。
美鈴は妖怪だが昼寝率が高いので不規則生活。一応朝飯=朝飯であるらしいが。
とりあえず今回は俺がレミリアを呼びにいくらしいので迷わないように気をつけつつ部屋へと向かう。
美鈴。ご愁傷様。
コンコン
「入っていいわ」
「失礼します。お嬢様。食事の準備が整いました」
「分かったわ……似合わないわね……」
「……いわないでください」
一応奴隷(否認)なので畏まって言ってみたのだが不評らしい。
まあいつもがいつもだしな……
レミリアから「無理して敬語使わないでいいわ」と言われたのでいつもの口調に戻すことにする。
「レミリアー。飯行くぞー」
「ホント……変わり身は早いわね」
「素に戻しただけだからな」
基本的に素のほうが楽なので万々歳である。
「夕食は何?」
「カレーだ。お前に合わせたんだぞ?」
「あら?楽冶が作ってくれたの?」
「まあ咲夜と一緒に作ったんだ味には自信があるぞ?」
「ふふ。楽しみにしてるわ」
レミリアと話をしながら部屋の扉を開けて二人で中へと入っていった。
これで咲夜から言われたミッションは完了だ。
さていまから掃除である。
レミリアは朝食(夕食)が終わったので睡眠中。
去り際に
「楽冶。フランが不規則な生活をしてるから直してあげてちょうだい。あの子はあなたに懐いてるから」
と言われたので掃除後にはフランの部屋へ向かうので早く終わらせたい。
最近のフランは絵本にはまって寝る時間が決まってないのだとか。
掃除中の咲夜は自分の仕事をしつつ妖精メイド達にも指示を出さなければならないので大変らしい。
なので俺は割り当てられた仕事「隙間のゴミ取り」を開始することにする。
……地味である。床の隙間とかに針をいれて穿り出したりするこの作業。
超地味でイライラするのである。しかも結構ゴミが溜まっている。多分人手と時間が足りなかったのだろう。
だからお手伝いの俺に一任したんだな……
ぶつぶつ言いつつ他の場所も掃除していきこれで五部屋目。
咲夜に「他は終わったからここまででいいわ」と言われたので少し急ぐ。
チクチクチク。ピッ。ピッ。チクチクチクチク。ピッ。
このよく分からない擬音の作業をやっと終わらせることに成功する。
さて掃除は終わったことだし久しぶりにフランに会いに行かなきゃな……
地下に行くと扉がある。
その扉の中にレミリアの妹フランドール・スカーレットがいる。
彼女は「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」をもっており少々危険なのだが……
「あっそびにきったぜー!」
普通に入る。なぜなら……あれ?フランがいないぞ?
どこに「どーん!」ぐはっ!!!
「お兄様久しぶり!」
「……フラン。何回も言ってるが思いっきり飛びつくのやめてくれ。俺は人間なんだぞ?」
「えっ?お兄様人間だったの?」
「知ってるでしょ!?」
フランとは一時期よく遊んでいたりしたからである。
だがこの子。お兄様と慕っているようだがさっきのようにさりげなく罵倒したりする。
まったく誰に似たんだか……
「お兄様。今日はどうしたの?」
「ん?いや俺は一週間ここで働くからさ……」
「!……じゃあお兄様フランと一週間も遊んでくれるの?」
「それは分からないな。他にもやることが……」
「ダメなの……?」
フランのうわめづかい!
らくやのせいしんに999のダメージ!
らくやはいいなりになってしまった!
「……一週間遊ぼうか」
「ホント!?わーい!!!」
まあ昔はあんなだったフランがこんなに笑ってくれるのなら、例え過労死しそうになっても会いにこようと思った。
「じゃあ今からフランの指導を始めます」
「えー」
「えー」といわれても困る。今回の目的はこちらであって遊ぶことではない。
レミリアに言われたのだから指導優先である。
「とりあえずフランは絵本を読みすぎだ」
「だっておもしろいんだもん」
「読むなとは言わない。ただ量に気をつけないといけないだけだ」
絵本にはまっているとは聞いていたがすごい量であった。
毎日大図書館から借りてきては読んでいるらしい。
その後ちゃんと返しているので誰かさんよりは常識的なのかもしれない。
「だれなんだぜ?」お前は呼んでいない。
「じゃあフラン。この一週間は俺が本を読んでやるよ」
「いいの?」
「ああ。そのかわり生活をしっかりと改善していくんだぞ?」
「うん!分かった!」
うむうむ。素直なのはよいことである。つい嬉しくて頭をなでる
「えへへー。久しぶりにお兄様になでて貰っちゃった」
「フランはなでられるの好きだったからな。つい思い出してなでちゃうんだよ」
「えへ。ぎゅー」
「おいおい。そんなに抱きつくなよ……」
相当嬉しかったのかフランはそのまま抱きついてきた。
まあ久しぶりだからいいかと思い、口ではあんなこと言いつつ抱き上げてやる。
「明日からよろしくね。お兄様」
「ああ。よろしくな。フラン」
静かになったのでなでるのをやめるとフランの規則正しい呼吸が聞こえる。
つまり……
「寝ちまったか……」
いつから起きてたのか知らないがフランは寝てしまったらしい。
不規則な生活を直しにきたのにこれではいけないのだが……
今日まではいいかと思いベッドに運ぶことにする。
フランをベッドまで運んだのはいいのだが服を握ったまま離さない。
だからといって無理矢理外すと起きそうなので
「はあ……ま。いっか。」
とても安らかな顔をして眠るフランを見て離すまでここにいてやろうと思う俺であった。
フランちゃん登場しました!
作者はロリコンじゃないですよー