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東方楽々記  作者: COPPE
第三章 帰っても休まる場所がない
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私の気持ちは花にのせて

まさか本当に金、土に書く暇が無かったとは・・・




幽香√最終話です。

皆さんも花をもらったら嬉しいですか?




結局昨日は、幽香が花の世話。俺が部屋の掃除。と分かれて作業を終わらせた。


目に見える場所は本当に綺麗なのだが、見えないところは手をつけてないらしく結構大変だった。




「昨日で全部終わったのかしら?」

「終わらせたよ。誰かさんが手伝ってくれれば、もっと早く終わってたのにな」

「花の世話があるのは仕方ないじゃないの」




それもそうだ。

二人でしていても結局は遅くなっただろう。それで花の世話が遅くなってしまうのを幽香が許す訳がないし、俺もそれは嫌だ。


まあ、どうにか掃除の方も終わったのでよしとしよう。




「じゃあ今日は花の世話に専念できるわね」

「昨日結構やったんじゃないのか?」

「昨日はいつもと同じ事しかやってないわ」




何故……

俺の問いに、幽香は少し顔を赤くして




「……あなたと一緒に花の世話をするためよ」

「一人でできただろうに……」

「……はあ、もういいわ。あなたに期待した私が悪かったわ」

「酷い言われようだな!?」




だって実際そうじゃん!

幽香なら一人でできただろ!




「だからもう気にしなくていいわよ。さっさと花の世話行くわよ」

「……分かったよ」




若干不機嫌そうな幽香につられ、庭へ出向く俺であった。














「この肥料でいいよな」

「ここはこの土か?」

「ちょっとこの部分が……」




幽香と一緒に花の世話を始める。

こういう時に、お互いの行動を一致させなければ、逆に要領が悪くなってしまうので結構大変だ。


基本は幽香がやっているのに合わせるので、幽香が世話しようとしている花に必要な土や、肥料を持ってくることが多い。




「意外ね。あなたみたいのでも、やったら覚えるのね」

「何に呆れたの!?いいことじゃねえか!」

「もっとオドオドしてくれないと弄りがいが無いじゃない」

「無くていいわ!」




そうこうしてる内に、雑草などは殆ど取り、害虫の駆除も終わった。


あとは……




「ここはこういう風にするのよ」

「なるほど」




根の調整だ。

風で土が捲れてしまったり、根が発達しないもの。逆に発達しすぎて他のものから栄養をとってしまうもの。


それらをしっかりしないと、本当に綺麗な花は咲かない。

俺は今までしっかりと習ってなかったので、今回教えてもらっている。


俺も家では花の世話をする身。やるからには綺麗な花を咲かせたい。


……だが。




「もう二時間も話聞いてるだけなんですけど!?」




幽香が教えながらやってしまうので、俺の練習ができない。

それにここの花畑は、幽香が毎日世話をしているので、あまり変な根は無く、すぐに終わってしまった。




「おい……」

「まだあっちに三本くらいあったわ。それでやってみて頂戴」

「本当かよ……あ。マジだ」


しかも本当に三本ピッタシ。さすが幽香。


さて、作業開始。




「違う!」

「ひいっ!」

「そうじゃないでしょ!」

「うおっ!?」

「何回言えば分かるの!?」

「すいません!!!」




幽香直伝の技は、そう簡単にできるものではなかった。














「今日はお疲れ様」

「お疲れ……」




何とか終わらせて帰還。

チルノ達には三日と言ったらしいが、心配なので我が家に帰った。


家に入るが、誰もいない。




「やっぱりいないのかしら?」

「お前な……」




自分でやったことに責任持てよ。

……俺が言えることじゃないけど。




「まあ少し掃除しますかね」

「待ちなさい。楽冶にプレゼントがあるのよ」

「プレゼント?何それドッキリ?」

「殴るわよ?」

「いや冗談だって!」

「こっちも冗談よ」




それはよかった。

安堵していると、幽香に赤い花を渡された。




「これ。ちゃんと室内でもできるようにしてるから」

「……チューリップ?」

「本当は向日葵にしたかったんだけれど……まだ咲かないから仕方ないわ」




確かに今は春。咲かないのは仕方ないだろう。

それは分かるが……




「何故チューリップ?」

「少し考えてみなさいな」

「うーん……ヒントくれないか?」




さりげなく聞いてみる。

返ってきた答えは













「私の気持ちよ」

















それだけだった。

幽香の気持ち?




「ん?うーん……」

「分からないようじゃまだまだね」

「う……いずれ分かるからいいんだよ!」

「そう。いずれ……分かって頂戴ね」




それで幽香は黙ってしまった。

いったい何なん「楽冶っ!」


チルノの声が聞こえる。




「チルノ。ただいまーってあれ?大ちゃんのとこじゃないのか?」

「楽冶っ!これ!これあげる!」

「ん?」




急に現れたチルノから貰ったのは……小さくて青い花。


これは……




勿忘草わすれなぐさか?」

「うん!やっと咲いたんだ!」




そういえば、幽香に教えてもらってから世話してたんだっけ?


勿忘草だったのか……なんというか




「チルノみたいで可愛いな」

「えへへ」




褒めると照れるような動きをするチルノ。


そこでもう一回ドアを開く音。




「楽冶!私のも咲いたの!」

「ルーミア?お前も育ててたのか?」

「楽冶は知らなかったと思うけど、封印が解けてた時に幽香に教えて貰ってたの!」




封印が解けるくらい嬉しかったのか?

そんなルーミアから渡されたのはクロッカス。




「これは渡すような花じゃなくないか?」

「いいのよ。私の気持ちだから……って。チルノは勿忘草だよね?そのチューリップは?」

「これか?これは幽香からの贈り物だが」

「「え?」」




チルノとルーミアの声が重なる。


そして




「あなた達……」




一人怒ってるであろう方がいらっしゃいました。




「もう少し考えて渡しなさい!何で私と被るのよ!!!」

「「ごめんなさ~い!!!」」




二人が逃げるのを見て思う。

絶対にこの花を大切にして、意味を知ろうと。


幽香を見て思う。

今日は……気絶しなくてよかったなあ。と。



























花言葉

赤いチューリップ 愛の告白

勿忘草 誠の愛

クロッカス あなたを待っています


今回の花言葉は色々調べた結果です。サイトによって違うかもしれないので、


これは違うよ!


ってことは無い・・・と思います。




因みに私の見た、向日葵の花言葉は 


あなたを見ています


らしいです。幽香さんは、いずれ向日葵も渡すかもですね。

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