気絶したら直前のこと忘れるよね
夜勤で寝不足ですが、何とか。
幽香さん√はそろそろですかねぇ・・・
「やあ楽冶。今日はどうしたんだい?」
「幽香に……」
「帰れ!」
久しぶりに彼岸に行き、帰ってきたころには朝だった。
窓から差し込んでくる太陽の光がとても眩しい。
寝る前にはカーテンは閉まっていたはずなので、今隣にいない幽香が、起きたときに開けていったのだろう。
俺を起こすために。
「しょうがない。起きますかね」
独り言を言って立ち上がる。
……そういえば、何で俺は彼岸まで飛んでったんだっけ?
「おはよう幽香」
「あら。おはよう。遅かったじゃない」
「何か知らんが彼岸まで飛んで行ってたからな」
そう言うと幽香はこちらを見て
「自分で考えなさいな」
「いや無理だろ……」
「考えなさい」
「……はい」
うーん……何がどうしてそうなったのか……
「とりあえず朝食食べましょう?冷えてしまうわよ?」
「おっと。そうだな。頂くとするか」
風見家での朝は洋食が多い。
今日の朝食も、クロワッサン等のパンや、スクランブルエッグなど。洋食が並んでいる。
「絶妙な味付けだ……」
「パンなら人里の職人を褒めてあげなさいよ」
「いやいや。これも美味いぞ?」
「お褒めの言葉と受け取っておくわ」
さらっと流されたようだが、幽香はあまり褒められたりすることに慣れてないからな。
少し恥ずかしい気持ちがあるんだと思う。
もっと喜んでくれてもいいのにな。
朝食を食べ終われば、食後のコーヒーがでてくる。
結構な美味しさで、飲みながら一息つくのが風見家スタイル。
「ふう」
「それで……」
「ん?」
「朝の疑問は解決したのかしら?」
あー。そんなこともあったな。
「いや。よく覚えていない」
「じゃあそのままでいいわよ」
「ちょっと思い出せそうなんだよな……」
なんだっけなー。
幽香が
「もういいわよ」
と言ってくるが、もやもやしてるから嫌だ。
「あー。お?」
「何か思い出したの?」
「いや……結婚?」
ないだろ。
自分で考え問いて何だが、絶対無いだろ。
バタッ
何かが倒れた音がする。
見ると幽香が、テーブルに突っ伏していた。
「……どうした?」
「どうして……」
「は?」
「どうしてピンポイントなのよ!!!」
拳が迫る。
「のわっ!危ねえ!」
「楽冶!私はまだ気持ちの整理がついてないから!ちょっと眠ってて!」
「意味が分からん!何にそんなに怒ってるんだ!?」
「あなたの鈍感さによ!」
俺ってそんなに鈍感なの?
鋭いとは言われるけど……
……幽香に何言ったらこうなったんだっけ?
……結婚?
「いや~……結婚は無いだろ」
「っ!楽冶……」
幽香が静かになる。
あ。これはヤバい……
「掃除は午後からでいいわ」
何回気絶すればいいんでしょうかねえ……
しぶとく復活した時には、幽香の機嫌が戻っていたのでよかった。
……気絶する前のことは、幽香が機嫌悪かった。
ってことしか覚えてないのだが。
「まあ、とりあえずここの後ろをだな……」
「そう。頑張って」
「いや……手伝って?」
「しょうがないわねえ」
あなたの家ですが。
基本見えてるところしか掃除しないから、俺が来たときは細かなところまで
やるんじゃなかったのか?
まだソファの下とかベッドの下とか、色々残ってるんですが。
「あなた。やってくれないのかしら?」
「いや、お前が物退けてくれよ。力あるだろ?」
「そこら辺の女心分かってないわよねえ……」
「仕方ねえだろ!俺は人間なんだよ!」
どうにか幽香を動かす事に成功する。
毎回毎回、同じようなやりとりをしているような気がしてならない。
「はい」
「いや。退けたから仕事終わった。みたいな顔するなよ」
「終わったじゃないの」
「終わってねえよ!お前も掃除するんだよ!」
「しょうがないわねえ」
何回言う気だ!
この会話から分かるように、幽香は結構めんどくさがり屋だったりする。
必要な時は手を貸してくれたり、手伝ってくれたりするのだが、自分の興味
の無いことには何時もこんな感じだ。
「ほら。さっさと終わらせて花の世話にいくぞ?」
「そうね。花の世話をするために頑張りましょう」
掃除が終わるのは何時になるのやら……
毎週土日はバイト8時間で危ないんですよねー。
雨めんどいです。小傘ちゃんと会えるなら別ですが




