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東方楽々記  作者: COPPE
第三章 帰っても休まる場所がない
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初めて言われると分からなくなるものです

事故って予定が狂った作者です。


今ゲーセンに逃げました





「おーす。来たぞ幽香ー」

「あなたねえ……」




次の日楽冶は来たのだが、第一声がこれだった。




「一応女性よ?簡単に名前で呼ぶのはどうかと思うわ」

「何だ?じゃあ何て呼んでほしいんだ?」

「風見様でいいわよ」

「えー」




いやまあ、本当にそんなことは思っていないが。


それにコイツが呼ぶとも思わない。




「風見様ー」

「…………」

「どうされました?風見様ー?」

「……やめてくれる?」




呼んできた。

しかし何だろう。虫唾が走る……




「風見様がそう呼んでって言ったんじゃないですか」

「そう……だけど」




まさか本当に呼ぶとは思ってなかった。


昨日のように、軽いノリで言ったものだが、楽冶はそういうのをとことん楽しむ性格のようだ。非常に性質が悪い。




「じゃあ風見様でいいですよね?」

「う……」

「どうするんですかー?風見様?」




これは間違いなく、ハッキリ言うまで続けるパターンである。

それならば……私は自分でもプライドは高いほうだと思うが、自分にも責任があるのだから仕方ない。




「お願いだからやめてくれる?」

「しょーがねーなー」

「……殺すわよ?」

「やめて!?ノリじゃなかったの!?」

「そうだけど、そこまであっさりだと何かムカつくのよ」

「理不尽!!!」




仕方がない。私はそういう性格なのだ。

まあ変な話はここまでにして、昨日結局分からなかったことを聞いてみましょう。




「で。あなたは昨日何しに来たの?」

「唐突だな。えーとな……向日葵畑とその管理人さんを見にきた」

「どうして?」

「噂で向日葵がたくさん咲いてる畑があるって聞いてな。そのあまりの綺麗さに太陽の畑って呼ばれてるんだと」

「あら。それは嬉しいわね」

「んで。その太陽の畑の管理人は非常に恐ろしくて近寄れたものじゃないと……」

「へえ……」




ガッ!




「痛い痛い!!!」

「だれが恐ろしいですって?」

「俺は言ってねえよ!つか言われたくないなら、こんなことすんなよ!」

「それもそうね」




私は一人納得して楽冶を降ろしてやる。

楽冶は私に捕まれていた顔をさすっている。




「ったく。いてーな」

「女性に対して恐ろしいとか言うからよ」

「俺じゃねえって!それに基本女は恐ろしいわ!」

「何ですって?」

「……ナンデモナイヨー」




よく分からないが、必死そうだったので見逃してやろう。

それよりも聞きたい事がある。




「私の家族達はどうだったのかしら?」

「家族?花か?」

「分かってくれて嬉しいわ」

「花の感想ねえ……中々難しいな」




楽冶はうーんと考え出した。

特に求めている感想は無いので、率直な感想を言ってくれればいいのだが。




「凄いとしか言いようがないな」

「どういう意味で?」

「花も綺麗だったし、手入れも行き届いてるようだった。これだけの花があって一本も枯れてるのは無かったと思うし。最初に向日葵畑を見たときは本当感動したよ」




楽冶は言葉を探しながら言ってくれた。

率直でいいと思っていても、しっかりと考えて褒めてくれるのは、もっと嬉しいものだ。




「お前さん……優しい顔してるな」

「そう?やっぱり家族を褒められたからかしら」

「ああ。その家族と同じくらい綺麗だぞ」

「……は?」




思わず楽冶の顔をみる。

笑っているわけでもなく、からかっているわけでもなく、普通の表情をしている楽冶がそこにいた。


つまり……あれ?




「今……何て?」

「は?何か変な事言ったか?」

「いや変な事では……ないけど」

「じゃあいいんじゃね?」





楽冶は何の事か分かってないようだった。


だがその感じがあまりにも……何というか……何も違和感無く無意識に言ったから、自分が何言ったか分かってないような……


それって……思った事いっただけ?




ガシッ




「……何だ?」

「私は今から用事があるわ。だから帰りなさい」

「いや。嘘だろ。お前の用事なんて買い物か花かだろ」

「いいから」




今言われた事は、間違っていないので強くは言えないが……

とりあえず考えたい私は、楽冶を追い出すことにした。




「えー。花の世話の仕方教えてもらいたかったのに……」

「明日でいいでしょ?」

「折角来たのにー」

「いいから!でなさい!」

「っておい!やめ……」



ブンッ!


と楽冶を投げ飛ばした。




「何しやがる!」




あの距離を飛ばされて地面にぶつかれば、人間はすぐ立てないハズなのだが……

すぐに立った楽冶は文句を言ってくる。


だがそれよりも、何故こんなに動揺してるのか考えたい私は無情にもドアを閉めた。




「ふう……どこから考えましょうか……」




投げ飛ばされた楽冶が、この後何をしてるかなんて考えもせず。


私は己の中で考え事を始めた。


※作者は被害者です


土日は投稿キツいかも

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