お腹…減った
ルーミア過去話。
あれ?楽冶何歳?
まだ口調があれです。デレ(?)てないです。
こ、恐かった……
幽香が言っていた通りにやって、楽冶を頷かせたのはよかったけど、調子にのって幽香を怒らせてしまった。
私も幽香も。そしてチルノも楽冶に対して同じ感情を抱いているのは知っている。
……チルノは自覚してるか微妙だが。
知っているにも関わらず、幽香に教えてもらった方法で楽冶を納得させたのに、幽香のことを配慮しなかったのは確かにマズかった。
「うぅ……楽冶頼んだよ?」
どうにか明日までに幽香の機嫌がよくなってますように……
ヤバい……
これは本当に死ぬかもしれない。
「くう……こんなとこで死ぬもんですか」
まだ幻想郷に来て間もない私は死にそうだった。
空腹で。
「お腹……減った」
人間は見当たらず、木の実や野菜も見ない。
この時の私は人間ばかり食べていたため、木の実等の食べ物より人間を探していた。
だが結局どっちも見つけられなかった私は
「もう……無理」
木に背中を預けて眠りそうになる。
あぁ、餓死するなんて思わなかったな……
いや実際、妖怪である私が餓死するなど、よっぽど食べてないと無いのだが。
よく食べる私にとって一週間水のみはキツかった。
「遺言でも書こうかしら……」
変なことを言っている。
これは末期症状かもしれない。
だがそこに一つの気配。
「お前さん……大丈夫か?」
この臭いは……
「腹減ってんのか?おにぎり食うか?」
人間だ!
そう思った私は目の前に出されていた手から口に入れた。
モグモグ……おいしい。
けどこんな感触だったかしら……それに塩加減も……
「そんなに腹減ってたのか。じゃあこれもやるよ」
そう言って、前の人間はごそごそと……あれ?手がある……
「どうした?いらないのか?」
「……いる」
疑問を後回しに、出されたおにぎりを頬張った私だった。
「人食い妖怪ねぇ」
「そうよ。悪い?」
「そりゃ人間から見たら悪いというか、害だわな」
この人間……楽冶というやつは、私を妖怪と分かっていて話し掛けたらしい。
「妖怪でも死にそうだったら助けるだろ?」
「それが悪い妖怪だったらどうするのよ」
「逃げる」
はぁ……相手から自己紹介されたから、こっちもしたものの何故こんな話をしているのだろうか。
いっそ食べましょうか?
「そういや人食い妖怪ことルーミアさんよ」
「何?」
「俺を食うのか?」
何か能力でも持っているのだろうか……
丁度思っていたことなので
「それは……」
と言い淀んでいると。
「それは無いよなぁ?だって食おうとした相手から食べ物貰ったんだから」
「うっ……」
楽冶自体を食べようとしていたのはバレていたらしい……
楽冶は、それを見逃してもらったあげく食べ物貰っといて、それで食べるわけないよな?
と言いたいようだ。
私が本気で食べようとたら、さっき言ったように逃げるのだろうか。と思うが、私もそこまで恩知らずじゃないつもりだ。
「食べないわよ」
「そう言うと思った」
「だから……食べるっていったらどうするつもりだったのよ……」
「ん?まぁルーミアなら大丈夫かと」
よく分からない返答をされた。
先ほど会った相手を、そんな簡単に信用していいのだろうか。
「俺の目利きに間違いはない」
「大した自信ね」
「大丈夫だと思ったから飯あげたんだ。感謝せい」
さっきは
「妖怪でも死にそうだったら助ける」
とか言ってたくせに、どの口がそんな事言うのか……
それでもご飯を貰ったのは事実なため。
「……ありがとう」
「いや。妖怪に礼言われるとか……」
「あなた一体何なの!?」
どうしてお礼を言って、貶されなければならないのか。
だが楽冶は飄々と
「まぁまぁ。一々気にしたらダメだぞ?」
「もういいわ……」
自分を弁護していた。
さて……そろそろ潮時かしらね。
「じゃあね。私そろそろ行くわ」
「え?マジ!?」
「何でそんなに驚くのよ」
「いや。大丈夫なのか?」
大丈夫よ。一体何の心配をしているか知らないけど。
「いやいや……」
「何よ……」
言いたいことがあるならハッキリ……
「お前。これから飯のあてあるのか?」
「…………」
あぁ。どうしよう……
ルーミアもそのまま食べればよかったのに…
前書きで書き忘れてましたが
30万PV達成ですって。
え?私の作品?泣きそうです(嬉しくて




