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東方楽々記  作者: COPPE
第三章 帰っても休まる場所がない
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一人ぼっち

昨日はちょっとですね…


いやいや。忙しかったとか言い訳しません。

確かに忙しかったですが、それで遅くなったとか言えないです。


とまぁ。チルノ過去話いきましょう。



ここは水の中。

まだ何も見えないけれど感覚で分かる。


だが、自分が誰かは分からない。

少しずつ目を開けていくと魚が見えた。

やっぱりここは水の中。

感覚で分かるなんて、やっぱりアタイは天才ね!


あれ?アタイ?

自分は、自分の事をアタイと呼んだ。

そして自分の姿を見る。

水色の体。氷のような羽。


そうだアタイは……チルノだ。

自分の事を思い出したアタイは湖から顔をだす。




「えーと……何でこうなったんだっけ?」




思い出せ思い出せ。アタイがこうなった理由を……




「あ!」




思いだした!

けど……思い出すと恥ずかしい。

今は湖の中だから溶けないけど、陸に上がったら溶けていただろう。


そんな事を思いながらも陸に上がって楽冶の家に……向かわず。




「楽冶来ないかなー?」




そうなんとなく思って、石の上で待ってみる事にした。


そう。あの日のように。












「もうチルノちゃんなんて知らない!」

「皆行こう!」

「ふん!アタイは一人で大丈夫よ!」




少し前の会話。

それをアタイは思い出していた。

遊びで負けそうで、負けたくなくて少しズルをした。


それで皆に怒られた。




「チルノちゃん!それはズルイよ!」

「反則だよ!」




皆が口々に言う。

だけどそれを認めたくなかったから……




「アタイがしたのはセーフよ!」




とか




「アタイがズルだって思ってないから大丈夫よ!」




など、色々な事を言ってしまう。

相手が怒ってしまうのは分かっている。


だけどこんな時どうすればいいか。

それが私には分からなかったのだ。


そしてその結果が今。

アタイは一人ぼっちで石の上に座っていた。




「アタイさいきょーだもん!」




いつも口癖のように言っている言葉を言ってみる。

少し寂しいとは思うけれど、さいきょーのアタイには関係ない。




「アタイさいきょーだもん!」




また繰り返す。




「アタイさいきょーだもん!」




また。

また。

また。


また……













「アタイ……さいきょー……だもん」




何回も繰り返しているうちに、あまり言えなくなってきた。

どうしてだろう。目元から水が出てきているような気がする。




「アタ……イ……さい……うわあああん!」




どうしてだか分からない。涙が出てきてしまった。




「ぐすっ……うわあああん!」




涙は止まらない。それどころかどんどん溢れてくる。


そんな状況で声が聞こえた。




「どうした?何泣いてるんだ?」

「ふえ?」




最初はアタイに言ってると気付かなかった。

けれど、いつの間にか正面にいた人間の目は、間違いなくアタイを見ていた。




「ほら。泣くな泣くな」




小さい子をあやすように、頭をなでられた。

それは優しく、アタイを気遣ってるようで……アタイの涙は少しずつ引いていった。




「んで?どうしたんだ?」




突然の質問。それにアタイは答えられない。




「あの……その……えっと……」

「お。そういえば名前も言ってなかったな。俺は楽冶だ」

「ええとアタイはチルノ!」




話題が自己紹介に移ったから大きな声で答える。

アタイはさっきのことを忘れていたかったから。




「よろしくなチルノ」

「よろしく楽冶!」




また大きい声で。

けれどそうやって誤魔化しているとまた……涙が。




「チルノ。大丈夫か?」

「だいじょーぶ!アタイはさいきょーだから!」




何とか泣かずに返事をする。

あとは、ずっと我慢すれば……




「そうか。チルノは最強なのか」

「うん!アタイはさいきょーだよ!」

「じゃあ……」




だけどその我慢は、長くは続かなかった。






「何でそんなに寂しそうなんだ?」




この言葉によって。


作者最弱だもん!

胸はって言えますよ。ええ。


妖精が復活する時って実際どうなんだろう…

分からなかったんです。




誰か春休み分けてください

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