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東方楽々記  作者: COPPE
第三章 帰っても休まる場所がない
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まだ早かったようです

ねむねむ…


頑張れ幽香さん





俺は今とても愉快な気分だ。

多分これは夢なのだろうが、それが分かっていても楽しめるから夢はいいものである。


だがしかし。目が覚めたら消えてしまうのも夢だからである。

しかも目の覚め方が最悪だと、夢を台無しにされた感じで気分が悪い。

だからといって目を覚ます気は無いんだけどね。


夢の中って本当楽し「ごふぅっ!?」

かったんだよなあ……




「何しやがる!」




あんな楽しい夢を中断されたら俺だって何か言いたくはなる。

え?どんな夢かって?……ご想像にお任せします。


頭を鷲掴みされている状態だが……え?頭を鷲掴み?




「何?文句があるなら聞くわよ?楽冶」

「……滅相もございません」




朝一からいったい何が……
















「何で二人と一緒に寝てたのか教えてもらいましょうか?」




自室から投げ出された俺は、また正座して尋問を受けていた。

と言われても今回は別に変な理由も無いので正直に。




「ルーミアが一緒に寝ようと言ってきて、チルノは俺の布団で力尽きた」

「断りなさいよ」

「ルーミアが諦めると思うか?」

「思わないわよ」




思ってないのかよ!

じゃあ断れとか言うなよ!




「そういう問題じゃないのよ。何で三人で寝たのかを問題にしてるの」

「だからルーミアに……」




ってあれ?何かループしてね?

んでまた、幽香に「断りなさい」って言われるのか?




「何で私のとこに来ないのよ」

「は?」

「私のとこに来れば良かったじゃない」

「何でそうなるんだ……?」




それでルーミアが諦めなかったらどうすんだ……下手したら四人寝じゃねえか。

ルーミアが諦めたとしても、幽香と二人だろ?




「それでいいじゃない」

「よくないだろ!三人で寝てたのと何が違うんだよ!」

「人数と私の心情が違うわ」

「何だそれは……よく分からんぞ」




本当に……

人数はまあいい。幽香の心情が違うってどういうことだ?




「……あなた本当に鈍感というか、バカね」

「だから言うなって!」

「初めて聞いたわよ。言われたくないなら言われないように頑張りなさいな」




くそっ!いったい何なんだ?

俺がバカと言われなくなる方法は……


とりあえず今は幽香の気持ちを考えればいいのか?

うーん……




「寂しかったのか?」

「違うわよ」




あら違ったか・・・・・残念




「四人で寝たかったのか?」

「そんな考えじゃ当たらないわよ?」




何……だと。

必死に考えた俺はいったい……


もう、こうなったらてきとーだ!

ありえなさそうなのを言うべし!




「俺と二人で寝たかったのか?」

「っ!?」




おお。幽香に反応あり。

まさかこれが当たりなのか?……さすがにないよな。




「なーんてな。んな訳ないか」

「……」

「どうした幽香?さっきから黙って」

「……はあ」




いきなり溜め息つくなや……

……あれ?




「幽香さんや」

「何?」

「私めに向けている物は何ですかな?」




そう俺に向けられていたのは




「私がいつも差してる日傘でしょ?」




日傘だった。何故……




「どうする気だ?」

「あら?決まってるじゃない……こうするのよ!」




バッ!

傘が開いて




「楽冶のバカアアアアア!!!」




何でこうなるんだよ!!!














「楽冶っ!どこ行ったの!?」




バタバタバタッ!と誰かの足音が聞こえる。

いや誰かは分かってるけど……




「ルーミア~?俺はここだぞ?」

「楽冶っ!!!朝起きたら居ないから心配したんだよ!?」

「それだけで心配すんなよ……ここは俺の家だぞ?」

「じゃあ何でそんな格好してるの?」

「……そう思うより先に助けてくれ」



胸から下は床に埋まっているので苦しい俺は、ルーミアに助けを求める。




「よいしょっ!」



ポンッ! という音と同時に俺の身体が引きぬかれる。あー。空気が美味しい。



「で。楽冶。どうしてそんな事になってたの?」

「それはだな「楽冶がバカなことやったのよ」おい」

「じゃあ仕方ないねー」

「ルーミアも納得しない!」



結局弁解する機会は与えられず、誤解を招いたままになってしまった……誤解だよな?




「おはよ~。楽冶」

「おうチルノ。おはよう」

「楽冶~。あの氷食べたいよう……」

「ああ~。あれな……今日は無い」

「え~。じゃあ楽冶食べる……」




どういうこと!?昔のルーミアみたいな事言わないで!?


そんなこと思ってるうちにチルノが近づいてきて……




「おいチルノ?大丈夫か?」

「ううん?」

「まだ眠たいなら寝ててもいいぞ?」

「ぅ~……」




カプッ




「いってええええええ!!!チルノ!何しやがる!」

「あ。おはよう楽冶!」

「本当に食べようとして目覚ましてんじゃねえよ!」

「おいしかったよ?」




嘘だろ!お前人食わねえだろ!




「ゆーかとルーミアも食べる?」

「え?食べていいの!?」

「じゃあ頂こうかしらねえ……」

「ダメに決まってんだろ!」




こいつらは妖怪だから本当に食べるんだよ!

俺は何とか交友関係を持ってるから食べられずに済んでるが、他の人間だったらもう食われてるんだぞ?




「何言ってるの楽冶……他の人間は食べないわよ」

「そうだよ!楽冶以外の人間なんて食べたくないわっ!」

「そんなに俺が食いたいのか!?」




それがすごい事なのかは知らないが、俺はまだ生きてたいからやめてくれ……




「どうしたの?二人ともそんなに楽冶を食べたいの?」

「あら?チルノにはまだ早いかもね……」

「けどそろそろ知っててもいい時期かも……教えようか?」

「うん!教えて!」




三人が急に秘密会議を始めだした。

俺一人だけ蚊帳の外……この家の唯一の良心であるチルノに変な事教えるなよ?



……ぽつーん。




「ああ!?」

「え?」

「チルノが溶けちゃった」

「何を言ったお前ら!」




チルノは霧の湖がある間は復活するが、その場では復活しない。


つまり




「はあ……じゃあ俺が迎え行くわ」




霧の湖まで行かなきゃ行けないのだ……




「いってらっしゃーい!」

「気を付けなさいよ?」

「お前らのせいだろ!?」




しょうがない……行くか。


久しぶりの湖に。

食べるはつまりあっちの意味だという…


うーん。ねむねむ…

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