半人前と一人前
投稿忘れてた・・・
バイト忙しいorz
珍しく楽冶が真面目モード
「もう起きないと……」
大体毎日同じ時間に目が覚める。
そうしたら起きて布団を片付けて朝食の準備に取り掛かる。
「今日は……三人分ですね」
昨日楽冶さんは帰らずに泊まっている。
今回の原因を究明したいらしい。
別に嫌な訳じゃないのだが、ここでやらなくてもいいのでは?と思うのは私だけだろうか。
それはそうと楽冶さんの分の朝食含め三人分作らなければならない。
一名ほど一人分の量が多いが……
そう思いながらも襖を開ける。
「……あれ?」
どこからか漂ってくるいい匂い。
朝食なのは間違いないが誰が……楽冶さんしかいまい。
幽々子様が作っていたらそれはそれで喜ばしいのだが。
何はともあれ迷い人といえどお客さん。
いつまでもご飯を作らせるわけにはいかない。
そう思った私は台所へと向かった。
「楽冶さん。私がやりますからいいですよ」
楽冶さんに声を掛ける。
反応した楽冶さんは振り向き
「おお。妖夢か。おはよう」
「楽冶さん。残りは私が……」
「おはよう妖夢」
「ですから「おはよう妖夢」
……どうやら言わないといけないらしい。
「おはようございます。楽冶さん」
「おお。朝の挨拶は大事だぞー」
だからって無理に言わせなくても……
と思わなくもないが言わなかった私が悪い気もするので仕方がない。
「それでですね。楽冶さん」
「何だ?」
「朝食の準備ですが……残りは私が」
「妖夢が朝の挨拶をする前に終わったぞ?」
そんな僅か三十秒の間に終わるものなのか。
そう言おうと思ったが食器を出している楽冶さんを見て、本当に終わったんだと確信する。
それならせめてそれだけでも……
「まあまあ。居候一日目ぐらい作らせてくれ」
「……ですが」
「じゃあこれでいいだろ。俺の単なる暇潰しだ」
「暇潰しですか?」
「そうだ。だから妖夢は手伝わなくて大丈夫だぞ?」
こんなに頑固な人だとは思わなかった。
「そうか。じゃあ頼むな」
とでも言われると思っていたのだが……
「幽々子の分はこれくらいで大丈夫か?」
「あ。はい。大丈夫だと思います」
大量に炊かれたご飯を見て言う。
そうだ。幽々子様を起こさなければ。
「妖夢は凄いな……」
「いえ私はまだ……半人前ですので」
私が稽古をしている時。
楽冶さんは
「暇だからー」
と言って私の稽古を見ていた。
技の練習をする度に楽冶さんは褒めてくれたが、自分でまだ半人前という自覚があるため素直に喜べないでいた。
「そうなのか?」
「はい。私はまだすべてを完璧にできる訳ではないので」
そう。私のできる事はまだまだ少ない。
技は勿論。日頃の生活からも実感するときがある。
全てを完璧にできないと一人前とは言えないのだ。
「すべてを完璧にできないから?」
「そうです。まだまだ私には学ぶべきことが沢山あるんです」
「だからってさ。妖夢よ……」
楽冶さんが近づいてくる。
少し屈み私と目線を合わせて。
「もっと喜んでもいいんじゃないか?」
この人は何を言っているんだろうか。
「何を……」
「妖夢は自分を半人前だと思っているんだろ?」
「……はい」
「じゃあ褒められたらもっと喜べよ」
この人は何を言っているんだろうか。
「俺は色々できる妖夢を凄いと思ったんだ。だから褒めた」
「ですが……」
「妖夢は自分で半人前だと思っている。だからそれは違うと喜ばない」
「…………」
「だが違う見方もあるだろ?本当に半人前に見えたなら褒めると思うか?」
この人は……何を言っているんだろうか。
「答えはノーだ。俺には間違いなく妖夢の見せてくれた技は一人前だと思った」
「妖夢……確かに自分で一人前だと思うのはよっぽどの奴じゃないといないだろう」
「だけどな……」
この人は……何を……言って……
「お前の技が一人前だって褒められたって事は、お前の目指す 一人前 に近づいてるってことじゃないか?なんで喜ばない?一人前とはそんなに焦ってならなければいけないのか?」
「私は……」
そうか……
「褒められて喜んでも……」
この人に
「いいんですね」
認めてもらえたのか
たとえそれが昨日会った人でも
私を一人前として見てくれる人が
一人いてくれた
嬉しい
「えっぐ……ひっく……」
「うおお!?どうした妖夢!俺そんなにキツい事言ったか!?すまん!」
「ちが……ぐすっ。違いますよお……」
私はこの日
「一人前だって言われたことが……嬉しいんです!」
自分の望む 一人前 に近づいた。
はっ!
瞑想していたら昔のことを思い出してしまった……
は……恥ずかしい……
「みょん!?」
「妖夢~?大丈夫か?」
そこにいたのは楽冶さん。
なぜこのタイミングで!?
「ななな!何するんですか!?あれほど半霊を!!!」
「いやだって妖夢何回呼んでも気付く気配なかったし……」
それは……あんな事を思い出していたからじゃ……
「ら、ららら……」
「ラララ?」
「楽冶さんの……バカアアアアアア!!!」
「えええー!?」
私は楼観剣で切りかかった。
「ちょっ!?何だよ妖夢!」
「何でもないです!!!」
「じゃあ切ろうとするんじゃねえ!!!」
私が他の人にも一人前だと思われるようになったら……
楽冶さんは何と言ってくれるだろうか。
そんな考えが頭を過ぎった。
妖夢過去話終了です。
私は半人前ですらないですね・・・
頑張ります




