表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方楽々記  作者: COPPE
第二章 白玉楼の家計簿支えます
42/223

外伝2 白玉楼の雛祭り③

白玉楼の雛祭り 最終話です。


雛祭りなだけで恋愛成分がないお・・・


今回は(作者にしては)長めです(キリッ





「あら。楽冶上手いのね~」




四人で楽器を演奏していると幽々子の声が聞こえた。


一旦演奏を止めて振り返ってみる。




「おお……」

「どうかしら?妖夢に手伝って貰ったのだけれど」

「なんつーか……言葉がでない」




そこには十二単を着た幽々子がいた。


やはり元の素材がいいのか……

なんと褒めればいいのか分からない。とりあえず似合ってはいるのだが……

うん。似合ってるとしか言えない。




「どういうことよ」

「いや似合いすぎてな……どう表現したらいいのか分からなかった」

「あら。嬉しいこと言ってくれるわね?」




懐から扇子をだして口元を隠す幽々子。

それがまた似合っていて……




「いてっ!」

「何ジロジロ見てるの?」

「いやジロジロは見てねえよ……」

「女性を見続けるのは失礼よ?」

「そうなのか?」

「……楽冶はバカだから」




だからルナサ!なぜそんなに俺を罵倒する!




「バカだから」

「バカよねー」

「あの子もそう思ってるはず」

「……誰?」




指差された方を見ると妖夢がすぐ近くにいた。




「妖夢?」

「楽冶さん……否定できないです」

「…………」

「みょん!?」




とりあえず半霊をつついといた。















それから俺は料理を作っていた。

幽々子の

「じゃあちらし寿司お願いね~」

発言によるものである。


他四名も食べたかったようで

「お願いします!」

と言う始末。


もっとのんびりしたいんだけどな……

まあこれを作って皆が喜んでくれるならいいか。


というわけで

頑張って作りました。ちらし寿司!




「できたぞ~」

「こっち持ってきて~!」




そっちまで行かなきゃならないの!?

助けてください。今年の雛祭りは俺使いが荒いです。


内心泣きつつも持っていく。

すると庭にシートを敷いており、そこに皆座っていた。




「楽冶はやくー」

「はいはい」




リリカに急かされて少し小走り……食べ物持ってるから早くはないが。

とりあえず皆の下へ。




「こんだけ作れば大丈夫だろ?」

「こんだけの量をあんな短時間で……」

「いや難しいのは酢飯作りだけだから」

「それだけじゃないでしょう……」




妖夢から驚嘆の声が。

申し訳ないが今回は量が多すぎて少し手抜きなんだ。勘弁してくれ。




「おいしいわ~」




見ると幽々子がもう食べていた。

って




「食べるの早えよ!まだ何も言ってないだろ!」

「だって~。おいしそうだったんだもん」

「だってじゃないです幽々子様!せっかく楽冶さんが作ってくださったのに!」

「だから早く食べないと勿体ないじゃない」

「そういう問題じゃないわ!」

「え~」



え~じゃない!

全く幽々子は食べ物を前にすると性格が変わるんだから……




「ほらもうお前らも食べろ。幽々子が全部食べる前に……もう食ってる!?」

「楽冶の料理はやっぱりおいしいわね」

「早く食べないと無くなっちゃうよ?」

「……(コクコク)」

「じゃあ私も頂きます」

「妖夢まで!?」

「仕方ないでしょう!私も好きなんですから!」




そんなこと言われると食べるなとは言えないじゃないか……

もういいや。俺も食べよう

……あとルナサ。ちゃんと口で言ってくれたほうが嬉しいぞ?




「おいしい」

「そうか。ありがとう」

「……別に」




また黙々と食べだした。

そんなに美味いのか?どれ……うん。少し手抜きしたけどそこそこだな。




「こんなもんか……」

「こんなもん!?」

「私たちへのあてつけ?」

「お前らはルナサに料理任せっぱだからだろ。

「じゃあ私も~?」

「幽々子は妖夢と幽霊に任せてるからだ。少しは自分でやりなさい」

「え~」

「え~。じゃない!何回も言わせるんじゃありません!」

「え~」

「しつこい!」




いつか家事やらせてやろうか……
















片付けをして戻ると幽々子が重そうに十二単を引きずりながら何か差し出してきた。




「これは?」

「楽冶に着て欲しいのよ~雛祭りだし」

「いったいどこから……」

「妖夢のおじいちゃんのよ」

「古いな!?」




まあなんだ簡単に言うとお内裏様みたいな感じのやつ。

……似合わんだろ。




「いいから!着てきなさい!」

「……はいよ」




仕方なく着ることにする。



「どうだ?」

「あら似合うじゃない」




嘘だろ……




「本当よ~。ねえ二人とも?」

「どうしたの?わ!楽冶?凄い格好ね」

「幽々子様何させてるんですか……」




メルランと妖夢が感想(?)を言う。

ほれみろ。似合ってるとは……




「けど中々いい感じね」

「嘘お!?」

「なんで嘘いうのよ……他の二人も呼んでみる?」

「楽冶さん……その似合ってると……思います」

「妖夢まで……」




さらにメルランが連れてきた二人にも




「楽冶……似合ってる」

「わあ……一瞬誰かと思った」




と言われた。


恥ずかしい……
















「じゃあ写真撮りますよー」




いつの間にか現れた文がカメラを構えている。

何故いるんだ……




「ちょっと捕まりました」




簡単に言うな!

しかもお前が捕まるって何?幻想郷最速の名はどこへ……




「まあ撮らないと命が危ないんで撮らせて頂きます」




頑張れ文。どうせフィルム没収だろうけど……




「はい。皆さん笑ってくださーい」





カシャカシャ


はーいオーケーですよー。じゃあ私はこれでー

待ちなさい

は?何か?

フィルムを渡しなさい

え?いやこれは……

わ た し な さ い

はいいいい!分かりました!

……これでいいですか?

ご苦労様




本当に回収されてた。ご愁傷様。文。




「今日は楽しかったわ~」

「そうですね。初めての体験でした」

「私たちからもお礼を言わせてもらうわ」

「今日はありがとう」

「楽冶もお疲れ様」




おお!ここまでやって久しぶりに労いの言葉が!

泣いてしまうかもしれん……




「それじゃあ私たちはそろそろ帰るわ」

「楽冶。また演奏しましょう」

「今度は能力使ってね!」

「ああ。またいつかな」




ルナサ、メルラン、リリカの三人は帰っていった。

そして後ろの二人。




「本当。十二単が着れるとは思わなかったわ~」

「お前が取りに行かせたんだろうが……」

「それも楽冶だからよ。他の人なら頼まないわ」

「あ?どういうことだ?」

「自分で考えなさいな」




むむむ……分からん。




「やっぱりバカなのね……」

「うるせえ!!!」




ついに幽々子にまで言われた。

……もうバカでいいや




「楽冶さん。今日は色々申し訳ございません」

「いやそんなに畏まらなくても……」

「いえ……今日は楽冶さんに任せっきりだったので」




妖夢なんていい子! 他の奴とは大違いだぜ!




「なので……楽冶さんはもうゆっくりしていてください」

「妖夢~!!!」

「ひゃあ!何するんですか?」

「ありがとう!今日はもう寝かせてくれ!」

「わわわ!分かりましたから!離してください!」




抱きつかれてテンパってる妖夢を離して俺は寝かせてもらった。
















「はい楽冶。これ」

「え?何?」

「永遠亭に返してきて?」




この日俺は自宅にも白玉楼にも帰れなかった。



永遠亭には続きません。


2つ目の外伝はいかがでしたでしょうか?


次の外伝は何かなあ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ