そういうのはやっぱり恥ずかしいんです
少し遅くなりました。
美鈴と人里へ
今日は美鈴に付き合わなければならない。
だって命令だもの。奴隷は辛いな。うん。
昨日美鈴から命令を受けた俺はすぐさま寝た。
嬉しすぎてとか楽しみだからとかではない。
予想通り寝て三時間もするとフランに突撃された。
それによって強制覚醒&オールナイト。
遊んだ後フランと分かれて朝食作り。
さらに咲夜と手分けして皆を呼んで朝食終了。フランを寝かせる。
そしてやっと美鈴に会いに行けた。
「よう美鈴……」
「楽冶さん。私に会う前からボロボロじゃないですか……」
「ここの生活は……ハードすぎる……」
主にフランの懐かれ具合によって。
勿論フランが憎らしいとは全然思わないが、さすがにほぼ寝てないからな……
「今日は何したいんだ?」
「まずは花の世話です。外に行きますよ」
美鈴に手を引かれて館の外へと歩き出した。
美鈴は仕事が暇なときに花の世話をしていたらしい。
それが今では趣味にまでなり、毎日欠かさず花の世話をするようになったとか。
俺も花を育てているから愛着がわくのは凄い分かる。
「おお……これ美鈴が一人でやってんのか?」
「そうですよ。ここの門番は暇ですからね」
誰も来ないだろうからな。
逆によく門番とか採用したよなここ……いや。採用とかあったのかどうかは知らないが。
それはそうと育てている花を見てみると、とても丁寧に手入れされていた。
独学とは思えないぐらい綺麗に咲いている。
「凄いな……」
「あなたからお褒めの言葉を貰えるとは思ってませんでしたよ」
「いやホント凄いぞ?俺にはここまでできん」
「ありがとうございます」
律儀に礼をしてくる美鈴。
水やりをしながら花を見ていく。
おっ。ここ少し……
「楽冶さんもお花の世話するんですね」
「ん?分かったか?」
「なんか手馴れてますよ。上手です」
「怖いお姉さんに教えてもらったからな……」
皆さんには予想つくだろうがあの人である。
自宅の花はしっかりと理由を話してその人が見てます。
もし言ってなくて枯らしたら殺されるだろうから……
美鈴も手馴れた様子で花を手入れしていく。
その姿はとても綺麗だと思った。
「?どうしました?」
「いやなんでもない。やっぱり上手いなって思っただけだ」
「いつもしてますから」
それから館の周りを一周。美鈴と花の世話をしながらすごした。
「これおいしいですね!」
俺と美鈴は人里にきている。
美鈴は今まで来たことがなかったらしい。
それで人里に行きたいと言い出したので二人で来た。
今は甘味屋に座って団子を食べている。
定番のみたらし団子が気に入ったらしい。
因みに俺は安定のヨモギ餡。
二人してもしゃもしゃ食べていると
「あれ?楽冶?」
俺を呼ぶ声がした。
振り返ると
「やっぱり楽冶ね。久しぶり」
「なんだ妹紅か」
「こら……」
なんかいたわ。不死鳥が。
「なんの用だ?」
「用って程でもないわ。寺子屋行く途中だし。楽冶がいたから声掛けただけ」
「本当か?実は探してたとか」
「ないわ」
そんなにあっさり言われるとちょっと悲しいな……
「楽冶さん次あそこ行きたいです」
「ん?美鈴急にどうした?」
「急に行きたくなったんです。そういうこともあるんです。さあ行きましょう」
「ちょっと!楽冶勝手にどこ行ってるの!」
「状況みろよ!完全に俺が引きずられてるだけだろ!?」
美鈴は俺を無理矢理引きずって行き目的地についた。
妹紅は追ってこなかったようだ。多分寺子屋に行ったのだろう。
もし追ってきて寺子屋行かなかったらヘッドバッドだろうし……
なにがヘッドバットなのかは追々。
「で?美鈴どうしたよ」
「分かりませんか?」
「さっぱりだ」
「そうですか」
あれ?美鈴ちょっと不機嫌?
美鈴が不機嫌になるなんて珍しいな……
いや俺の所為なんだろうけど……分からん。
「なあ美鈴」
「なんですか?」
「なんで怒ってんの?」
「怒ってないです」
「さよか……」
怒ってますよねー。
勢い余って訛ったわ。どこの言葉かは知らんけど。
だがどうしよう……俺が原因なのは分かるが根本部分が分からん……
それで謝ったって逆に怒られそうだしな。
何かないか……ん?あれは?
俺は見つけたものを買いにそちらに歩いていった。
「楽冶さーん!どこですかー?」
美鈴の声が聞こえたので向かう。
「楽冶さー「なんだ?」ひゃあああ!」
「そんなに驚かなくても……傷つくぞ」
「だ、だって……」
後ろから耳元でいきなり返事しただけなんだがな……
それはまあいいとして
「どこ行ってたんですか?」
「美鈴が不機嫌そうだったのでな……いつの間にか戻ってるが」
「だから怒ってませんってば!」
「まあ落ち着け。これやるから」
「?」
そういって俺が差し出したのは
「これは?」
「見りゃ分かるだろ。リボンだ」
「どうしてリボン……」
「似合うと思った。それだけだ」
そうただそれだけ。
黒いリボンを美鈴に渡した。
「楽冶さんからの贈り物ですかー」
「なんだ?いらないなら返しなさい。他の人に「ダメです!」うおっ!?」
いきなり叫ぶな。驚くだろう。
「貰ったものは返しません!」
「意外とがめついな……」
「余計なお世話です!」
それでも美鈴の機嫌はよくなったみたいだ。
そろそろ時間なので帰ることにする。
「いやー疲れた」
「お疲れさま。大変だったわね」
夕食までに帰り咲夜の手伝い。
今日のことを話すと咲夜は仕事をしながら聞いてくれた。
「美鈴その場で着けてくれなかったな……」
「恥ずかしいのよ。そういうの」
「そうなのかね」
「そうよ」
美鈴は帰っても贈り物のリボンを着けてくれなかった。
だがまあ咲夜曰くそんなもんらしい。
その後夕食時にも着けてなくて残念だったのは秘密だが……
フランと少し遊んだあとさすがに寝かせて貰った。
今日オールナイトは人間的に無理だ。というわけでおやすみ。
次の日美鈴は髪にリボンを着けてくれていた。
「似合ってよかった」
って言ったら。
「勿体ないから着けたんです!」
って言われてかなり凹んだ……
まだ竹林勢でてないから多少無理に出してみました。
もこたんはヘッドバッドされてます




