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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
217/223

秘密の調味料が入ってます

皆さん。お久しぶりです。忘れられているであろうCOPPE。そして東方楽々記です。

4ヶ月ぶりの更新……遅くなってしまい本当に申し訳ありませんでした。


今回は久しぶりなのに、繋ぎ……そして少し短めですが、まずは上げれたことを嬉しく思います。



「雛……」

「何よ」

「何か豪華じゃね?気のせい?」



確か身体にいい食事が一日三十品目だから、一日三食で計算すると一食十品目だよな?

そんな計算を頭でしている俺の前には、数々の……パッと見だと一食三十品目あるんじゃないかと思ってしまうような量の料理が並んでいる。



「き、気のせいよ!私の家は毎日こんな感じよ!」

「毎日!?」



毎日こんな料理してるのか!?雛のお腹って意外と入るんだな……というか食糧どうしてるんだよ。さすがに全部買ってたら破産するだろ。

いや本当雛ってよく食べるんだなー……



「食べるわけないでしょ!」

「え?じゃあ毎日これくらい食べてるっていうのは?」

「何よ!ちょっと話盛っただけでしょ!悪い!?」



逆ギレ!?いや別に悪いとは思ってないけど、何で正直に言わなかったのか気になるだけで。普通に「俺がいるからちょっと豪華にしてみた」だったら嬉しいし。



「あなたの能力が無かったら今すぐにでも厄を振りまいてやるのに……」



雛さ〜ん?ボソッと怖いこと言わないでくれますか?それ多分死ぬやつだよな。あなたは俺が死ねばいいと仰るのですか?



「……有りね」

「そこは無しにして!?」

「冗談に決まってるでしょ。それよりも早くご飯食べましょ?温かいうちに食べないと勿体ないわ」



身体に悪い冗談はやめてくれ……本当に俺って能力無かったら何個命必要なんだろうな。いち、に、さん……うん。数えるだけ無駄な気がしてきたからもういいや。

それよりは雛が言うように「俺がいるからちょっと豪華にしてみた」夕食を早く頂いたほうが有意義というものだ。



「それじゃあいただきます」

「はい。どうぞ」



ご飯を食べる前の定型文を口にして、これまた定型文が返ってきたのでありがたく食べることにする。

とりあえずは秋家と同じく、秋の味覚がたっぷりと入った炊き込みご飯から頂くとしよう。


……ふむ。むむむむむ!



「何よ。もしかして口に合わなかった?」

「いや、相当美味い」

「じゃあ何でそんなに唸ってたのよ!」

「ああ。どうやったらこんな味になるのか悩んでた」



この香ばしい茸と醤油の香りはどうすればでるのか。とか、銀杏が適度な柔らかさで凄いとか。雛の「主婦ねー」というぼやきをスルーして考えつつ、次の料理を口に運ぶ。



「うまっ!」

「ちょっと!びっくりさせないでよ!」



今日の料理から学ぶことは多そうである。














気が付いたら夕食を食べ終わっていた。

あまりにも美味しかったので、お腹がいっぱいなのにも気付かず食べてしまったらしい。というか雛ってここまで料理凄かったっけ?それとも今日だけ未知の料理本でも使ったのか?


……何か思考が変なほうに向かっていってるような気がするので、気分転換に後片付けをすることにしよう。



「よっこら……ふぅ」

「何してるの?」

「いや、片付けぐらいは俺がやろうかと」



そう言ったのも束の間、雛に無理矢理椅子に座らせられた。待て待て。俺は片付けをすると言ったハズだぞ?



「いいの。楽冶は座ってて」

「いやでも夕食のお礼とまではいかないけどさ、やっぱり片付けぐらいは……」

「あなたのそのお腹と顔がお礼としては十分よ。全く……」



少し恥ずかしそうに顔を背けながら雛は言う。

まあ俺も食べてくれた人の笑顔が見れて嬉しいと思うけどさ……やべ。何か夢中になって食べすぎたことが今さら恥ずかしくなってきた。



「じゃ、じゃあ俺は風呂沸かしてくるわ。そのくらいしてもいいだろ?」

「あ。うん……お願い」



そう言われてそそくさと、河童印の付いたボタンを押しに行く。妖怪の山は河童の住処がある為、意外と人里よりも技術が発達していたりしていて、この雛の家の風呂もその一つだ。人里では水を入れて薪に火をつけて温めて入る、所謂「五右衛門風呂」というやつだが、この河童印のボタンは一回押してしまえば、設定した温度のお湯が一定量溜まって止まる。という非常にハイテクなものとなっている。

それポチッとな。


パンパンに膨れたお腹のせいで少し息苦しいながらも、居間へと戻る。すると洗い物をしている雛の姿。椅子に座ってそれを見ながらお茶を飲む。

十分もしない内に若草色のエプロンを付けた雛が、タオルで手を拭きながら振り返る。そしてそのエプロンを取って椅子に掛けた。


うーん……どう考えても



「新婚さんみたいだよな」

「ぶっ!」



雛が噴き出した。と同時に俺の胸倉を掴んで持ち上げた……ん?俺ピンチ?



「待て待て!落ち着け!俺が一体何をした!」

「何もしてないわよ!」

「じゃあ離してくれてもいいんじゃないですか!?」



思わず敬語になってしまう程の眼力を放つ雛。の頬は赤く染まっている。

「眼力+赤い顔=怒」という方程式が今までの経験上頭の中に浮かんできた。え?今の言葉ってタブーだったの?



「まさか婚期逃したとか……?」

「違うわよ!」

「だって俺の発言に対して怒って……」

「怒ってないわよ!……って、本当に分からないの?」



急に怒りの収まった雛は、真剣な表情で聞いてきた。

そんな顔で聞かれても、分かってると思ってた内容が違うと知った俺はテンパっているから分かるわけがない。とりあえずできた事は頷くことである。

すると雛は俺を椅子に降ろし、溜息を吐いた。



「はあ……何で楽冶が自由に動けてるのか分かったわ」



どうやらもう怒ってない……のか?

そう安堵した瞬間、雛は笑顔で言った。



「言っておくけど、私は怒ってるわよ?」

「は!?さっき怒ってないって言っただろ!?」

「記憶にないわねー。でも楽冶が何か誠意を見せてくれるなら、怒りが収まりそうな気がするわ」



げっ……これは間違いなくめんどくさい事になるやつだろ。

そう思ったものの、雛の顔からして無視すれば家を追い出されかねない。ということは俺には選択肢は一つしかないわけで……



「私は一体何をすればよろしいでしょうか?お姫様」



これからどうすればいいか聞くのであった。


何故か雛がツンデレ風になってしまった。何故だろう。


最近仕事にも慣れ、多少の余裕ができてきました。合間合間を縫ってSSを書き進めていきたいと思っています。

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