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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
216/223

私は厄神だから

はい。1ヶ月ぶりの投稿です。

年末年始は暇あるかなーと思っていたんですが、意外と忙しい。

新年のあいさつやら、親戚(年下)のクリスマスプレゼントやら中学時代の友達やら。


何とか正月休み最終日に完成。

東方M-1ぐらんぷり見てて若干執筆遅れたとか言えない。



「なあ。俺、何かしたか?」

「別に」



先ほど自己紹介をした後、少し不機嫌な私に気まずい思いをしたのか楽冶が話しかけてきた。

そしてそれに答えたように、特に何かあったわけではない。勿論少しだけ不機嫌な理由は日が沈む瞬間を楽冶の来訪によって見れなかったからだが、私がそれを好きだということを知らなかった楽冶を責める訳にはいかないだろう。だからすぐに気持ちを切り替えることにする。



「夕食は食べたの?」

「彷徨ってなかったら食べてたな」

「はいはい。食べてないのね」



素直にそう言えばいいのに。まあ、夕食を作る前でよかったわ。もう作り終わった後に来られてしまったら、もう一回作るの面倒だしね。

今日の夕食は秋の味覚……だったら楽冶が秋姉妹に会えているわよね。つまり秋の味覚はもう少し先。今日はそこら辺にある手頃な食材を使って夕食を作るとしよう。



「おお。作ってくれるのか。何か手伝ったほうがいいか?」

「お客さんなんだから椅子に座ってていいわよ。でも、もし何かあったらお願いするわ」

「んー。分かった。じゃあお言葉に甘えるとするか」



楽冶がソファに座ったのを見て、袋から野菜をとりだす。妖怪の山のいい所は自然の野菜が採れるところだ。といっても採れる場所は限られているのだけれど。

そろそろ野菜も少なくなってきたので採りに行かなきゃいけないわね。秋の味覚が熟れるまで持つといいのだが……そんな事を考えながら夕食を作る。

普通他のことを考えながら包丁を扱ってたら指を切っちゃうものだけど、一人暮らしで毎日料理を作ってる私はそんなことないわ。えっへん。



「……何一人で威張ってんだ?」

「きゃっ!み、見てたの?」



幸い何かを切っている最中ではなかったのでケガはなかったが、料理中に声をかけないでほしいものだ。びっくりして指を切らなくても、驚いて包丁を落としてしまう可能性だってあるんだから。



「だから切るのをやめるまで待ってただろ?」

「そういう問題じゃないでしょ……って、もしかして全部見てた?」

「全部っていうか、何か自慢げな息づかいと両手を腰に当てる仕草しか見てないぞ」



それ全部よ……

そう思ったが、恥ずかしいので口には出さないでおく。

包丁がいつもより少し荒めに動いているのは、口に出さなかった分の恥ずかしさによるものだろうか。しかし、そんな状態で包丁を動かしても、私が指を切ることはないわ。えっへん。



「……また威張ったか?」

「威張ってないわよ!」














次の日。秋口といえど朝日に直接当てられた私は、「暑い」という寝苦しさから目を覚ました。

虫の入ってくるのを防ぐために閉じ切った窓を開ける。すると朝らしい爽やかな匂いと、秋を感じさせてくれる少し冷たい風が部屋の中に入ってくる。

お陰で少し火照った身体もいい具合に冷え、ずっとこもっていた部屋の空気が換気される。

それに満足した私は小さく伸びをし、朝食の準備に取り掛かることにした。

キッチンへ向かう途中、床で毛布に包まっている物体を見つけて思い出す。ああ……そういえばこんなやつが泊まってたな。とか。

そう思ってもさすがに無理矢理起こして追い出すわけにもいかないので、朝食を作ってから起こすことにする。もしかして私って優しい?

さて、パンをトースター(河童印)で焼いてっと……



「ほら、朝よ。起きなさい」



何?朝食が少ないって?朝は大体このくらいじゃないかと思うんだけど。まあ楽冶は男だからちょっと物足りないかもしれないけど、私の家に急に来てご飯を食べていくんだから、それくらいは我慢して欲しい。

……そういえば寝起きで忘れてたけど、楽冶が厄まみれで不幸になってる可能性があるんだっけ。やっぱり起こさないほうがいいかしら。昨日はああ言ったけど絶対面倒だし。



「……ん……朝か?」



あ、起きちゃった。こうなったら無理矢理寝かすのも何か面倒なので、一緒に朝食を食べることにしよう。



「おはよう厄神」

「おはよ……確かにそうなんだけど……名前で呼んでくれる?」

「おはよう雛」

「おはよう……すんなり呼んだわね」

「お前は結局どう呼んで欲しいんだ?」



そりゃあ厄神なんて呼び方よりは、雛のほうがいいけれど。

とりあえず確認しないといけないのは、楽冶が厄にやられていないかどうかだ。だけど、どのように確認すればいいのかしら……



「んー……特に身体がダルいというわけでもないし、気分が悪いわけでもないから大丈夫じゃないか?」

「何で首が右に傾いたままなのよ」

「寝違えた」



それは厄のせいではないわよね……多分。

首が多少曲がっている楽冶と朝食をとる。少し気にしていた朝食の量に対しても何か言われるでもなく、少しの会話をしながら終了した。


会話の内容を言ってしまうと、今日こそ秋姉妹に会えるはずだから会いに行くらしい。昨日同じようなことを言って会えなかったのに今日も行くというのは、相手を信用しているのかポジティブなのかバカなのかどれかなんだろう。まあ昨日今日の関係だけれど、全部当てはまっているような気がする。



「じゃあ今日も行ってくるわ」

「いってらっしゃい……何でまた戻ってくるみたいな言い方なのよ」

「それはだな。何か自分の家みたいにくつろげたし、ご飯も美味かったし」

「寝違えてるけど?」

「それはそれだな。うん」



それにご飯が美味しかったのは別に理由にならないでしょうに。

私も何だかんだ楽しくなかったわけではないし、話をする妖怪や人間も少ないので昨日の夜から今まで話をできたのは嬉しく思っている。

また話したいという気持ちもないと言えば嘘になる。楽冶は戻ってくる感じで言っているが、わざわざ不幸になる厄神のところに戻ってくる人間なんていないだろう。いくら今の楽冶が不幸になっているように見えなくてもだ。



「なあ雛」

「何よ」

「そんな顔しなくてもさ、また家に来るから。去年からの約束で秋姉妹の家にいかないといけないけど……お前は別に秋限定じゃなくて、一年中大丈夫だろ?」

「気持は嬉しいけど、私は厄神よ?もしあなたが不幸になっちゃったり、厄を溜めてしまって人里に行ったりしたら……」

「それは平気だ。俺は色々あって一部では有名だからな。今さらだろ」



楽冶によると、人間より妖怪とか神とかとの付き合いが多くて大変らしい。そしてその事は人里でも少し有名なのだとか。

って、人間なのに人間以外との付き合いが多いってどうなのよ……だけど、だけどそれなら。



「ふふっ。確かに大丈夫そうね」

「ああ大丈夫だ。それに、もし不幸になってたらお前に責任とってもらうしな」

「はあ?何で私がそんなこと……」

「つまりだ。俺は不幸になろうとならまいと、ここに戻ってくるから」



うっ……!今のはちょっと、ほんのちょっとだけどグッときた。

嬉しいという気持ちを顔にださないようにするのに必死になってしまう程、私は照れていただろう。



「ま、その時の朝食はパン二枚、いや一枚半にしてくれると助かるかなー」

「何であなたの為にパンを多めにださなくちゃいけないのよ……でも、本当にたまにならだしてあげてもいいわよ?」

「そりゃ助かる。さすがに大の大人に食パン一枚は少なくてな」



そして次に来た時の夕飯は楽冶が作ってくれるという約束をして、私の家は一人になった。

珍しく使うことになった複数の食器を片付ける。

今度使うのはいつになるのだろうか。いつ来るか分からないから、定期的に手入れしないといけないわね……そう思ったことだけがいつもと違うことで、それ以外はいつもと変わらない一日を過ごした。














コンコン



「はい。どなた……え?」

「すまん。今日もまだいなかった……」



食器。洗っていてよかったわ。


はい。雛ちゃんです。くるくる回ってないです(笑)


雛の「えっへん」姿が妙に頭に浮かべることができたので、やらせちゃいました。皆さんはどうですか?


今年もよろしくお願いします。詳しくは活動報告にて!

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