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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
200/223

羽毛って気持ちいいよね

まさかの焼き鳥屋から投稿。ごめんよみすちー


身体が少し冷えたので、少しだけ眠りから覚めようとする。だが、そんな時に胸の中に暖かい何かを感じ、そのまま抱きこんだ。

何故こんなに身体が冷えるのか。そういえば昨日の夜も少し寒かったなと思い考えてみれば、永遠亭にいた時で春だったのだから、それから彼岸、紅魔館、月で数か月過ごしている。そうなれば夏は終わり、秋に差し掛かっているのかもしれない。あー……幽香の向日葵畑見にいってないな……つまり三か月に一回行かないといけないのも行ってないな。俺ヤバいんじゃね?

いやいや、あいつが家壊したんだし問題ないだろ。それで忙しくて行けなかっただけだし。帰ってきたと思ったら強制労働だし……よし。あの姉妹のところに食糧を集りにいくのが先決だな。

そんなことを寝惚けた頭で考えていると、胸の中の何かがモゾモゾと動きだした。非常に寝苦しいので、押さえつけようと少し強く抱きこむ……と、さらに動きが大きくなった。それと同時に顔に羽のような柔らかいものが当たってくすぐったい。ん?羽?



「……おはよう。みすちー」

「あ、あんたねえ!朝一番に私を殺す気なの!?」

「バカだな。お前を殺すなら焼くわ」

「食べる気!?」



そういえばミスティアの家にご厄介になってたな。んで、罰やらなんやらで一緒に寝たのか。二人で寝たらこうなる可能性が高いことは分かっていたし、ミスティアも分かっていると思うので、ギャーギャー言っているミスティアは無視することにする。朝から元気だなー。

と。俺は棚の上にある物を見つけ、手に取った。



「大体楽冶は!私の気持ちを分かってないから!」

「はいはい。じゃあみすちー。こっちこい」

「……何でよ」

「そのボサボサ寝癖ヘアーを直してやる」

「ええ!?そんなに酷い?」



かなり驚いてるミスティアに、一緒に置いたあった手鏡を使って見せてやる。驚きの表情のあとに、その格好が恥ずかしいのか少し顔を赤くしたミスティアは、大人しく俺の前に座った。

飲み水用に置かれている容器から少し水を貰い、寝癖が酷いところへ付ける。タオルを使って水気をとりながら直し、櫛を使って綺麗に整えてやる。



「もう。こんなことしていいのは楽冶だけなんだからね」

「ありがとうございますお姫様」

「うー……」



それ以上何も言わなくなったので、ミスティアの髪を整えることに集中することにした。

ミスティアの髪は人間の髪より少し柔らかいような感じがするが、癖が強くて少し強めに梳かなければならない。だが強すぎてしまうと髪を傷めてしまうし、もし頭に当たってしまっては大変なので細心の注意が必要だ。

気を付けながらやっているおかげか、ミスティアは時々くすぐったそうに頭を動かすだけで、特に何か言うことはなかった。

ああ……平和だ。















「ん〜……」

「みすちー?起きろー」



髪を梳いている間に気持ちよさそうに寝てしまったミスティアを起こす。



「あれ?私寝てた?」

「少しな。十分くらいじゃないか?」

「……寝顔見た?」

「そりゃ見たが……気にするな」



あれだろ?寝顔見られるのが恥ずかしいっていう……まあ、ミスティアが寝てたおかげで髪を綺麗に梳くことができたし、寝顔も可愛いから結果オーライである。



「そういう問題じゃないんだけど……」

「だから気にするなって。それよりも今日は何かすることあるのか?」

「もう……今日は屋台は開かないから、特にすることはないわよ」



何もないのか。それだと逆に面倒なんだよなあ。結局昨日はここに泊まった訳だが、今日からはどうするべきか。一般的には人里に住むのがいいんだろうが、屋台で働いている間だけはミスティアの家に住んでもいいような気がする。いや、ミスティアがいいって言うか分からないけど。住み込みバイトって感じは無理か?



「なあみすちー」

「今度は何?」

「俺、働いてる間だけここに住んでいいか?」

「ええっ!?」



あれ?これはダメなパターン?

……そうだよな。レディーの家だし。昨日泊まらせて貰えたのは夜道が危ないという理由があるからで、今日は昼間に人里に行ってしまえば関係ないからな。しょうがない。

諦めて人里に行くか……



「……いいよ」

「だよな……いいのか!?」

「何?そっちが聞いてきたんじゃない。それに考えてみれば、絶対そっちのほうが効率がいいわ」



いや、正直いいと言われるとは思ってなかったもので……

それにしてもミスティアから効率という単語がでてくるとは意外だ。バカルテットの一員なのに、結構計算できるんだな。



「あのね。屋台してればそのくらいできるわよ!」

「いや、屋台してなくても普通はできると思うが……」

「もう!バカにしないでよー!」



怒っているが本気ではない。擬音をつけるなら「プンスカ」という感じだ。あー。見ていて逆に癒されるぜ。可愛らしいなおい。



「そのかわり家事もしてもらうからね!宿泊費!」

「おう任せろ。家事は得意だからな。これでも多少なりとも咲夜に認められたことがある」

「何それ凄いの?」

「まあそこそこ凄いんじゃね?」



完全で瀟酒なメイドだし。

さて。今日は開かないが明日開くということで、今日は少なくなったお酒の仕入れをすることにした。昨日のあいつらは、食べ物より酒派なので酒が大量になくなってしまったということだ。かの有名な雀酒はミスティア本人が作っているらしいが、その他のお酒は人里購入である。そしてあの雀酒を飲むことはないだろう。確かに上手かったが、頭がおかしくなるんだよなあれ……元からとか言うなよ?

という訳で人里です。

いつも利用しているという酒屋さんに向かって前進。いや、右折。今回はミスティアにぶら下がってやってまいりました。だって飛ぶの苦手だし。



「だから練習すればいいじゃない」

「ふ。生まれてこのかた修行も練習もしたことないわ!家事以外な!」

「うわー。将来は専業主婦……じゃなかった主夫にでもなる気?」

「活字でしか分からない間違いすんなよ。そうだなー。俺みたいなやつを貰ってくれるやつがいたなら、そりゃやっぱり嬉しいかな」



と答えてミスティアのほうを見てみると、意外以外に思ってないだろ。って感じの顔でこっちを見ていた。何て失礼なやつだ。



「だ、だって楽冶って、そういう噂全然聞かないじゃない」

「そんなこと言われたってなあ……実際ないし」

「いつかは……その、付き合いたいって思ってるの?」

「そりゃいつかはなー。生涯独り身ってのは嫌だしな。何だ?みすちー貰ってくれるのか?」

「な!何言ってるのよ!そんなこと一言も言ってないでしょ!」



分かった分かった。冗談で言っただけなのに、まさかこんな勢いで断られるとは……お兄さんは悲しいぞ。昔のミスティアはもっといい子だったのに。時が流れるのは早いなあ。



「いや。私の小さいときなんて知らないでしょ?」

「今でも十分小さいがな」

「何?何か言った?何なら今から鳥目強化月間にしてあげるけど?」

「あー。つまりあれだ。俺なんかに魅力はないんだよ。うん」



誰もが使える奥義。話題そらし。奥義「話題そらし」とかいうスペルカードじゃないぞ。

俺が一人で納得していると、横。つまりミスティアから「はあ……」と心底呆れているような溜め息が聞こえた。



「どうした?みすちー」

「何でもないわ。気にしないで」

「そうか?何かあったらすぐ言えよ?」

「はあ……(何で願望あるのにこんなに鈍感なんだろ)」

「ん?やっぱり何か……」

「楽冶の心配してんの!付き合いたいならちゃんと探しなさいよ!」

「いや……そこまではないかな?」



おおう……そんなにグサッとくる言葉を言わないでくれ。いや、ま。いつかでいいからさ。いつかで。



「そんなこと言ってるとすぐ死んじゃうわよ?」

「だからそうなる前にはみすちーが貰ってくれよ」

「……いいわよ。そうなる前にはね」

「え?マジで?」

「もういいでしょ!早く酒屋さんに行くわよ!」



走りだしたミスティアを追いかけようと、俺は少し走りだす……いや、全力で走りだした。


こんな人里の中心で大声であんなこと話してれば、皆の視線がこっちを向いてるのは仕方がないよな……とか思った訳じゃないからな?


鳥目強化月間(何ぞ


焼き鳥うまー


感想で気付いたんですが、200話目でしたw

読んでくれた皆様!ありがとうございます!

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