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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
197/223

お煎餅と屋台と楽しみと

少し遅くなってしまった……申し訳ありません。

土曜日も仕事だったんですね。


少し短い&意味が分からないですが、ご了承をば(おい



という訳で。楽冶を雇うことになりました。

といっても店は不定期なので、やる時にこっちから呼びにいかなければならないというね。交通費貰おうかな?カロリー計算で。



「だから何かちょうだい?」

「お前。俺が昨日倒れてたの見ただろ?」



特にやることもないので、暇な時間は楽冶の家にいることにした。まあ一緒にいれば、屋台を開こうと思った時にヤツメウナギとか一緒に取りに行けるしね。それも大事な仕事だから。



「あー。そういえば。どっかそこら辺に煎餅あるかも」

「煎餅?」

「あれだ。米を固めて醤油味にしたやつ」



何かとても大雑把な説明だったけど、お米ということで食べたくなった。雀は米が大好きなのだ。

因みに雀はお釈迦様から米を食べることを許された鳥だ。元々米が大好きだった雀が、許されたからといって食べ、子孫も米が好きになってしまったのも仕方がないと思う。つまり何が言いたいかというと、私は夜雀だから米を食べていいのだ。


その煎餅とやらを見つけようと指さされたあたりを探すが、米を固めたようなものは見当たらない。



「楽冶。ないよ」

「んー……その上の引き出しに入ってなかったらないな。一応見てみてくれ」



右側の引き出し……からっぽの財布

左側の引き出し……何か茶色くて平たいもの


財布は放置し、茶色で平たいものを持ってみる。少し力を入れたら割れてしまった。これかなあ?



「何か茶色くて平たいものならあったよ?」

「あー。それだ。食っとけ」



米を固めたようには見えないけど、楽冶がそうだと言うので信じてみることにした。透明な袋から取り出して、まずは匂いを嗅いでみる……あ。醤油の匂いがする。

結構いい匂いだったので、恐る恐る口へと近付けていく。楽冶のことだから私を騙すために、何か食べれないものに醤油をつけていたとしても不思議ではない。

警戒心を緩めずに、先ほど割れた内の小さいカケラを口に入れる。



「……美味しい」

「そりゃよかった。何ならそこにある煎餅全部やるぞ」

「え?いいの?」

「その変わり働かなくていいということで……」

「そんなの許せるわけないでしょ!ヤツメウナギは高いんだからね!」

「言いながらも食うって……お前結構やるな」



あ。本当だ。美味しくて一枚すぐに食べ終わってしまった。全部くれると言われたので、遠慮なくもらうことにする。もちろんヤツメウナギ代じゃなくても引いてあげるなんて優しいことはしないけど。私にもお金は必要なのだ。

もう一枚食べながら何か忘れていることを思い出す……って!その屋台をするから楽冶のところに来たんだった!



「楽冶!早くいくよ!」

「え?マジで俺働くの?」

「そういうことになってるでしょ?ほら!」

「だが断る!」

「余ったら残りはあげるのに……」

「何やってんだ。行くぞ」



何て現金なんだろう……















楽冶を雇ってから一ヶ月くらい経った。一ヶ月の間に屋台を開いた回数は五回。そろそろ博麗霊夢と霧雨魔理沙のヤツメウナギ代を、返済という形にしてもいい頃だろう。

この一ヶ月間、私は屋台がなくても、遊ぶ予定がなければ楽冶の家に行ったりしていたりする。勿論毎日じゃないし、他にも用事があったりするんだけど。

それにしても楽冶の手際のよさには驚いた。いくら一人暮らしをしているからといって、簡単にあのレベルまではならないと思う。楽冶が作った肴はとても美味しく、屋台での人気商品となっている。特に鬼の伊吹萃香が絶賛していて、他の鬼たちにも分けるとか言っていた気がする。

はあ……私が自分の気持ちに気付いたのは、この頃になるのかなあ。といっても、この時はまだ「好き……かな?」って程度だったと思う。

屋台で楽冶と仕事をするのも楽しく感じていたし、家に遊びにいくのも楽しみにしていた。そして、屋台を手伝ってくれてる時に、他の女性客と話されるのは少し嫌だった。何かこう……イラッとするんだよね。お客様の手前、強くは言わないけど。



「みすちー。何考え事してんだ?それ焼けてるぞ?」

「え?あ。本当だ」



最近、楽冶にツケを押しつけた二人組は来ない。多分楽冶がいなくなったら来るんだろうなー。とか思っている。実は八雲紫に「魔理沙はまだしも、霊夢の分は払ってもいいわよ?」と言われたことがあるのだが、それは断ってしまった。だって今みたいにサポートしてくれる人が長くいてくれるのは助かるし、まあ……やっぱり一緒にいたかったのかなって思う。



「でだ。何を考えてたんだ?」

「えーとね。そろそろツケ返済でいいかなって……」

「え?マジで?俺ってそんなに働いたっけ?」

「もう一ヶ月くらいは働いてるわよ」



本当に考えていたことではあるけど、言われた時に考えていたことは言えない。いきなり「ずっと一緒にいたいって思ってた」なんて言える?私は無理かな。何ていうかその……結婚するみたいじゃない。あっ!違っ!そうじゃなくてほら!ええと……



「……何一人で赤くなってんだ?熱でもあるのか?それなら店閉めないとお客さんに迷惑かかるぞ?」

「何でもないわよ!気にしないで!」



「そうか?」とだけ楽冶は言うと、目の前の客と話し始めた。何かさっきからずっと話しているような気もする。

そう思っただけで、先ほど言ったようにイライラしてきた。そして私は口にだしてしまう。



「もう!話してばかりじゃなくて仕事してよね!」

「え!?何かやることあったっけ?注文は入ってないんだが」

「あるわよ!掃除とか洗い物とか!」

「いつも食器はまとめて洗ってるじゃねえか……」

「暇ならやってていいでしょ!ほら早くやる!」



イライラしていたせいか、少し強い口調になってしまった気がする。これが素直になれないってことなのかなあ……そういえば、楽冶に強く言ってしまう人って多いけど、まさかそういうことなのかな?もしそうだったら……うん。これ以上考えるとヘコんでしまいそうなのでやめておこう。















結局のところ、楽冶は今日でやめることとなった。さすがに長く働かせたら悪いと思うし、ずっといたらツケを押しつけた二人とかが殴りこみにきそうだし……



「さて、何かいざやめるとなると何か寂しいな」

「ならせめて食べに来てよ」

「そうだな……金があればな」



私だって本当は寂しいのだけど、それを表に出すようなことはしない。だって、ここでこの気持ちをだしてしまったら、楽冶はやめないでくれると思う。だけどそれは、楽冶の性格を利用しているだけだ。だって楽冶は……



「そうだみすちー」

「……何?」

「お前も暇だったら家にきていいからな?遠慮すんなよ?」



お人好しなんだもん。誰に対しても。















ああそうか。もしかしたらあの時、私の心は見透かされていた。とまではいかなくても、薄々感づかれていたのかもしれない。いや、そうなんだろう。それはちょっと恥ずかしいけれど、私を気遣ってくれた優しさは本当に嬉しい。


あれから楽冶と店をやらなくなって、私は楽冶のことが好きなんだなって気付いた。だって何か寂しいんだもん。もし私と楽冶が、その……付き合って、けっ、結婚しちゃったりしたら、ずっと店を切り盛りしていけるよね。あ。ちょっと考えるだけで恥ずかしい。



とりあえず今はチャンスだから、少しでもアピールしていかないと。はあ……どうすればいいんだろう。


みすちー可愛いけど夜雀だから鳥目にされるらしい。だけどみすちーはみすちーだしみすちーだからこそ鳥目にされたいって思えるんだよ。つまりみすちー可愛いよみすちー




あ。次回から現代√です。みすちーを可愛くかけるかな?

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