布団の行方が……
この度、アットノベルスの東方楽々記削除です。更新してなかったし。
消した後ですいません!
さっきの音からしてかなりの衝撃だったと思ったので実際に見てみると、額から煙がでているレイセンの姿があった。あたりどころが悪かったようで、ピクリともしないのが非常に怖い。だが置いていくわけにもいかないので……まあいいか。
というわけでレイセンは放っておいて、朝食に行くことにしました。しょうがないからよく寝れるように、布団はかけといてやろう。遅刻しても俺のせいではない……よし。行くか。
「二人とも、おはようさん」
「あらおはよう」
「おはよう。あれ?レイセンが起こしにいかなかった?」
「来たには来たが……今どうなってるのかは知らん」
「……どういうこと?」
さあな。だが嘘はついてないぞ。俺の部屋まで来てその後、額をぶつけて倒れたところまでは知ってるがな。今はどうなってるかは知らん。そろそろ起きて向かってるんじゃないか?
「まあ先に食べましょう。冷えてしまうわ」
「お前本当に食うの好きだな」
「ふぁふぇふふぉふぉ「お姉様。はしたないので食べながら話さないでください」……ん。食べることと生きることは同じだもの。楽しまないと」
「分かった分かった。分かったから食事を中断させられただけでそんな悲しそうな顔をするな」
なんだそのお腹すいてる子犬みたな顔は。こっちが悪いことしてるような気分になるからやめてくれ。
その後三人で普通の朝食の時間をすごした……が、結局レイセンが朝食に現れることはなかった。
「えへ〜。楽冶の匂いがする〜zzz……」
朝食が終わって部屋に帰っている途中、未だに気絶しているレイセンが目に入ったが、面倒なので無視することにした。何といっても今日は稽古を見に行かなければならないのだ。それだけなら大したことないが、今日は豊姫も参加するのである。下手すれば血の雨が降りかねないので、(心の)準備は大切だ。
その事を考えると窓の外遠くに映る木の大群を見るだけで心が休まるというものだ。さすが自然。全部桃の木なのがいただけないが……まあ休めることはできたので、時間も時間だし行くことにする。
……あ。レイセンがいない。布団ごと。
俺が使ってはいたが、俺の物ではないので気にすることもなく稽古場へと向かった。すると、なんとまあレイセンがいるではありませんか。とても死にそうな顔をして。
「よおレイセン。どうしたんだ死にそうな顔して」
「ご飯……お腹減った……」
俺の質問に返したというよりは、何か自分に対する声が聞こえたから返しただけのような気がする。だがお腹が減っているのは自業自得だそ。布団をかけた俺に罪はない。
とりあえずご飯ご飯言っているレイセンを現実に引き戻そうと思い、耳の近くで声をかける。
「レイセーン」
「ご飯……ご飯……」
「……レイセンの今日のパンツの色は「あ。手が滑った」へぶっ!」
レイセンの裏拳が頬に直撃する。いや、大した力じゃないけどさ、綺麗に決まれば痛いに決まっている。
「おまっ。元気じゃねえか」
「楽冶が変なこと言おうとするからでしょ!」
「お前がトリップしてるからだろうが」
「しょうがないじゃない。ご飯食べれなかったんだから」
だからそれは自業自得だろうに。あ、一応本人が目の前にいるし、時間もまだ少しあるから布団の行方を聞いてみよう。
「そういえばお前にかけてた布団はどうなったんだ?」
「あー。あれはね……」
「あれは?」
「私ね。依姫様に見つかって叩き起こされたんだけど」
それは気の毒に。さぞ怒っていただろう。
「いや全然怒ってなかったよ。そのかわり布団は依姫様が持っていったけど」
「何故だ……」
「……さあ。私は分からないよ?」
何か訳あり顔なレイセンだが、聞いてほしくなさそうなので聞かないことにした。仕方がないから依姫に直接聞くことにしよう。どうなっていてもいいが、行方は気になるからな。
そこに丁度依姫が現れる。豊姫も一緒だ。二人の表情を見るに豊姫が逃げだそうとしたんだろうなあ……昨日あれだけ行くって言っておいて。
依姫は時間ギリギリに来て、時間ぴったしに始める。つまり稽古場に来たらもう休憩まで話す暇がないということなので、こっちから歩いていって話しかけることにする。
「依姫。ちょっと聞きたいことがあるんだが」
「楽冶〜!依姫が私を苛めるのよ〜!」
「人聞きの悪いこと言わないでください。それで何?」
「ああ。レイセンにかかっていた布団なんだが……どうした?」
話題をだした瞬間に依姫の顔が引きつり、さっきまで無視されたとヘコんでいた豊姫が笑顔になる。黒いけど。
「あ、あれはね。廊下にあったってことで洗濯よ」
「そうか。いや別に行方を知りたかっただけだから」
「楽冶!桃とって!桃!」
「のわっ!」
いきなり豊姫が飛びついてくる。依姫と兎たちがこっちを見てきて若干恥ずかしいが、豊姫は気にする素振りもみせない。特に依姫が何か言いたそうな表情を浮かべていたが、豊姫が何かコソコソと話した結果……顔を真っ赤にして黙ってしまった。どうした依姫。何か弱みでも握られているのか?
「ほら。桃をとりに行くわよ!」
「稽古はいいのか?」
「食べた後に参加するから大丈夫よ」
食後にすぐ運動するのは大丈夫なのか疑問が残るところだが……豊姫だし大丈夫か。そう思って桃をとってやることにした。明らかに豊姫が自分でとったほうが楽だというのは、もう面倒だから言わないことにした。何回言っても俺が取ってる気がするしな。
「ほらよ」
片手で桃を五個ほど抱え降りてくる。あんま持ちすぎて落としたら勿体ないしな。
「ありがとー!」
無邪気な笑顔で俺の手から一つ桃を取ると、そのままの笑顔で桃に齧りついた。
「ん。おいしいー!」
「いつも食べてるだろうに」
「今日のは特別に美味しいの!」
言いながらも桃を食べ続け、すでに三個目の桃に突入していた。何というか、本当に嬉しそうな笑顔で頬張っている姿は可愛らしい。これは昨日の教訓を生かすときである。
「なんつーか」
「にゃによ」
いや、口に含んでるからって猫語になるか?
「いや、頬張る姿が可愛いと思っただけだ」
「……え?」
この後すぐに豊姫が珍しく稽古に励むという出来事があった。
後書きがいつもあると思ったら大間違いだ!
東方のコルクコースターやっと届いた




