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東方楽々記  作者: COPPE
第七章 月の裏側へ飛ばされたらしい
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教えてもらえなかったら諦める

いや、基本は諦めちゃダメですよ?だが今回のは諦めてもいいかと。




夕食の準備ができたということで、豊姫に肩を貸してもらいながら向かう。女性に手伝ってもらうのは非常に恥ずかしいが、今日の負傷は全部豊姫のせいなので手伝ってもらうことにした。



「楽冶。申し訳ないけれど、私だけのせいじゃないからね?」

「他に誰のせいだよ……」

「あなた自身の考えのせいよ」



肩を貸してもらっているため、とても近い位置にある豊姫の整った顔は、私は機嫌が悪いとばかりにふんっ!とそっぽを向く。何気に頬を膨らませているのが逆に可愛らしい。というか頬を膨らませているのを見ると、つついてしまいたくなるのは俺だけじゃないハズだ。


つんっとつつくと、ぷすっと豊姫の口から空気が漏れる。



「……何よ」

「頬が膨らんでいたからだ」

「誰のせいだと思ってるの!」



そう言うとまたぷくっと頬が膨らむ。あれか?怒ると頬が膨らむのか?

とりあえず可愛らしいのは可愛らしいのだが、俺はいつもの豊姫のほうが好きなので何とかやめさせることにする。



「まあ俺のせいなんだろうが、頬を膨らませるのはやめようぜ(つんっ)」

「(ぷすっ)別にいいじゃないの。何か問題があるの?」

「問題はないし、頬を膨らませているのは可愛らしいとは思う。だが、俺はいつもの豊姫の顔のほうが好きだな。うん」



まあ、偶には見たいと思うけどな。

そう思った途端に、豊姫はこっちを見るのをやめる。まるで俺から顔が見えないように動かしたように感じたため少し思うところがあったが、何か考え事でもあるのかと思い何も言わないでおいた。もしかしたら膨らんだ頬を直すのに必死なのかもしれない。



「そ、そこまで言うんだったら!直すわよ!」



急に振り向いた豊姫の顔は、言っている通り元の顔に戻っていた。これはこれで残念だと思うのは、俺がワガママな訳ではないと思う。



「どう?大丈夫かしら?膨らんでない?」

「大丈夫大丈夫。ほら」



そう言って頬をつついてやると、ぷすっという空気が抜ける音は聞こえず、マシュマロのような柔らかい感触がした。



「ふふ。じゃあいいわ」



頬をつついていた俺の指を軽く掴むと……ちょっとだけ顔を赤くしながら、はにかんだように微笑んだ。



「……ぐはっ」

「えっ?ちょっ!大丈夫?」

「大丈夫だ。うん」



いきなり見せられる綺麗な笑顔には弱いんだよ……いや俺が弱いっていうよりは、女性が不意に見せる笑顔が綺麗すぎるんだよ。この笑顔を見れたときは、本当に精神的ダメージが大きいな。もちろんいい意味で。


話しているうちに部屋の前に着いた。この後食事中にも色々あったにはあったのだが……それはまた別の機会ということで。














風呂にも入り終わり、後は寝るだけという状況。何故か布団は一枚しか敷かれておらず、豊姫はもうその布団に包まっている。

あれ?前来た時は二つあったよな?



「あれは隣の部屋の布団よ」

「じゃあまた持ってくればいいだろ?」

「……今はないのよ」

「何故だ」

「……細かいことはいいの。ほら早く寝るわよ。明日もどうせ早く起こされるんだから」



この屋敷では、依姫の指導のせいか朝が早い。早寝早起きが基本。ご飯も何品目か忘れたけど、食事にも気を使っているらしく手を抜いたご飯はでてこない。といっても依姫は朝に稽古をやっているらしく、食事を作るのは兎たちなのだが。依姫の料理を見てみたい気もする。実はできないのかもしれないけど。



「この布団が嫌なら床で寝てもらうわよ?」

「じゃあ床で寝るわ」

「嘘嘘!もう!早く入ってちょうだい!」



豊姫の冗談に冗談で返しておいたが、あの慌てようから察するに実は本気だったのかもしれないな。さて、ずっと考えていても仕方ないし、お言葉に甘えて一緒に寝ることにしますかね。あ。もちろん豊姫に背中を向けて寝るからな?



「というわけでおやすみ」

「早くない?もうちょっとお話しましょうよ」

「お前な……さっきと言ってることが違うぞ?」



早く起こされるから早く寝るんじゃなかったのか?



「あと一時間以内に寝れば、明日の寝起きに支障をきたすことはないわ」

「そうか。じゃあおやすみ」

「何でよ!」

「俺は寝むいんだ。寝かせてくれ」



実際は一緒に寝るのは緊張するから、意識する前に早く寝たいだけだがな。そう思いつつも少しだけ豊姫のほうを見ると、また頬を膨らませていた。



「ほら。また膨らんでるぞ」

「……膨らませてたのよ」



そのやり取りに二人同時に少しだけ笑うと、またもや二人同時に布団に寝っ転がった。

今度こそ寝てやると目を瞑る。すると、少ししてから背中を触られた。



「……何だ?」

「ねえ楽冶。昔、まあ私にとっては昔って程じゃないんだけど……背中を触らせてもらったの覚えてる?」

「ん……ああ。そんなこともあったな」



とえいあえずそう言ったものの、実際は殆ど覚えていない。言われてほんの少しだけ思い出した程度だが……まあ嘘ではないからいいだろう。



「あのさ。もう一回やってもいい?」

「ん?背中か?」

「う、うん……」

「前も言ったような気がするが、睡眠の邪魔じゃない程度にしてくれよ?」

「うん!分かったわ!」



睡眠の邪魔にならない程度に!と言ったのに、普通に飛びついてきた。ぶつかった瞬間の衝撃は強かったが、それ以降は大人しかったので文句は言わなかったが。

それにしても、何故背中にもう一回触りたいなんて言いだしたんだろうか。いやもう触ってるというより抱きつかれてる感じがするけど。

それを聞こうと思って、目を開ける。



「そうそう。そういえば前回も背中の感想を言ってなかったわ」



聞こうとしたことを豊姫が言いそうなので、若干開いてしまった口を閉じて大人しく聞くことにする。

俺が女性の背中に抱きついても俺より小さいし(というか殴られるだろうな)、男に抱きついてもむさ苦しいだけだしな。女性が男性のに抱きついた感想は気になるといえば気になる。



「ええとね……うーん……」

「…………」

「やっぱ教えない!」



思わず俺は起き上がった。



「何でだよ!」

「何でもよ〜」



答える気がなさそうな豊姫に溜息を吐くと、俺はまた元の位置に戻って目を瞑るのであった。背中に豊姫をくっつけながら。


……女性から男性への気持ちは、女性にしか分からないってことだな。


ていうか割と儚月抄長い!



そろそろまだ見てない映画を見たい。銀魂とか、エヴァ破、Qとか、そらおととか。消失見てないけど何か見る気なくなったな……

まあ時間がないんだけれど

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