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東方楽々記  作者: COPPE
第七章 月の裏側へ飛ばされたらしい
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慣れたら意外と楽しいかも

いえ。忘れてたわけじゃないですよ?寝てただけです(キリッ



次の満月まで楽冶を住まわせることにした。一応依姫にも伝えておいたから稽古についていっても怒られることはないだろう。そして依姫に見張りを頼まれるに違いない。敵意の無さは依姫にも分かるだろうから。だけど真面目に見張りをする気はないでしょうねえ……そういう楽しいことを求めるのは私と似てるわね。

……お腹減ったわ。また桃を食べましょう。


やはり桃じゃお腹にたまらない。だからといって次の食事までは桃以外に食べるものがないのである。本当は桃も食べたら悪いのだけれど……

私は窓から身を乗り出して手を伸ばす。……くっ!届かないわ!

はあ……と肩を落としていると、下の部屋から物音が聞こえてくる。もしかして楽冶とレイセンが返ってきたのでは?実は楽冶を住まわせている部屋は私の真下の部屋なのだ。



「楽冶〜!楽冶〜!」

「ん?おう。どうした豊姫」



またもや身を乗り出して楽冶を呼ぶと、下の部屋の窓から楽冶が首をだしてこちらを見る。

何故楽冶の部屋を真下にしたのかというと



「ちょっと部屋まできて頂戴」

「かまわんが、一人で行っていいのか?」

「このくらいならどっちでもいいわ!ほら早く!」



こうやって楽冶を呼ぶためだ。

私は基本的に自室にいる。偶に稽古に顔だしもするが、私は仕事をするにしても部屋にこもってやることが多い。さらに仕事がすぐに終わってしまうと暇になる。そんな暇な時に楽冶を呼べば暇つぶしになるかな?と思ったわけだ。

綺麗な襖がスーっと開くと楽冶が入ってくる。



「って許可とるくらいしなさいよ」

「俺は来た側だから問題ないだろ。いわゆる客的ポジションだぞ?」

「お客さんだって、お邪魔します。とか言うじゃない」

「それはそれ。俺は俺だ」



……ちょっと意味が分からなかったわ。



「そんなことより、桃をとってくれない?」

「そんなこととは酷いな……まだ食うのか?」

「いいじゃない。成長期なのよ」

「え?お前今何さ「因みにこの扇子を振ればあなたは素粒子になるわ」……届くだろ?」

「届かないから呼んだんじゃないの」



全く。女性に年齢を聞こうとするなんてマナー違反よ。確かに私は今(この言葉は海に飛ばされました)歳だけど、成長期は成長期なのよ。

届くと言う楽冶の言葉に答えながら、私はもう一回手を伸ばす。うーん……やっぱり届かないわ。



「ほらね」

「はい扇子」



私にもう一本扇子を渡してくる。すでに私も一本持っているので合計二本。これで挟めということだろう。ちょっと前、私はこの方法で失敗したばかりだ。



「この方法は失敗したのよ」

「いや。ならあれだ。次はできる」

「もう。できないの!」



そう言いつつ、できない証拠に手を伸ばしてみる。と、扇子の先が桃に当たった。



「お。もう少し手を伸ばせば届くんじゃないか」

「これ以上は……私が落ちるわ」

「ほら。もう少しだぞ。頑張れ!」



楽冶が横に立って応援してくるので、何となく気合いが入ってしまい身体を精一杯伸ばす。もう……少しで

扇子で桃を挟むまではしたものの、桃は重力に逆らうことなく扇子から逃れ落ちてしまった。そして、はあ……と脱力した瞬間に



トンッ

「え?」



背中を押された。



「ちょ!らくっ!キャー!!!」



自分が飛べることも忘れ、先ほどの桃と同じように落ちていく。私が怖くなって目を瞑る直前……下から手が伸びてくるのを見た。






「ま、まさか本当に落とすなんて……」



どうやら一瞬だけ気絶していたらしい。近くでレイセンの声が聞こえて私は目を開けた。



「……ここは?」

「あ。豊姫様起きました?よかった〜。ここは豊姫様の部屋の真下の部屋です」



一瞬といえども気絶してしまったので、直前の記憶があやふやだ。確か桃を取らせようと楽冶を呼んで、結局私が取ろうとして……



「お〜。レイセン。ナイスキャッのわあっ!」

「ふふふ。私を落とすなんて……容赦はしないわよ?」



楽冶が立っていた後ろの襖が、扇子が起こした風によって素粒子に変わる。この扇子は思いっきり振ると山を素粒子レベルにまですることができるが、さすがにそれをしてしまうと屋敷がなくなってしまうので室内では小さな風しか起こせないが。

自分の命の危険さを感じとったのか、楽冶は襖のなくなった部屋から逃げだす……私から逃げれると思ってるのかしら?



「逃がさないわよ〜!」

「ちょっ!待て待て!それは死ぬ!」

「私も死ぬところだったじゃないの!」

「お前はそのくらいじゃ死なんだろうが!?」



全力で逃げる楽冶に、こちらも全力で追いかけることにした。













夕食時。私たち姉妹と楽冶。そして楽冶の監視役であるレイセンと卓を囲む。



「今日は久しぶりに運動したわー!」

「お前なあ……本当に死ぬところだったんだぞ?」



楽冶との鬼ごっこ(?)は思いのほか楽しかった。だって死ぬ気で逃げるんだもの。最初のほうは本気で素粒子にしようかと思ったけど、途中からは楽しくて遊び感覚になってたわ。



「楽冶が豊姫様を落とすからでしょ?」

「そうそう。レイセン。あなたは私が落とされるのを知ってたの?」

「……『豊姫落とすから下で待ってろ』とは言われましたが、本当に落とすとは思ってませんでした。いくらなんでも」

「バカだな。俺だぞ?」

「どんな自慢!?」



実際あの高さから落ちても死なないでしょうけど、地面にどんどん近付いていっている時は死ぬかと思ったわ。けど慣れたら楽しいかもしれない。



「何だ?じゃあたまに落としてやろうか?」

「何でそうなるのよ……今後あなたの前で桃はとらないわ」

「そりゃあ依姫も大喜びだ。宴会が開けるしな。なあ依姫」

「あなたがとるのよ?」



楽冶に言いながらも依姫のほうを見ると、全然食事に手をつけていなかった。



「どうしたの?」

「お姉様……」

「?」



とても不機嫌な声の依姫。本当にどうしたのだろうか?















「いくらなんでもやりすぎでしょう!屋敷の半分ほど消滅してるじゃないですか!」



そう。私と楽冶が走り去った後の殆どが、素粒子へと化していた。う〜ん。さすがにやりすぎたかしら……?


ネタが思いつかないので、こんな感じに

豊姫を落とすって中々ないんじゃね?っていうね。え?ある?

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