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東方楽々記  作者: COPPE
第七章 月の裏側へ飛ばされたらしい
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今度は邪魔しないから

はーい。2月4日。お休みありがとうございます。大⑨州東方祭楽しみました。詳しく知りたい方は活動報告をどうぞ。


え?投稿遅い?べっ、別に忘れてたわけじゃないんだからね!



「ここだよー」



レイセンに手を引かれたまま入ったのは、あの兎たち八人(何て数えればいいんだろうな?)が一緒に暮らしてもまだ快適であろうと思われるくらいの広さであった。



「広いよねここ。結局私たちも半分のスペースしか使ってないのよ」

「それはまあ……こんなん宴会スペースだろ」



半分のスペースでも、レイセンたちが全員布団を使って寝ても、まだ少し余裕がありそうなスペースだ。むしろ兎たちに与えても無駄スペースすぎるだろ。まったく……まあ、中央にある、桃の木の絵が描かれた障子を閉めればいいんだろうけど。って障子まで桃か。ホントに桃が大好きなのか?ここの奴は。

端っこに布団が積み重なっていて、将棋など少しの遊び道具しかないこの部屋でいったい何をする気なのだろうか。聞いてみるか?



「レイセン。ここで何するんだ?」

「何もしないよ?」

「え?」

「さっき言ったように外には出れないし、豊姫様と依姫様は喧嘩してるし。ここは見ての通り将棋ぐらいしかないでしょ?だからここでダラダラ過ごすだけよ」



なんだって!?じゃあ特にやることないじゃないか!……って別にいいか。最近騒々しく過ごしてるし、こう……なんというか、ゆったり?ゆっくり?していって!じゃなくてゆったり過ごすのも大事だと思う。暇だな……何て口癖はこの際置いといてだな……



「それじゃあのんびり過ごすとしますか」

「うん!」



稽古終わりの疲れた笑顔ではなく、元気いっぱいの純粋な笑顔だった。














「ふにゅう」

「うん。足が痛いからそろそろやめようか」

「ええー!いいじゃない。もう少し!」

「ったく……」



日当たりのよい場所で、俺の太ももを枕にしてレイセンが寝転がっている。女性の膝枕が気持ちいいのは分かる。俺もしてもらったことがあるし。記憶は曖昧だけど。

だからって男の膝枕が気持ちいいってことがあるのか?俺はそんなに鍛えてないから筋肉が発達してて硬いわけじゃないけど、それでも女性よりは硬いぞ?



「え?気持ちいいよ?」

「ならいいけどさ……」



理解ができないのに変わりはないけど、本人がいいって言ってるしいいか。

だがもうそろそろ体内時計で一時間ぐらい経つんだけど……咲夜から預かり、急に紫に連れ去られたため返すことのできなかった懐中時計を取り出す。ふむ。五十分だったか。俺もまだまだだな。



「なんかねー?」

「何だ?」

「温もりがあると落ち着くのよね。私が兎だからかなあ」

「まあ……そうなんじゃね?俺は兎じゃないから分からないが」



けど鈴仙が「兎は寂しいと死んじゃいますから」って言ってたからそうなのかもしれない。



「うーん。そうだよね。分からないよね」

「ああ。分からんな」

「じゃあもういいや。交代しよう!」



バッとレイセンは起き上がると、足を横にだし姿勢を崩して座る。いわゆる横座りというやつだ。それをするとレイセンは自分の太ももをポンポン叩く。ここに頭を置け。という意味だろう。そういえば何で太ももなのに膝枕なんだろうか。日本語は謎だ。

そんな面倒なことは考えずにレイセンの膝枕に甘えることにする。こんな暖かいところなら寝てしまうだろうな……



「じゃあ失礼して」

「うん。どうぞ」



ふにゅん。という感じだ。柔らかい。ここで皆様にどのくらいの柔らかさなのか伝えてあげたい。だが……例えようがないんだよな。ただ分かることは 丁度いい柔らかさで丁度いい高さで気持ちいい ということだけである。皆様には申し訳ない。



「なあ。寝ていいか?」

「疲れてるの?」

「ああ。最近キツくてな……月にも急に来たんだよ」

「しょうがないなあ。寝ていいよ」



ポフッとレイセンの手が俺の頭に置かれる。そのままなでられる。何かレイセンになでられると微妙な雰囲気になるのは俺だけか?やってもらうなら是非ともお姉様がたにやっていただきたい。レイセンとか見た目は年下だしなー。気持ちいいのは否定しないけど。というか、なでられるのってこんな感じなんだな。今までに何回かなでたことはあるけど、なでられたことはないような気がする。



「やめろ。眠たくなる」

「……寝るんじゃなかったの?」

「寝るけどさ……」

「じゃあいいじゃない」



これみよがしに頭をなでてくるレイセン……まあいい。寝るか……














楽冶が寝た。私はなでていた手を止め、ふう……と一息吐く。

相変わらず寝癖を直す程度でしか整理しない髪は、本当に何も変わっていないのだと感じさせるのに十分だった。逃げた私を許してくれた時と……

なでていた左手では難しいので、今度は右手で色々とやってみる。頬とか……うーん。思ったよりプニプニしてて柔らかいのね。似合わないなあ。鼻を抓んだら起きちゃうし、次はどうしようかな。脇とか?

そういえば地上で一回と、月で一回。計二回会った紅白の巫女は脇が開いていたなー。とか思って脇をつついてみた。



ビクッ

「きゃっ……起きてないよね?」



もう一回……つん



ビクッ

「ふふっ。何か可愛いなあ」



つんつんつん



ピクピクッ

「あはは「やかましい!」きゃふっ!」



楽冶の声が聞こえたかと思うと、思いっきり頭を叩かれた。うう……痛い。



「起きてるなら起きてるって言ってよ……」

「あんだけつつかれたら嫌でも起きるわ。心配しなくても起きたのは最後だけだ」



うう。さすがにやりすぎだったらしい。確かにあれだけつつかれれば、私でも起きる自信があるけど。鼻を抓んでなくてよかった……そんなことしてたら頭を叩かれるだけじゃ済まなかったかもしれない。私。ナイス判断。



「ったく。俺はここでも安眠できないのか?」

「もうしないから寝ていいよ?」

「本当か?」

「本当だよ!私を信じてよ!」



楽冶は納得してないようだったが、もう一度私の太ももに頭を預ける。よし。なでなで。



「今度こそ寝かせろよ?」

「分かってるわよ。ほら。寝て寝て」

「急かされると寝にくいんだが……」



ブツブツ言いながらも楽冶はもう一度寝てしまった。

今度は邪魔しないから。おやすみ。


そうそう。1月31日で楽々記1周年でした。


達成したよ!わーい!


ここまで執筆ができたのも、皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

思えばスランプに悩まされたり、閉鎖したり、疱疹ができたりと色々あった一年でした。


完結まで見ていただければ幸いです。


それでは!これからも東方楽々記をよろしくお願いします!

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