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東方楽々記  作者: COPPE
第六章 二回目の紅魔館では執事生活
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一応挨拶はしっかりと

一応フランに挨拶。


…お兄様?




と。厳しく指導すると言われたのはいいのだが、夕飯の片付けは結局美鈴とこあがしたらしく今日の仕事は殆ど残っていなかった。

そのため



「じゃあ館の見取り図をあげるから。まずは部屋を覚えなさい」



と咲夜に言われ、見取り図片手に館内を練り歩いている。掃除以外では勝手に入ってはいけない部屋(誰かの個室とか)にはしっかりとマークが書かれており、とても便利である。というか、こうして見るとやっぱり紅魔館って広いな。咲夜が能力で広げてるらしいが……

そういえばフランへの挨拶は適当に(てきとーにあらず)済ませればいいらしい。とりあえず執事になったことと、教育係になったことを伝えれば終わりだとか。



「んー。ここがフランの部屋への入り口だったな」



フランの部屋には何回も行っているので覚えている。さて、挨拶をしに行くかな。

昔はフランの部屋に近づく妖精メイドもいなかったらしく通路も汚れていたが、今は妖精メイドと遊んだりするほどの仲らしい。その為もう部屋へと続く通路は綺麗だ。


よしっと。今は執事だから部屋に入る時は二回ノックだったな。

コンコンっと



「お兄様?」

「ああ」



扉のすぐ近くにいたらしく、すぐに返事が返ってきた。扉を開けようと思い一歩近づくと……

バンッとすごい音がして扉が開いた。知っている人は知っていると思うが、両手で引く式の大きめの扉があるよな?フランの部屋の入口はそれである。つまり


ガンッ「ぐはっ!」


もちろん扉は俺に直撃する。



「いってえええ〜!!!」

「あ。お兄様大丈夫?」

「軽いなフラン!それにあまり大丈夫じゃないぞ!?取っ手が腹に、扉が頭に当たったぞ?」

「それでお兄様の頭が普通になればいいのに……」



フラン……?君はいつからそんな子になったのかな?お兄様は悲しいよ……

じゃなくて!一応教育係だし指導しないと!……あー。けどまだ挨拶してねえ。しょうがない。挨拶をした後にビシッと言ってやる。



「とりあえず入っていいか?」

「うん!お兄様と遊ぶために色々探してたんだよ!」

「へえ。それでよくノックに気付いたな」

「言ったでしょ?お兄様は匂いで分かるから」



あれはマジだったのか……もういい。ツッコまない。咲夜は足音で、レミリアは運命で、フランは匂いで分かるんだな?幻想郷だし納得してやるよ。霊夢なんか「勘よ」とか言いそうだしな。



「とりあえずフランに挨拶しないといけないらしいから。一応挨拶させてくれ」

「えー。そんなことしなくていいから遊ぶのー!」

「ダメだって。挨拶しとかないと咲夜に怒られる」

「お兄様が?」

「フランもだ」

「うー……分かった」



よしよし。物分かりのいい子は好きだぞ。分からせるまで結構言った気がするけど可愛かったから問題ない。

それじゃ一応挨拶しときますかね。



「じゃあフラン。挨拶するぞ?」

「うん!早く終わらせて遊ぶよ!」

「はいはい。やるぞ……今日から紅魔館で執事として働くことになりました。これから精一杯務めさせていただきますのでよろしくお願いします」



と。やはり一応頭を下げておく。礼儀だ礼儀。

なのだが



「キャハハッ!お兄様似合わないよー」

「ああもう!紅魔館の住人は何でこんなんなんだ!」

「お兄様が真面目すぎるんだよ」

「さっきも聞いた!もういいわ!遊ぶぞフラン!」

「うん!お兄様と遊ぶー!」


フランはトコトコっと走っていくと、部屋の隅から何かを取り出してきた。



「じゃじゃーん!新しいトランプ!」

「何故新しくなった……」

「忘れたの?お互いにババを取っちゃったからだよ」



ああ……そんなこともあったな。結局アレはどうしたんだっけ?確か胸ポケットに入れて……あれ?記憶がない。

うーんと考えてみると横からすごい視線を感じる。ジーとかじゃなくて何かネットリしてるんだけど……フラン?だよな?



「お兄様。まさか……無くしちゃったの?」



フランでした!けど目が怖い!何何!?久しぶりのこの感覚。間違いなくぶっ飛ばされる気がする!



「お兄様?」

「いや!無くしてない!確か……」

「確か?」



思い出せ!思い出すんだ俺!確か胸ポケットに入れて、服は洗濯するからって確か……は!俺の数少ない財産の入った巾着に入れたんだ!ということは……あれ?ない。



「……ない」

「ないの?」

「いやまて!衣裳部屋に忘れただけだ!すぐ取ってくるから待っててくれ!」



フランの返事も聞かずに、すぐさま飛び出す。何かあれ以上あの空間にいるのはつらかった……


見取り図を片手に走る。衣裳部屋は……遠いな!走っても十分くらいかかるんじゃね?これ。

それでも全力疾走をやめないでいると、前から咲夜が歩いてくる。って手に持っているのはもしや!



「咲夜!それ俺の服?」

「楽冶。執事たるものそんなにバタバタ走り、息をきらしたらダメよ。そんなことじゃ「すまんが説教はあとにしてくれ!俺の命が危ない!」どうしたの?」



咲夜の手から俺の服を奪い取ると、ズボンのポケットを探す。確かこの中に……



「あった!よっしゃー!!!」

「何?あなたそんなものを探してたの?」

「この中に大切なものが入ってるんだよ。フランを宥めるための」

「お金でしょ?」

「フランを宥めるためだって言ったろ!」



何で宥めるためにお金なんだよ!それは霊夢だろうが!

まあそれでも咲夜のおかげで助かったことには変わりはないので



「サンキューな咲夜。この借りはいつか返す!じゃあな」

「あっ!ちょっと!……もう。本当に執事っていう自覚はあるのかしら」



咲夜の制止の声までは聞こえたが無視。借り返すって言ったから大丈夫だろ。

それよりも問題はフランだ。あまり離れていないので歩いても三分ぐらいで着くが……できるだけ早く行ったほうがいい。


こういう時咲夜の能力があればどれだけ楽だったことか……「楽を操る程度の能力」とか全然使えないぜ。



「フラン!戻ったぞ!」



そう言って俺は、フランの部屋の扉を開けた。


病むまではいかせない。それが作者クオリティ←


←とか久しぶりに使ったな…

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