浄玻璃の鏡とお説教
とかいいつつ、若干小町メインっぽくなってしまった。
頑張れえーき様。えーき様は結構難しいですな…
って。こんな最初の話を思い出していても仕方がありません!まずは職務を全うしなければ閻魔として示しがつきません!
そう思って私は仕事を開始した。
チラッ……あと四時間ですか。長いですね。
目が覚めるとそこはよく分からない部屋。
毎度毎度何でこんなに気絶させられるのか疑問に思うが、それでこの物語が成り立っているような気がなんとなーくするのであまり探索しないようにする。
さていつも目が覚めたら横に誰かいるんだよなー。と思って首だけ横を向けてみると、案の定赤い髪をツインテール状(にしては短いが)にした死神。小野塚小町が眠っていた。
横に向けた時に額から落ちたタオルと小町の横にある水桶をみて、小町が気絶している間に色々やってくれたのだと思う。そこだけは感謝だな。だが気絶した根本的原因は小町のような気がする。むむむ……相変わらず気絶直前は思い出せないな。
まあ病気で寝てた訳じゃないから、身体のダルさはそんなにない。という訳で小町を起こすことにした。
……の前に寝顔を見ておく。ううむ。中々可愛いではないか。いつもはあんな感じだが、寝顔というのは純粋な表情をしているからいいな。というか幻想郷は美女美少女が多いからな。性格はちょっとアレなやつのが多いけど。
まああまり寝顔を見るのは失礼なので小町を起こすことにする。何?いつももっと失礼なことをしてるだろうが!って?何を。やっていい失礼さと、やったら悪い失礼さがあるだろうが!(楽冶の自論であり両方失礼なのに変わりはない)
とりあえず起こそうと小町の肩に手を置いて揺さぶってみる。
「起きろー」
「ん〜。もうちょっと……」
何がもうちょっとだ。看病する側が爆睡してどうする。というか時間を考えろ。まだ爆睡する時間ではないぞ。仮眠時間だ。
「小町〜。早く起きろ〜」
「むにゃ……楽冶〜?」
若干目を開いたが、まだ寝ぼけているようで起き上がる気配はない。
むう。こうなったらいつも小町を起こしている必殺技。通称「映姫が来たぞ!」をするしかないな。
「小町!映姫が「楽冶も一緒にねよう」ちょおい!」
腕を掴まれ思いっきり引っ張られ、俺は小町に抱きつかれる形となった。ちょっ!胸が!
皆さん知っているだろうが、小町の胸は大ボリュームです。幻想郷の五本指に入る大きさです。そんなにエロ系に興味がない俺でもやっぱ意識はしてしまう。恥ずかしい!
だがそれ以上に重大な問題が
「苦しい!離せ小町!」
「んん〜。やだ〜」
「ええい!「騒がしいですね……何を」映姫!?」
マジで来たの!?逆光で映姫の顔がしっかりと見えないことが逆に怖い。
ちょっ!小町早く!と思うけれど、小町は起きる気配がなく。
「一体何をしてるんですかー!」
「zzzきゃふん!」
本当にキレた感じの映姫の飛び蹴りが、珍しく俺ではなく小町に当たった。
見た目とは裏腹に相当な威力があったらしく、小町はそのまま転がって部屋の壁に激突した。水桶に当たらなかったのがせめてもの救いであろう。
「いったあー!四季様!?一体全体いきなり何をするんですか!?」
「何ですか一体全体という程でもないでしょう。自分がやっていたことを考えてみてください」
「自分がやっていたこと……?覚えてませんよ?寝てましたから」
「楽冶に抱きついて寝てたんですよ!」
「楽冶に?抱きついて……あたいが?え?え?」
寝ている間にやってしまった自分の行動が恥ずかしかったらしく、小町は顔を真っ赤にすると
「ちょっ。ちょっとでてきまーす!!!」
映姫の後ろにある開けっぱなしの扉へと走り、そのままドタドタ音を立てながら走っていった。うーむ。寝起きなのにすごいなあいつ。
映姫も小町の行く末を目で追っていたが、足音が聞こえなくなるとこちらを向いた。
その目は……うわあ。さっき小町を蹴った時と同じだ。
「さて……では何故あんなことになっていたのか教えて貰いましょうか」
「正直に言います。俺が起きたら小町が横で寝ていたので起こそうと思い、肩を揺さぶったら小町に腕を引っ張られました」
「本当ですか?」
「聞きながら鏡を見るな!」
本当に職権乱用しすぎだろうこの閻魔!
だが俺の言葉を無視すると、映姫はじーっと鏡を見続ける……俺のプライバシー……
こんなことに覗かれていると、実は俺の私生活まで覗かれていないかどうか不安になってしまう。
「それは大丈夫です。悪事を暴くことにしか使いません。普通は」
「これはその普通じゃないカテゴリだよね?私情で使ってるよな?」
「そんなことはありません……ふむ。どうやら本当のようですね」
鏡から顔を上げこっちを見る。先ほどの目ではなく、いつもの目に戻っていていた。誤解されなくて何よりだ。
「それでですね……」
「ん?何だ?」
「小町と一緒に寝たのだから……その。今日は私と。その……寝なさい!」
「何だその最初は何かモジモジしてたのに、最後の最後で命令口調!だが何か可愛かったから許す!」
「またあなたはすぐそんな事を!いいですか?あなたは女性の気持ちをですね……
あれ?何で説教に繋がったんだ?
よく分からないが、映姫の説教なんて書いても読むのが面倒だろうから、次回に続くぜ。
「飛ばさないでくださいよ!」
まあ…次回はえーき様メインなんで!
誰だ!小町の胸で窒息したいとか言ってるのは!




