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東方楽々記  作者: COPPE
第五章 三途の川。渡ります
140/223

何回気絶すればいいのでしょうか

小町真っ赤→映姫真っ赤




「と。まあ色々あったわけです」

「うん。本当に色々だな」

「あうぅ……」



映姫の説明の途中から小町はずっと真っ赤だった。

いやまあ確かに恥ずかしいけど。やられてる側の俺も結構恥ずかしいけど!



「という訳で小町に手を繋ぐ権利はまだありません!」

「別に繋いでないですよ!?あと権利がないってさすがに扱いが酷すぎますよ!」

「そうだぞ映姫。というか小町よりお前のが悪いからな?」

「……何故ですか?」

「いやだって……覗いてたんだろ?」



ピシッと固まる映姫。

うん。覗きって犯罪だよね?いや幻想郷に法律はないから犯罪ではないけど、悪いことだよね?

それを閻魔様がするって何事?って思った訳ですよ。



「い、いえいえ!言ったでしょう!私は無理矢理神社に連れ去られたんです!自ら行った訳ではありません!」

「でも四季様。覗いてたんでしょう?」



紫から送られてきた林檎ほど顔を真っ赤にしていた小町の顔が元に戻り、自分の罪を軽くするにはここしかない!とばかりに映姫を撃墜しにかかる。



「覗かされていたんですよ!見ろ!と言わんばかりに八雲紫がですね!」



それに対し、何とか持ちこたえようとする映姫は、小さい体をパタパタさせながら否定する。おもに手を。


うむ。中々愛くるしい。だが追撃に向かう俺。



「つまり覗いてたんだろ?」

「覗くしかなかったんですよ!特にやることもなくて!」

「四季様。今覗いたって認めましたね?」

「え!あ……」

「認めたな」

「認めたねえ」



慌てるあまり墓穴を掘ってしまった映姫に、俺と小町はニタァと口の端を吊り上げる。

二人の顔を見て映姫は「ひぃっ……!」と小さく悲鳴をあげると後ろに下がった。


そんな映姫を壁際へ追い詰めていく。ジリ……ジリ……トンっと映姫の肩が壁にぶつかった。



「いっ!一体何をする気ですか!」

「うーん……何をしようか。小町」

「そうだねえ……じゃあ楽冶。ちょっと耳貸して」

「貸せねえ「変なギャグはいいから!四季様逃げちゃうよ!」……何だ?」



最近ピンとくるネタがないんだよな……もっといい発言しないと俺の人気が下がっちまうぜ。ん?どういう事かって?詳しくは作者が後書きに……すまん。嘘だ。


で。小町からコソコソ……ゴニョゴニョ?どっちでもいいが話を聞く。

吐息が当たってこそばゆいが、そこは我慢。

……ふんふん。成る程。って



「そんなんで罰になるのか?」

「な!?何で私が罰を受けなければならないんですか!」

「覗き」

「ぐっ……」

「大丈夫大丈夫。四季様にとってはこの上ない罰だよ。試しにやってみなって」

「小町に?」

「あたいがまた怒られるからやめてくれないかな!?」



いつものように漫才モドキをして罰決定。

壁際に追い詰められている映姫にさらに近付く。そして両肩に手を置いた。



「な!何を!?」

「いやまあ小町にやってみろって言われただけだからな?」

「四季様。頑張ってください」



何故か小町が映姫を応援している。

内容が内容なだけに、うーん……て感じだが。


まあ。やろう。



「ギュッとして(ドカァッ)ごぷうっ!?」



抱きついた瞬間。口から血がでた。



「らっ。楽冶ー!四季様!?何をするんですか!」

「(ハァー。ハァー)ななななな何をさせやがるんですか!」



おい待て。映姫何か口調がおかしいぞ?


と言いたいのだが、思いっきり腹を殴られたので声がでなかった。

自分の視界に赤い液体が入ってくる。ふ……俺……このまま死ぬのかな。



「変なことしてないでさっさと起きな」

「ゲホッ!」



とか思ってたら小町に軽く鳩尾を鎌の逆側で突かれた。これはリアルに噎せる。



「ゲホッ!ゲホッ!小町てめえ何しやがる!」

「いつまでも倒れてるからだよ。殴られたくらいなら能力あるだろう?」

「あんま使いたくないんだよ……どうせ忘れられてるんだ「それ以上言うと本当にお説教ですよ?」とか思ってないからな!」



セーフだよな?セーフだよな?大事なことなので二回言いました。

だって映姫のお説教だぜ?何か映姫に説教されたい人とかいるらしいけど、俺は別にそんな部類じゃないからね!

……もう一回確認しとくけどセーフだよな?


ここは「白黒はっきり付ける程度の能力」を持っている映姫に聞くしかない。



「……残念ながらセーフです」



いよっし!じゃあここから強引にさっきの話に持っていこう。



「口調おかしいだろ映姫」

「いくらなんでも強引すぎですよ?それにあれは楽冶が悪いです!」

「強引とかいって四季様も乗っちゃうねえ……」

「黙りなさい小町。それが今のあなたにできる善行です」

「はーい。四季様」



援護射撃役の小町がいつもの一言で射撃できなくなった。

つまり俺と映姫の一騎討ちとなる。


あーだこーだ二人で言い争った結果。



「大体あれは小町が、『やれば罰になるよ』って言うからだな」

「……小町。どういう意味ですか?」



だが小町は答えずにジェスチャーで表した。


何々?(映姫を指さす)映姫に。(手を口元でグーパーさせる)言われた?怒られた?から?(人差指と親指で何かを摘むような形を作って、唇の左端から右端に動かす)口チャックて……古いな。



「らしいぞ?」

「サッパリなんですが……」

「だから、『映姫に言われたから話せない』らしいぞ?

「小町。話しなさい。それがあなたにできる善行です」

「ぷはっ。四季様。言っていいんですか?楽冶がいるのに」



ん?俺がいると悪いことでもあるのか?今さらだし別に気にすることはないと思うが……まあ色々と理由があるのかもしれない。

という訳で退室して盗み聞きしよう。



「あ。じゃあ俺。外にでておこうか?」

「あ。いえ……寝ていただければ問題ありません」



今日初めての映姫の笑顔とともに、何かが腹に思いっきりあたり、俺の意識は……またかよ!いい加減にしろよ!


ギュッてしてドガァ


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