一人目の来訪者
レミリアの過去話です。
毎回深夜更新で申し訳ない…
今私は自室で満月を眺めながらある男の運命を見ていた。
その男とは勿論楽冶なのだがなぜ見ているのかは自分でも分からない。
今見ているのは楽冶といつ会えるかどうか……
こんなものを見ている時点で楽冶に好意があるのは分かる。
だがどういう 好き なのかは未だに自分では分からない。
楽冶は現在フランと遊んでいるから会いにはいけない。
フランは間違いなく楽冶のことが好きだろうしそれを応援したいと思う。
だがそれを否定したい自分がいるのも確か。感情とはよく分からないものだ。
そういえば楽冶が現れたのも満月の夜だった。私が紅い霧をだした日
最初に来たのは異変解決のエキスパートである博麗の巫女ではなく、異変初日にやってきた楽冶だった。
「お嬢様お客様がお見えです」
霧をだした初日の夜。
咲夜からいきなりそんな事を言われた。
「なんで通したのかしら?」
門は勿論閉まっている。
今は夜なので中国が寝ているのは関係なしだ。
つまりそれで中に入っていたのならば侵入者である。
「お嬢様が好きそうな者だったので」
「は?」
思わず疑問系。
だが咲夜が言うのならば会ってみる価値はあるかもしれない。
そう思い口を開く。
「咲夜がいうならそうなのかもね。いいわ……通しなさい」
「かしこまりました」
「面白くなかった場合どうしようかしら?」
「侵入者とみなして地下にでも閉じ込めましょう」
咲夜はそういって一度扉から出て行く。
さあてどんな奴が来るのかしら
「よ。お前がここの主のレミリアってやつか?よろしく〜」
咲夜に連れてこられた人間はいきなりこんな挨拶をしてきた。
私を単なる館の主と思ってるのかしら……
「礼儀がなってないわよ人間。私は吸血鬼。お前よりも高位の存在だ。態度を改めろ」
「吸血鬼も者だから平等だろ。大体いきなり上から目線は常識がなってないわ」
しっかり妖力を混ぜたオーラをだしながら言ったのだが、この人間は態度を変えない。
いや変えないどころか逆に文句を言ってきたのだ。
私は少しムッとしてさらに言葉を続ける。
だがこの男は飄々とそれに対して言葉を発する。
だが……
おもしろい
この男私が徐々に妖力を上げているのにも関わらず普通に返答してくる。
多分いまの私のだしている力なら普通の人間は気絶しているレベルだ。
それなのにこの男はまだ余裕でたって吸血鬼に向かって返答してくる。
「クスッ」
笑い声が聞こえて思わずそちらを向くと咲夜が笑っていた。
「……なにが可笑しいのかしら咲夜?」
「だってお嬢様……とても楽しそうですよ」
「何を言って……」
だってお嬢様がそんな顔をして話しているのは久しぶりに見ましたから」
どうやら私は楽しそうに話していたらしい。
どんな顔だったのか気になるので聞いてみることにする。
「私どんな顔で話してた?」
「少し笑ってましたよ?楽しそうに」
「笑ってた?」
「ああ笑ってたな。だから色々冗談とか言ってたんだが……」
「そ、そう……」
この男は笑っていたから何か企んでいるとは思ったが、まさか冗談を言っていたとは。
だがこいつの言っていたことを思い返してみると確かに嘘っぽい内容ばかり。
思わず私は声をだして笑ってしまう。
「いきなりどうした?」
「なんでもないわよ……それより人間。あなた面白いわね。気に入ったわ。名はなんというの?」
「楽冶だ。苗字は作者に聞け」
「そう。楽冶ね……咲夜。お茶を」
「すでに準備いたしております」
「さすがね。あなたの選択は間違っていなかったわ」
咲夜に紅茶をいれてもらい楽冶を席へと促す。
二人で飲みつつ一応自己紹介しておく。
そして気になっていた質問。
「楽冶。あなた何しに館にきたの?」
「ん?ああ。この紅い霧ってレミリアが起こしたんだろ?」
「そうだけどそれが?」
「だから遊びに来た」
「は?」
「だから遊びに来たの。何か面白そうだから」
「はあ……」
この人間。馬鹿じゃなかろうか……
ん?遊びにきた?
これは使えそうね……
「ねえ楽冶。あなた遊びにきたのね?」
「ああ。そうだ」
「じゃあとっても難しいゲームがあるんだけど……やってみない?」
「お!マジか。だが俺は夜に来たのはいいんだが、結局家に帰らなければならない」
「何よそれ……」
「色々あるんだよ。生きるためには」
「じゃあ明日でもいいわよ?」
夜道は危険じゃないのかとか、生きたいならなぜこんなとこにきたのかとか。言いたいことはあるが妥協することにする。
こいつは言ってることが結構不明だから。
「じゃあ明日からで」
「それはいいが。お前いつ起きてるんだ?吸血鬼だろ?」
「夕方辺りには起きてるわ」
「了解。じゃあ明日そんくらいに行く」
楽冶は簡単に了承した。
それで満足したのでもう帰すことにする。
「咲夜。楽冶を門まで送ってあげて頂戴」
「はい。お嬢様」
楽冶を連れて咲夜はでていく。
さて明日はとても楽しみだ。
なにしろそのゲームとは
する者の生死に関わるのだから
レミリアの過去話も2話に分かれます。
誰かレミリアNORMALのスペカ攻略法を…




