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東方楽々記  作者: COPPE
第五章 三途の川。渡ります
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彼岸かられっつごー

省けば問題ないんだよ

         by楽冶




彼岸って本当やることないから困る。自由人の俺にとって暇は苦痛でしかないからな。

少しでも気を紛らわす為に、そこら辺に落ちている石を積み上げることにする。どうせ小町がくるまではもう少しかかるだろうし。




……なにこれ楽しい

なにこの地道な作業……バランスを考えながら乗せていくのが意外と楽しいぞ。いつもは何気なくやってたが、本気でやると中々……石を選ぶことも必要になってくるから暇つぶしには持ってこいだな。


さて。ここまで軽く説明したが、次この石が乗れば自己記録更新なのだよ。応援してくれ。


そーっといくぞそーっと。


よしよしよし……危なっ!まてまてまて……ちょっと一呼吸置いてから……よし。そろー……よっしゃ!乗っ「また楽冶かい?」うおうっ!?ガラガラガラ……あ。



「小町てめえー!!!」

「な、なんだい?いきなり」

「積み石が崩れたじゃねえか!」

「元地蔵様と面識あるからいいじゃないか。そんなもの。すでに救済されてるだろう?」

「別に親の供養とかじゃなくて遊んでただけだ」

「……四季様に怒られるよ?」

「バレなきゃ問題ない」



そうバレなきゃ問題ない。


だがそれはこの中の話だけである。現実で問題のある行動を バレなきゃ問題ない とか言ってやったらダメだぞ?俺との約束だ。


それはまあいいとして(守ってくれよ?)今回はもう映姫のいるところまで行こうかなー。とか思ってる。



「いや、あんた身体は?」

「家だ」

「来た原因は?」

「幽香とルーミア同時弾幕」

「帰れ!」



何と冷たい……毎回同じ理由で来てるからってもっと優しくしてくれてもいいんじゃないかと思う。半分死んでるんだから。

まあ確かに身体がないと結構不便だし。一回取りに帰るか……



「じゃあすぐ帰ってくるから待っててくれ」

「しょうがないねえ……」













「ただいま」

「はやっ!過程全部省いていいのかい!?」



いいんだよ。どうせ跡形もなくなってたし。何やってきたかっていうとチルノを冷凍庫から救出して(意外と頑丈だった)大ちゃんのとこに行くように言っといた。

ただ駄々をこねるから割と時間かかったんだけど……まあ省いたから問題ない。


幽香とルーミアはよっぽど怒ってたのかもういなかったし、妹紅はちょうど復活したところで、一言二言話して別れた。あいつも家なしになってしまったがどうするんだろうな?



「という訳で連れて行ってくれ」

「何が『という訳で』だよ……まあ楽冶がいいならいいけどさ」



さすが小町。話が分かる!そういう他のやつらとは違うところが大好きだ!



「だっ!?うるさい!行くなら早く行くよ!」



小町の顔が若干赤くなった気がする。まあ真正面から「大好き」なんて言われたら誰でも恥ずかしいよな。俺でもそう思う。

ルーミアみたいにノリノリで言ってくれたら楽なんだけどな。


小町が舟の方へ歩きだしたので着いていく。映姫のところに行くには、ここから死神の船に乗って三途の川を渡らなければならない。

どういう原理かは知らないが、飛行や泳いで行くのは絶対に無理らしい。紫はスキマでいけるらしいが。



「おー。久しぶりだな。小町の船」

「そりゃ普通の人間が乗るもんじゃないからね」

「普通じゃないけどな」

「……まあ実態のあるやつは普通乗れないよ」

「一応否定してくれよ!」



冗談で言ったのに目を逸らされてしまった。つまり小町にも普通の人間として見られてないってことか……

いや確かにそうだけど。冗談は冗談で返して欲しかったな。



「じゃあ出るよ?」

「おう」



軽く言葉を交わして岸から離れる。生きたまま三途の川を渡るってどんな経験なんだろうな?一つだけ言っておくと、よく言われてる「死人が流れてる」っていうのがあるが、実際死人は流れてこない。死者の魂も流れてこない。それは死人……つまり実態は基本ここにはこないし、魂は小町他死神たちがしっかりと運んでいるからだ。

だが極稀に素行の悪い魂とかが舟から落ちたりするらしい……小町は経験ないと言っていたが、聞いた話によると「浮かぶことも流れることもなく、その場で沈む」らしい。しかも一度沈んだら引き上げることは不可能なんだとか……怖い怖い。


経験はないと言えど、小町も落ちたら危ないと思っているようで、ゆっくりと岸から離していく。



「今日はどのくらいで行きたい?」

「そうだな……最近疲れてるからゆっくりでいい。のんびり漕いでくれ」

「分かったよ」



小町の場合。ゆっくり 漕ぐ というのは比喩表現に近い。

何故なら小町は「距離を操る程度の能力」を持っているからだ。

この能力は小町のみが持っている訳ではないらしく、「死神」という種族が持っているらしい。


こういう話を知らないか?死ぬ前善人だった人は死神に渡すお金……いわゆる渡し賃だな。が多く、三途の川で船に乗る時間が短い。

逆に死ぬ前に悪人だった者は……以下略だ。


まあそういう訳で能力を持っている。そしてルールによって死神が船を漕いで渡らせないといけないだけで、やろうと思えば船に乗って距離を操れば映姫のいる……ええと。ぜひ……なんだっけ?



「あたいが知るわけないじゃないか」

「まあそうだよな」



自分の所属しているところぐらい覚えておいてほしいが、確か結構面倒な名前だったので忘れるのも仕方ないと思う……コイツは本当に知らないだけだと思うが……

まあ映姫のいるところまですぐ行けるんだよ。別に漕がなくても。


だが小町はのんびりとするのが好きらしく、三途の川以外はあまり能力は使わないらしい。

人里に行く時は飛んでいくし、人里の中では普通に歩いている。そういう所が俺と似ているため結構気が合うのだ。仲良きことはなんとやら。



「ゆっくり行くのはいいけど暇だね〜」

「暇は潰すためにあるが、この暇はいい暇だと思うぞ。ずっとこのままでいい」

「確かにね。それじゃあ私も漕ぐのやめようかな」

「ああ。別に俺は問題ないぞ。いざとなったら能力あるだろ?」



という訳で、三途の川を小町と二人でのんびり渡ることになった。


小町登場いえーい


家崩壊ヴェーイ


被害者 チルノ もこたん


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