帰るたびに怒られてる気がする
そりゃ怒られるでしょ
「どうしてあなたは毎回そうなのよ」
「いやだって……」
「いやだってじゃないんだよ?自分がしたこと分かってるの?」
俺は今我が家で説教を受けている。
今は妖気はそんなに出ていないが、幽香は明らかにイライラしてるのが分かるし、ルーミアは興奮して大きくなっている。
……チルノはどこだ?
「冷凍庫で昼寝してるわ」
そうか。こいつらの妖気にあてられて死んでないなら心配いらないな。
……って今回は俺悪くないんじゃないか?てゐの罠にかかって、永遠亭に拉致られて監禁同然の扱いを受けていた気がするんだが……
「そんなのは関係ないわ」
「あるだろ!?」
「楽冶ー。筍は?」
「やっぱお前はそっちかよ!俺の心配じゃなくて筍かよ!」
幽香は俺が帰ってこなかったことを怒っているのだろうが、ルーミアはやはり筍だった。
「どうして筍ないの?」
「……いやそれは」
「それは?」
小さくされてたから永遠亭に忘れてきました。
何て言えない。絶対小さくされるし。あれ頭では今の俺の思考なのに身体が子どもみたいに動くから実際は相当恥ずかしいんだぞ。
バレたら皆に言われるから、これを読んでくれてる方々は内緒にしておいてくれ。
とまあ。そういうわけで
「永遠亭に忘れました」
としか言えなかった。
それを聞いたルーミアの妖気がでかくなる……うん。でかいな……家なくなるぞ?
「らーくーやー!」
「いや筍ならまた取ってくるから!なっ?なっ?」
「うるさーい!」
そう言って弾幕をぶっ放そうとしたルーミアの手を幽香が掴む。
だがルーミアの右の掌の上にはまだ、赤い弾幕がフワフワと浮いている。頼むから早く直してくれ……マジで危ないから。
「何するのよ幽香!」
「何するのよじゃないでしょう?本当はこっちの意味では怒ってないくせに、家を吹き飛ばしたら洒落にならないでしょ?」
「ぶー!」
「ルーミアお前てきとーだな!?」
「楽冶程じゃないもん!」
まあな。それ程でもないぜ。え?褒めてるんだよな?
そんなことを思っている間に幽香がルーミアを宥めてくれたのか、弾幕が消えた。ナイス幽香。
「楽冶。さすがに筍が原因で家を無くすのは可哀そうだから止めてあげたわ」
「大いに助かる。ありがとう」
「だけど……今からの質問に対する答えが……だった場合は壊れるかもしれないわ」
……!? それどういう意味!?
解釈によってはどう答えてもダメだよねそれ!
ええ!?という表情で幽香を見るが、全く表情が変わらない……どころか睨み返されたので俺から目を逸らした。
幽香に睨まれるなんて羨ましい?ばっかお前。でかい妖気に殺気を混ぜた状態で睨まれてみろ。漏らすぞマジで。俺は漏らさないけど。
「ちょっとー!私を無視しないでよ!」
「いや。無視はしてないけど忘れてた」
「楽冶?いい加減にしないと本当に怒るよ?」
やめてくれ!幽香とルーミアのツーコンボはキツい!
いやそういう問題じゃない。話か進まないからやめてくれ!
「それもそうね。話を進めましょう。その代わりズバリ聞くわよ?」
「大丈夫だ。まかせろ」
「嘘ついちゃダメだからね?」
「俺に嘘をつくなだと……無理だろ」
鬼相手にも嘘つくんだから。
そういえば最近あいつらと会ってないな。元気にしてるとは思うけど……今度神社に行ったら片割れはいるかもしれないから行ってみるか。
「嘘はついてもいいけど……」
「?」
「バレたらどうなっても知らないわよ?」
ゴゴゴゴゴゴ
という音がとても似合いそうなくらい、大きな妖気と素敵な笑顔でした。
うん。まあ全部白状するしかないよね!
というわけで。小さくされたことと、風呂以外は白状しました。マジで。
いやだってさ。さっき言ったとおり小さくされたことは絶対アウトだろ。俺にまた小さくなれと?俺は嫌だし読者の皆様もさすがに飽きてきただろうから遠慮しておくぜ。ネタがない作者よ。
「つまりあの兎の罠にかかった後は拉致監禁されてたって事でいいのかしら?」
「そこまでされてないが……まあ大体その解釈で合ってなくもないから否定はできない」
「楽冶〜。難しいこと言わないでよ〜。私分からないじゃない……」
「いやそんなに難しいこと言ってねえよ」
「つまり楽冶は永遠亭のやつらに無理矢理捕まってたのよ」
「ふーん……それなら許すしかないかあ……」
「まあそもそも罠にかかるのが悪いのだけれど」
そう言うな幽香よ。久しぶりに行ったから忘れてたんだよ。
そして許してくれるルーミア偉いぞ。今度永琳と一緒に料理の練習しような。
「なんだろう。今すごくバカにされた気がする」
「どうせ楽冶が変なこと考えてたんじゃないの?」
何故分かった。やはり女の勘は恐ろしいな……
特にこの我が家の居候組は本当に鋭いからな……気をつけよう。
「それより昼飯食うか?」
「……丁度今朝の食事で在庫が無くなったわ」
「楽冶が筍持って帰ってたらあったのに……」
ぐっ……それを言われると何も言い返せないじゃないか。勘弁してくれ。
そう思いながら箪笥の中にある、最後のお金を持って食べ物を買いに行こうとした時……
今思い出しても溜息がでるぜ……
ネタをくれ!




