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東方楽々記  作者: COPPE
第四章 竹林の奥の怪しい建物。つまり永遠亭
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油断したら負け

本編に戻りまーす。


最後は…想像したら割と怖いかもw




迷いの竹林と我が家は近いため、のんびりと歩いて帰る。

てゐトラップのありそうなところは、回避しないといけないから面倒だが……


ふらふら〜っと。ここどこだ〜?

とか思いながら歩いていくと、着いた場所は永遠亭。そういえば俺がここで迷うと何故かここに着くんだったな……


今永遠亭に入ると、五体満足で出れる気がしないので……おお。いたいた。



「おーい。そこのイナバ!」

「? わたしですか?あなたはだれですか?」

「いやお前とは話したことあるからな?イナバ178」

「え?あー……あなたでしたか!ええっと。らく。らく……」



頑張れイナバ。お前たちの記憶能力があまり良くないのは知っているが、忘れられていたらやはり何か悲しいからな。


因みにイナバの容姿はてゐのようにピンクの服ではなく、白い服装をしている。

また。てゐより少し耳が短い。そして178っていうのは番号だ。ここには300匹ぐらいイナバがいるからな。あと、少しバカっぽい。

そんなこというな?何となくだよ。だって話し方全部ひらがなだろ?



「らく……らくやさんでしたっけ?」

「おー。正解だ。よく分かったな」

「いえいえ。あなたがいたときは、ここがさわがしかったのでよくおぼえていますよ。それでどうしましたか?」

「てゐを呼んできてくれないか?迷った」

「ええー。てゐさまですか……」

「ほら人参」



どこから取り出したかとか、聞くのは野暮だぞ?



「(パシッ。はむはむ)わかりまひた。よんできまひゅね」

「食べながら話すな。まあいい。頼んだぞ」

「はい」

「あ。あと他の奴らにはバレないようにしてくれ」

「どりょくしまふ。けふっ」



食うの早えな。おい。














「やっほー楽冶。成功したようだね」

「おかげさまでな」

「それで何の用ウサ?」

「迷ったから出してくれ」

「……飛べばいいじゃん」

「歩きたい気分なんだよ」



永遠亭からでてきたてゐと軽口を叩きながらも歩いていく。

何だかんだ案内してくれるから、コイツも人……妖怪がいいよな。


歩いても歩いても竹しかない景色に飽きたのか、てゐが話しかけてくる。まあ俺も飽きてきてたから丁度いい。



「それにしても楽冶。結構やらかしたようだね?」

「そうか?当然の報いだと思うけどな」

「ウッサッサ。まあ三人とも顔を赤くして帰ってきた時はビックリしたウサ」

「心配するな。お前と同じくらいのことしかしてないぞ」

「思い出させないでよ……」



顔を赤くしてしまったてゐは、下を向きながら歩く。

それでも方向を変えている気がするのは、さすがというしかないのかもしれない。


てゐが下を向きだして、多分二十分くらいたっただろうか、やっと竹林の奥に光が見えた。

おそらくあれが出口であろう。てゐに聞いたら確実だろうと思うので、一応聞いてみる。



「てゐ。あれが出口でいいのか?」

「そうウサ」



どうやら正解だったらしい。

もう少しで別れると思うと、やはり寂しいという気持ちが湧いてくる。だからてゐの少し後ろにいた俺は、てゐの真横に並ぶことにした。



「ウサ?」

「特に理由はねえよ」



不思議そうに見てくるてゐに一言かけて、そのまま歩く。

あと五十メートル程で完全に竹林から出るだろう。小さいてゐに早さを合わせているのでそれ程早くはないが、それでも出口は近付く。


そしてもう出る!という瞬間


ガササッ!



「…………」

「ウサアッ!?」



俺は逆さまに吊りあげられた。てゐと一緒に。



「楽冶!?何するウサ!」

「こっちのセリフだろうがそれは!てめえ最後の最後にまで罠しかけやがって!」

「き、気付いてたウサか……」

「当たり前だ。最後の最後まで気を緩めた方の負けだろうが」



まあこの会話を聞いてれば分かると思うが、てゐの罠で逆さまに吊りあげられたのだ。ワザと。

てゐの横に並んだ本当の理由は、俺が吊り上げられる瞬間にてゐを掴む為だ。


寂しかったんじゃないかって?「敵を騙すにはまず読者から」っていう言葉を知らないのか?まあ知らないよな。俺が今考えついたし。



「それで私をどうするウサ?捕まえたからって、別にどうしようもないでしょ?」

「別に……罠をとれとか言わねえよ。ちょっとお仕置きしようかと思ってな……」

「……お仕置き?」



てゐの疑問を余所に、俺はてゐの足を掴むと逆さに引っくり返し手をゆっくり伸ばした。



「ウサ?」

「よし。顔は当たらないな」



予想と同じくらい、てゐの顔と地面との距離がある。といっても十センチもないけどな。

それを確認した俺は



「よいしょっ!」



体を振り子のように揺らした。

最初はゆっくりなので特に何も起こらないが、スピードがでてくると状況が変わってくる。



「ウサアッ!」

「ウサッ!?」

「ウサアアア!!!」



以上。てゐの鳴き声。

だってそれなりのスピードで地面スレスレを顔が通過するんだぜ?多分めちゃくちゃ怖いと思うぞ?


あ。やべ。若干手汗で滑る。



「ウサアアアアアアア!?」

「すまん。滑った」



地面との距離がさらに縮まったてゐの絶叫が大きくなる。


うわー。楽しいー。よい子はマネしないようにね!

と。調子に乗った俺は、てゐの体を揺らしてみたりする。



「ホレホレ」

「ウサッ!ウサッ!ウサッ!ウサッ!ウサッ!」



てゐの絶叫が、さらに大きくなった。














とまあ十五分くらいで勘弁してやった。理由としては、俺の頭に血が上ってきたからである。てゐを許してやった訳ではない。


だがてゐの顔を見たら、涙目を通り越して生気が抜けた表情をしていたので、そこでやめてよかったと思う。


何とかてゐを復活させて永遠亭に帰せたので、俺はやっと我が家に辿りつくことができた。

だけどなあ……



「妹紅と来た時にも感じたけど……これは怒ってるよなあ……」



禍々しい妖気を目の前に、中々家に入れない俺であった。


最近ちゃんとした後書き書いてないな…


あ。金がない←

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