100万PV達成記念小説〜宴会なんて騒げりゃいい〜④
外伝終わり!
連行されて賽銭箱の前につくと、全体を見渡すことができる。
先ほどは寝てしまったので、魔理沙VS文の会話しか覚えていないが、俺が寝ている間にゲームは結構進行していたようだ。
うわ……あそこなんか萃香と幽香で腕相撲してるよ……地形変わるんじゃねえか?
霊夢が「負けた方はお賽銭よ!」と言っているところから、審判(王様)は霊夢であろうと思われる。
だが負けた方がお賽銭っていうのは、自分ルールだろ……反則だぞ?
「おい魔理沙。あれは何してるんだ?」
「ん?どれだ?」
「ほら。あの輝夜が鈴仙から逃げ回ってるやつ。鬼ごっこか?」
「いやあれは確か…… 鈴仙が輝夜に座薬 だぜ」
「脅威的な引きだな……王様は?」
「紫」
「だろうな」
頑張れ輝夜。だがそろそろやられないと、プラス罰ゲームだぞ?
紫がニタニタする前にやられておけ……あ。スキマ……は見なかったことにしよう。
あと輝夜の名誉の為にも、結果を想像するのはやめてやってくれ。
「それより早く私たちの内容を教えなさい。暇じゃないんですよ?」
「いや、それは嘘だろ。そうじゃなきゃ宴会に参加なんてしない癖に」
「私は楽冶を指導するのに忙しいのです」
「俺かよ!もういいよ!」
「で。内容は何ですか?」
「スルー!?」
くそう映姫め……いつか逆に説教してやる。
……無理だな。浄玻璃の鏡で全部見られるし。過去を掘り返されたら勝てないな。
「ま。詳しい内容はあいつらに聞いてくれ。王様はあいつらだしな」
「魔理沙じゃなかったのか?」
「私は一回王様したからな。基本的には順番だろ?」
「そういやそうか」
「楽冶。来ましたよ」
三人で話しているとやってきたのは、紅魔館組。
つまりは紅魔館組全員で王様か。面倒だな絶対……いや永遠亭組よりマシか。
まあ魔理沙曰く罰ゲーム確定らしいが、一応内容を聞いておくことにしよう。
「ふふふ。待ってたわよ楽冶」
「えらい嬉しそうだな。そんなに嬉しいのか。罰ゲームさせるのが」
「嬉しいに決まってるじゃないですか!楽冶さんは、たまには痛い目に合わないといけませんからね」
「何で!?ていうか結構痛い目合ってるんだけど!」
「きゅっとしてー」
「フランそれ以上はやめて!?」
「それではこれにサインを」
「こんなとこまで契約書持ってくるんじゃねえええ!!!」
疲れる。永遠亭組よりツッコミどころが多いかもしれん……やはり白玉楼か三姉妹のところがよかったかも。我が家はダメ。最近マジで危ない。
「楽冶。そんなにつっこんではキリがありません。さっさと終わらせますよ。私たちにできないことなんてありませんから大丈夫です」
「あら?これを見てそんなこと言えるかしら?」
そう言って紙を見せてきたのは咲夜。その紙には
楽冶
四季映姫・ヤマザナドゥ
グレー
と書かれていた。
「グレー?」
「私たちもそれは考えたわ。一つだけ思いついたのだけど、ルール的に微妙だったから魔理沙に聞いたのよ」
「そしたら?」
「「面白そうだからセーフだぜ!」だそうです」
「あいつ……」
あいつが仕切ってて大丈夫なのか?この宴会。
確かに宴会みたいになっちゃったから、逆に押し切ってもいい気もするけど、ゲームを受ける側としては妥協してほしかったぜ……
「そして私たちの考えたゲームは……」
「ゲームは?」
「お兄様に対して好意を持ってる人の中でグレーの人を当てるんだよ!」
「……どういう意味だそれは。ぶっちゃけよく分からんのだが」
「その時点で罰ゲーム確定なのだけれど……」
「まったく。楽冶は物分かりが悪いですね。いいですか?あなたに 好意を持っている が白。 好意を持っていない が黒 で考えると分かりやすいでしょう」
「成る程。つまり 微妙とか、どうでもいい とかがグレーってことか?」
「そういうことね。まあ楽冶に分かる訳ないでしょうけど」
なんだと!言ってくれるじゃないか……
俺が分からないことなんてないんだよ!だって今回は映姫がいるからな!
「他人任せはいけませんよ?楽冶」
「いや頼むよ映姫」
「無理です」
「何で!?」
「私は白黒どっちかにしか分けれませんから。グレーとでた時点で私は戦力外です」
「な、なんだと……」
つまりは俺一人の戦いなのか……
やべえ厳しい。グレー?なにそれ食べれるの?
「美味しいの?ですらないんですね……」
「それだけ焦ってると思ってくれ」
「それじゃあ後十秒ね」
「はやっ!鬼か!」
「一応ね」
うぜえええ!吸血鬼だったコイツ!
「十、九、八、七……」
「マジか!?」
マジで数えだしやがった!こいつらには心がないのか!?
これは結構必死に考えないとまずいよな……
「…………」
「一、〇」
「お兄様!時間だよ!」
「それでは言ってもらいましょう」
「丁度全員集まってることですし」
「え?」
振り返ってみると……
ズラッ と全員が俺を見ていた。正直いってかなり怖い。
いや皆ゲームどうなったの?さっきまで盛り上がってたじゃん。
「面白そうだったから、中断させたんだぜ」
「魔理沙!お前余計なことすんな!」
「余計じゃないわよ。皆、あなたの答えを聞きたいのだから」
どうしてそうなる。
俺みたいな一般人の答えとか聞いても、面白くもなんともないだろうに……
「それより楽冶。時間なんだから言ってくれる?作者もそろそろ限界よ?」
「そこで作者事情を持ち出すなよ……俺だって結構本気で考えてるんだから」
「因みにあなたの答えによって罰ゲームの内容が変わるわ」
「何で!?」
何通りの罰ゲーム考えてんの?こいつら……
いやいや。それよりも答えだ。答えないよりは絶対答えたほうがいいだろうし、映姫はグレーは無理とか言って開き直ったし……
ううむ……なら絶対にハズレではない答えを言うしかないな。
「よし。決まったぞ」
「へえ。あなたに当てることができるの?」
「これは絶対に間違いではないし、まあ正解でもないとは思うが、答えないよりはマシだろう」
「それはあなたの答えによるわね」
「……じゃあ答えなくていいか?」
「禁忌「レーヴァ「言う言う!言うからフランそれはやめてくれ!」えー」
「えーじゃないだろ!?」
「それより早く言ってくださいよー。皆さん待ってるんですから」
「分かった。分かった。言うよ」
俺の言葉を聞いて、周りがシーンとなる。
やめてくれ。声が通るじゃないか。
そう思っていても、皆の目は俺を捉えて離さない。黒い瞳が。赤い瞳が。青い瞳が。俺の答えを待っている。
瞬きすらしてないんじゃないか?と思うぐらいの視線の中。俺は答えることにした。
「はいハズレ」
皆の溜息とともに、レミリアは答えた。
「いや、全員って答えたんだから誰かいるだろ」
「バカねあなた。逆よ」
「は?逆?」
「気にしなくていいわ。それより罰ゲームを始めるわよ」
「せめて納得できる説明をしてくれよ……」
そう言ったもののレミリアだけでなく、誰も答えてくれそうになかったので諦めるしかなかった。
紅魔館組の吸血鬼姉妹は、映姫のところに歩いていって耳うちした。
「……え?」
俺が驚くのも無理はないと思う。
何故なら、いつもあの堂々とした態度をとっている映姫の顔が、耳まで真っ赤に染まったからだ。
って。何でそこで俺を睨みつけてくるんだ……
映姫は真っ赤になった顔を隠すようにしながら、俺の方へ歩いてきた。
あまりにも真っ赤。例えるなら熟れたトマト並の赤さだったので、さすがに心配になり声をかけようとすると
「あああああ!あなたは黒です!黒なんです!いやもう黒でしかありません!!!」
「いきなり何だ!?」
本当にいきなり黒を連呼された。
だがそれだけでは映姫は止まらず。
「いきなり!?それは私のセリフですよ!何がどうなって全員の前で私が楽冶に!こくっ!こくっ!……」
「まあ落ち着け。俺は逃げないから」
「逃げたいのは私ですよ!どうしてあなたに!こくっ……告白しないといけないんですか!!!」
告……白だと……
つまりそれお前……
「いったい何しt「そっちの告白じゃないに決まってるでしょう!罰ゲームで愛の告白をするんですよ!ンニャー!」おい。本当に落ち着け。言葉がだいぶおかしいぞ」
「おーい文。カメラ準備できてるか?」
「バッチリです!これは号外確定ですね!」
「お前ら何してやがるんですか!?」
映姫が壊れたのを見て、魔理沙と文の悪ノリコンビが暴れだす。
それを見て周りの皆も暴れだす……と思いきや
「まあまあ。それより先に閻魔様の告白を聞かなきゃダメでしょ〜」
「そうですよ皆さん。騒ぐのはそれからです」
冥界コンビの発言によって、また周りが静かになる。
「ちょっと!?えっ?えっ?皆さん一体何を?」
「何って今さら何言ってんのよ」
霊夢が映姫の後ろから脇の下に手を通してホールドする。
また。こういうのが好きなのか、リリカとてゐが足を固定する。
「やっ!やめっ!離してください!」
「さあ告白しちゃおう!」
そう言ってメルランがトランペットを演奏する。
……だが、それがいけなかった。
メルラン的にはテンション上げさせて言わせよう!という作戦だったのだろうが、テンションが上がるのは一人だけではなく……
いつもと違ったこと
・メルランだけしか吹いていないこと
・皆忘れているが、メルランの力は割と強いということ
・参加している殆どのやつが……酒を飲んでいたこと(つまりすでにテンションが若干高い)
そのせいで演奏を聴いた全員が躁状態とまではいかなくても、結構そういうテンションになってしまった。
一番の犠牲者は、自分めがけて吹かれていた映姫であった。
「楽冶!」
「ん?何だ?っておおい!?」
三人の拘束から逃げた映姫が飛びかかってくる。
いきなりで反応できなかった俺は、映姫を抱えたまま地面を背に、空を見上げることとなった。
「いってえな……」
「楽冶!わた!私と結婚してほしいのですが!」
「はあああああ!?!?」
衝撃発言された……って
「そうか。罰ゲームか」
「違います!これは罰ゲームじゃないです!これは!これは!私の気持あうぅ!」
「楽冶!私と結婚して一緒に神社を盛り上げましょ!」
「いやいや!ここは私と一緒に魔法を研究するんだぜ!」
「何言ってるのよ!楽冶は私と!
私と!私と!私と!
皆が口ぐちに言い合いを始める。
こいつら頭大丈夫か?なんて思ったのも一瞬だけで
「楽冶ー!」
「お兄様!!!」
「ぐはっ!!!」
ルーミアとフランが抱きついてきたのを見て、全員飛びかかってきた。
「えっ!?ちょっ!?無理無理無理!この量はー!!!」
俺の目が覚めた時には宴会終わってるといいな……
目が覚めた時、皆は騒いでいる最中だった。
気絶していたからか、今回もまた気絶寸前の記憶がないのである。
だから毎回気絶はやめてくれと作者に頼んでいるのだが……まあコイツだし仕方がない。
それよりも何がどうなっていたのか、誰かに聞いてみることにしよう。
目の前にいるのは……小町か。
「おい小町」
「ん?ああ楽冶。起きたのかい?」
「起きたはいいが……なぜ俺が気絶していたのか教えてくれないか?」
「……記憶は?」
「まったく思い出せん……」
そう言うと小町は「うーん」と考えて……少し顔を赤く……何故?
「それは「あー!楽冶が起きてる!!!」……これは言う暇がなさそうだねえ」
誰かが叫んだと同時に、皆が向かってきて俺は……この後はご想像におまかせするぜ。
グダグダ&ごり押し許してえええ!!!
あひゃひゃひゃひゃひゃ
まだまだ逝くよお!
※次回から通常です




