恥ずかしい誤解ほど解くのが難しい
おお眠い眠い。
夜勤こあー・・・
来週からテスト?知らんがな。
「到着!」
「わわ。本当に飛んで来ちゃった……」
またもや人里。
永琳に追い出された(…………)ため、永遠亭から飛んできた。
幻想郷で遊ぶところといったら人里しかないんだ。毎回人里?とか言わないでくれ。
「楽冶もいずれ飛べるようになるわよ」
「本当?」
「ええ。今度教えてあげるわ」
「うん!」
そして、この小さい楽冶と遊んできた者は皆思う。
何でこの楽冶が、ああなるのかな…… と。
「輝夜お姉ちゃんどうしたの?」
「え!?あ。いや何でもないわ」
思わず遠くを見てしまった輝夜は、急いで取り繕う。
大きい楽冶だったらバレているだろうが、まだ小さい楽冶は動揺を見破れずに
「そっか!」
と返すだけであった。
「(うう……何か罪悪感が)」
大きい楽冶なら、これも見抜いているに違いないのだろうが……
二人は迷っていた。
いや、人里はあまり広くはない。1回訪れれば大体の道は分かる。
つまり、道に迷ったのではなく、どこに行こうか迷っているのである。
「とりあえず歩きましょうか」
スッ と歩きだした輝夜の手を、楽冶が掴む。
「輝夜お姉ちゃん!手繋ごう!」
「え!それは……」
「いいでしょ?」
「も、もう!しょうがないわね!」
「わーい!」
やはり素直な楽冶は断りづらいのか、すぐに了承してしまう。
二人は手を繋いで、お店の並んでる方に歩いていった。
「(な、何か恥ずかしいわね……これ)」
何気に初な輝夜は、結構恥ずかしいようだった。
「おばちゃーん。お団子四つ!」
「はいよー!」
小腹が空いたらしく、二人は団子屋に座っている。
輝夜も、恥ずかしさに慣れてきたのか、大きな声で注文する。
「はいおまち!」
「わーい!お団子お団子♪」
楽冶はお団子を、すぐさま頬張った。
それを見た輝夜は、少し笑うと、自分も食べようと手を伸ばす。
と。店おばちゃんが顔をずっと見ている事に気付いた。
「もしかして……輝夜ちゃんかい?」
「え?そうだけど……」
「やっぱり輝夜ちゃんかい!私だよ私!覚えてるかい?」
「え?え?」
「ほら。昔あんたが倒れてて……」
「……もしかして!団子屋の看板娘だったお姉さん!?」
「そうそう。もう二十年くらい前かね?輝夜ちゃんがここで団子を食べたのは」
「そんなに経ってたかしら……」
そう。昔本当に人里で迷ったあげく、無賃だった輝夜は空腹で倒れた(飛ぶのも無理だったらしい)過去がある。
その時に色々世話をしてくれたお姉さんである。団子をもらい、さらに一晩宿を貸してもらった。
次の日に鈴仙が来て、永遠亭へと帰ったのである。
それから二十年。輝夜は人里に来なかった……引きこもっていただけであるが。
「それよりこの子はなんだい?お母さんになったのかい?」
「ばっ!違うわよ!この子は……」
「この子は?」
そこで輝夜の頭が、永琳の言葉を思い出す。
「楽冶と知られないように」
楽冶はよく人里に行くらしいので、このおばちゃんが知っている可能性は、大いにある。
ならばどうすればいいのか。答えを考えている時に、楽冶が団子を食べ終えた。
そして
「お母さん?」
「やっぱりかい……」
「違うって言ってるでしょ!」
勿論楽冶は、お母さんという聞きなれない単語を、繰り返したしただけである。
だがこのタイミング。誤解を招くには十分だった。
「まあまあ。そんな恥ずかしがらなくても。輝夜お母さんになっただけじゃないか」
「だから!違うのよ!」
「輝夜お母さん?」
「そう呼んじゃダメ!」
「あなた~!知り合いの輝夜ちゃんがお母さんになったのよ。サービスよサービス!」
「ちょっと!何言ってるのよ!」
輝夜が必死に叫ぶが、ここは店の中。当然他にもお客がいて、会話は全部聞こえている。
何故か拍手が聞こえる中、楽冶は運ばれてきた団子サービスを食べ、輝夜の顔は羞恥によって、赤色に染まる。
そしてついに耐え切れなくなり
「もう!お金はここに置いとくから!行くわよ!楽冶!」
「あ!お団子!」
「いいから!後で何か買ったげる!」
そう言うと輝夜は、楽冶を抱っこして店を出た。
それがさらに母親のように見えたと、団子屋のおばちゃんは言う。
「疲れたわ……」
どこか分からないが、とりあえず逃げてきた。
胸の中の楽冶は、お腹が一杯なのか、今にも眠りそうである。
どこか休める場所はないか、辺りを見回したところ、昔行った事のある建物を発見した。
「とりあえず。あそこで休ませてもらいましょ……」
この後あんな事になるなんて、思いもしなかった輝夜であった。
次話から投稿遅れるかもです。
何とか頑張っていきます。




