遊び相手
フランちゃんの過去話です。
楽冶との出会いは…?
う~……まだかなお兄様。
私はさっきからずっとお兄様を待っている。
さっき起きたらお腹が空いていたので時間を見るとちょうど夕食時。
私は夕食に向かおうとしたのだけれどあることを思い出した。
「レミリアに頼まれてフランの生活改善をする」
こうお兄様が言っていたのだ。
吸血鬼にとって今からのご飯は朝食。先ほどは夕食と思ってしまったが朝食なのである。
つまり今の私は吸血鬼の生活リズムに当てはまっている。
だがお兄様は私の生活リズムは間違っていると思っている。ならばお兄様は私の生活を改善するために朝食(夕食)に呼びに来るはずだ。
そう思った私はお兄様を待つことにした。
呼ばれるまで遊んでおこう。
お兄様に貰ったぬいぐるみで……
今がいつなのか分からない。
私は私が 狂っている からここにいるらしい。
ここは地下室。妖精メイドも何もこないから時間を把握するための人も物もない。
だが私には些細なことだ。なぜならここは、ご飯を持ってきてもらう時以外は私しかいない。
時間が分からなくて困る人などいないのだから。
そういえば。と私は思い出す。
昨日ご飯を受け取る時に新しいぬいぐるみを貰ったことを。
よし。それで遊ぶことにしよう。
ここでできることは睡眠・食事・遊び。これだけしかない。
私はその中でも 遊び が一番好きだった。
偶に放り込まれる妖精メイドがいた。
私は遊びたかったから誘った。
だけど妖精メイドは悲鳴をあげて謝りだした。
私はそれが気に食わなかったので壊してしまった。
跡形も無く。
だからぬいぐるみで遊ぶのだ。
ぬいぐるみなら悲鳴をあげない。私を拒絶しない。
ただ
壊れやすいだけだ
それでも私はぬいぐるみで遊ぶ。
さて今日はこれで何をしようかな……
「ここか?」
声がした。私の知らない男の人の声
「とりあえず入ってみるかね」
入ろうとしているのが分かる。
まあいい。どうせ私を見れば出て行くのだから
「お?誰かいるな。おーいそこの子!」
出て行かない。それどころか声をかけてきた。
少し驚く。気配からして完全に人間。私の気配なら、感じるだけで人間は怯えるはずなのに。
そう思いながらも声をだす。
「私のこと?」
「うん。そうだよ君のこと」
さらに驚くことに返答してきた。
気づくと私の手の中のぬいぐるみが壊れている。
あーあ。また壊れちゃった……そうだ!
この人と遊ぼう
そう思った私はさらに言葉を続ける
「何か用?」
「いや用って言うか……ここが君の部屋?」
「うん。ここは紅魔館の地下にある私の部屋だよ」
「へー。ここに暮らしてるのか。あ。俺は楽冶。君は?」
「私?私はフランドール・スカーレットだよ」
「うーん……フランドールって呼んでいいか?」
「フランでいいよ楽冶」
おかしい。なぜこんなにも普通に会話が成り立つのだろう。
「ねえ楽冶。暇?」
「ん?俺はいつでも暇だぞ。むしろ暇でしかない」
「じゃあ楽冶。フランと……遊ぼう?」
私はここで少しだけ狂気を開放してみた。すでに私の中で遊びは始まっている。
彼。そう。楽冶がどこまで私に着いてこれるのか。
拒絶した時点で……壊そう。
さあ彼はなんと答える?
「ああ。もちろんいいぞ?何するんだ?」
答えはイエス。彼はまだ生き延びれるらしい。
私は私の中で遊びながら、楽冶に遊びの内容を言った。
それからはとてもおもしろかった。
最初は弾幕ごっこと言ったのだが、楽冶は苦手らしい。それで私がスネていると、楽冶が部屋の隅からカードを拾ってきた。
それは トランプ というらしい。使い方が分からなかったから投げ捨てていたのだが、楽冶が教えてくれたのでやってみると結構熱中してしまった。
どれだけの間遊んでいたか分からない。
そう思っていると
「やべ。もう帰らないと」
楽冶は言った。
どうやら帰るらしい。
なんとなく嫌だったのでそれを口にだすと
「まあ。明日も来るから」
明日がいつごろなのか分からない。
だが口調的に近い未来と思ったので帰すことにした。
彼は本当に来てくれるのだろうか。
もし来てくれなかったら
壊そう
2話かけて過去話を終わらせようかと…
今のところ1週間連続投稿していますが書き置きが…
できるだけ頑張ります。
あ!感想できればでいいんで!




